疲労設計の本質― ASME・EN設計基準を「守る」から「使いこなす」へ

技術解説

なぜ疲労破壊は予測しにくいのか  強度設計のポイント

疲労破壊は、材料が塑性変形を起こさない低応力域でも発生します。そのため、

  • 静的強度設計の延長
  • 一度の最大応力評価

では本質を捉えきれません。疲労は時間と回数が支配する損傷現象です。


高サイクル疲労設計の基本構造

疲労限度という考え方

鋼材などでは、一定応力以下であれば破断しないとされる「疲労限度」が存在します。ただしこれは、

  • 平滑試験片
  • 実験室条件

で得られた概念であり、実構造物にそのまま適用できるとは限りません。

平均応力・変動荷重の影響

実機では応力は一定ではなく、平均応力や負荷変動によって疲労寿命は大きく変化します。設計基準はこれらを補正係数として扱いますが、その意味を理解せずに使うと誤解が生じます。


ASME Codeの疲労設計思想

ASME Codeでは、設計疲労曲線が提示されていますが、これは

  • 表面仕上げ
  • 材料ばらつき
  • 実構造との差

を安全側に包含した結果です。
過度な安全率をさらに上乗せすると、合理設計から外れる可能性もあります。


EN13445との思想的違い

EN規格は、補正係数を明示的に扱い、実構造への近さを重視します。一方で、設計者の判断責任も大きくなります。


「基準を守ったのに壊れる」理由

それは多くの場合、

  • 適用条件の誤解
  • 想定外荷重の存在
  • 製造・溶接の影響

によるものです。設計基準は万能ではありません。

強度設計のコツ・ノウハウ・ポイント―‐‐―‐

本記事で触れた技術解説については、TH企画主催の技術セミナーで、具体的事例を交えて体系的に解説しています。

【本記事について】
本記事は、TH企画セミナーセンターが主催する実装技術分野のセミナーにおける
講義内容・質疑応答・実務事例をもとに、製造業向け技術情報として編集・再構成したものです。

執筆・編集:TH企画 技術コンテンツ制作チーム



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