ゴム材料の基礎・応用,多くの自動車部品の事例,具体的な使用方法,設計・取り扱い上の留意点について,事例を踏まえ,双方向のコミュニケーション実践的に分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
テクノサポートオーテス 代表 岡本 邦夫 先生
(株)ワールドテック 講師, 愛知工科大学 非常勤講師
- 日時
- 2025/6/4(水) 10:00〜16:30
- 会場
- 受講料
(消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
※WEB受講の場合、別途テキストの送付先1件につき、配送料1,210円(内税)を頂戴します。
- テキスト
- PDF資料(受講料に含む)
受講概要
- 受講形式
会場・WEB
※WEB受講の場合、Live配信のみ(録画視聴はありません)
- 受講対象
関心のある方ならどなたでも受講できます。
双方向のコミュニケーションをとりながら理解を深めていきます。
WEB受講の場合、音声マイクを使用できるようにご準備してください。
- 予備知識
特にありません。
講師と受講者とやり取りしながら講義進行するので、未経験者でも理解が深まります。
- 習得知識
1)重要品質問題を起こしやすいゴム材料について、その基礎から応用まで総括して学べる
2)具体的な使用方法や設計・取り扱い上の留意点を習得できる
3)多くの自動車部品の事例を知ることで、具体的な使用方法や設計・取り扱い上の留意点を習得できる
- 講師の言葉
ゴムはシール部品(Oリング、オイルシール等)や燃料ホース、防振部品、タイヤなど多くの製品に用いられています。よく用いられる合成ゴムは様々な生ゴムや添加剤、架橋剤を用いて製造されていますが、材料の選択や使用法を誤ると、使用環境下で劣化が進行し、クラックや柔軟性の低下、粘性増大、摩耗など、ゴムを用いた製品にとって重大な不具合をきたしてしまいます。
ゴム材料は液状の生ゴムを主原料とし、多くの添加剤やゴム独特の架橋操作を用いて製造しているので、金属に比べて本質的に不安定な材料です。
しかし、一般的にゴムメーカーはその組成・製法をノウハウとして開示していないため、部品メーカーは品質問題を起こしても、その解決のために、兎角ゴムメーカーに依存しがちです。
本セミナーではゴム材料の基本知識と特性、成型法等を学ぶことによって、良い設計・取り扱い、さらに品質問題への対処法を考える力を養っていただくことを狙いとしています。
- 受講者の声
ゴムに関する知識を学ぶ貴重な機会だった。講義で使用した資料をテキストとして配布してくれた点もよかった(後で見返すことができる)。
基本的な所、参加者の所属に合わせて丁寧な対応をしてくれた。
ゴム材料について多くの知識を習得することができた。ありがとうございました。
講師の経験に基づく話で分かりやすかった。資料も参考になります。
プログラム
1.ゴム材料の概要
1-1 ゴム材料を理解するために
1-2 ゴムの定義
1-3 高分子材料の利用分野
1-4 ゴム材料の用途
1-5 高品質な製品作りと取り扱いのポイント
2.ゴム材料の基礎
2-1 ゴムの種類
2-2 ゴムとばねの伸縮メカニズムの違い
2-3 高分子材料とゴムの関係
(1)高分子材料とは (2)分子鎖とゴムの性状 (3)ゴムとして使える高分子物質
(4)温度が上がると変化する性質 (5)ポリマーの部分結晶化と融点 (6)ゴムが伸びる理由
2-4 ゴム部品と熱可塑性樹脂製品の比較
- ゴムの架橋/加硫
- 架橋/加硫とは (2)架橋/加硫の形態 (3硫黄加硫、(4)過酸化物加、(5)加硫ゴムと架橋ゴムの違い
3.ゴム材料の特性
3-1 ゴム材料の機械的性質
(1)応力(S)と歪み(S)の関係 (2)各種条件(材料・使用・環境)に対するS-S曲線
3-2 ゴム材料の粘弾性特性
(1)粘弾性とは (2)ゴムのクリープ&応力緩和 (3)ゴムのヒステリシス
3-3 ゴム材料の防振性
(1)概要 (2)防振の原理と振動伝達率 (3)振動数比と防振硬化の関係
3-4 ゴム材料の疲労劣化
(1)劣化のメカニズム(2)劣化モデル(3)ゴム材料の疲労特性 (4)疲労破壊の事例 (5)ゴムの疲労破壊
3-5 ゴムの寒さ対策
3-6 ゴムの耐水・耐油対策
3-7 ゴム材料の劣化
(1)概要 (2)ゴムの耐熱性
3-8 ゴム材料の寿命評価法
(1)事例(O-リングの寿命)(2)寿命評価の必然性 (3)寿命評価 (4)手順 (5)結果
4.ゴム材料各論
4-1 ゴムの分類と種類
4-2 生ゴムの表示法
(1)分類 (2)合成ゴムの表示法 (3)ゴムの略号
4-3 各種生ゴムについて
- Rグループ(NR,IR,BR,SBR、IIR、CR) (2)Mクループ(EPM/EPDM,ACM、FKM)
- Uグループ(U) (4)Qグループ(Si,Q) (5)Oグループ(ECO,CO)
4-4 熱可塑性エラストマー(TPE:Thermo Plastic Elastomer)
(1)TPEとは (2)用途(3)TPEの構造 (4)TPEの種類 (5)特徴(6)事例:TPEの使い方
5.ニーズに応える材料つくり
5-1 ニーズに応える材料つくりとは
5-2 強いゴムを作る方法
5-3 ゴムの硬さを調整する方法
5-4 ゴム材料の伸びと架橋密度の関係
5-5 残留ひずみと架橋密度の関係
5-6 耐摩耗性を向上させるためには
(1)摩擦の発生原因に基づく摩耗形態 (2)摩擦の発生形態(凝着摩擦、アブレッシブ摩擦、弾性ヒステリシス)(3)凝着説のメカニズ
(4)アブレッシブ摩擦について (5)凝着摩擦とアブレッシブ摩擦の違い (6)弾性ヒステリシス損失による摩擦について (7)耐摩耗性向上手段 (8)Oリングの固着トラブルの事例
5-7 耐候性を向上させるには
(1)耐候性を高める方法 (2)ゴム分子がオゾンで分解の様子 (3)老化防止とは
(4)老化防止のメカニズム (5)各種ゴムの耐オゾン性比較 (6)ゴムのオゾン劣化の仕方
5-8 耐疲労性を向上する方法
6.ゴム製品と材料の特徴
6-1 代表的なシール製品
(1)オイルシール(オイルシールとは、構成、密封原理、留意点)
(2)Oリング(密封原理、選定方法、Oリングのつぶし率と圧縮永久歪みの関係)
6-2 特殊なゴム材料と製品
(1)スポンジ状ゴム (2)防振ゴム (3)電気特性から見たゴム、バイオ燃料用ゴム、リサイクル可能なゴム
7.ゴム材料の製法
7-1 製造事例(Oリングのプレス・金型成型)
7-2 ゴム材料の製法とその特徴
7-3 生ゴムからゴム材料へのプロセス
(1)ゴム材料の基本工程 (2)ゴム材料の加工工程 (3)ゴムの架橋と薬剤 (4)自動車タイヤの製造工程
8.ゴム材料のトラブルと対策
8-1 加硫ゴムのトラブル要因
8-2 トラブル解析の具体的手法
8-3 ゴム材料のトラブル事例と対策
(1)ゴムの熱・酸化劣化 (2)ゴムの耐油性 (3)ゴムのオゾン劣化 (4)加硫ゴムの水劣化 (5)銅害 (6)ブルーム/ブリード現象
質疑・応答
略歴
1973年4月:日本電装(現デンソー)入社、
1973年8月~1984年12月:日本自動車部品総合研究所へ出向。車載用触媒担体の開発、活性炭素繊維の開発、燃料電池自動車システムの開発
1985年1月(株):デンソーへ復帰
1985年1月~2005年3月:開発部にて空気浄化フィルタ&燃料電池関連システム&機器の開発・設計。
2005年4月~2009年3月:(株)デンソーテクノへ転籍(デンソーグループ会社) 人材育成部にて技術者教育の企画と実践
2009年4月~現在:テクノサポートオーテス代表。自動車関連企業等の技術者を対象に技術教育を支援。
<主な分野>
・表面処理 ・トライボロジー ・熱処理 ・ねじ締め ・接着剤
・ゴム ・樹脂 ・自動車用シール技術 ・VEと原価管理
★2016年9年~2022年2月:愛知工科大学 非常勤講師
(担当:次世代エネルギー、表面工学)
著作
1996年―自動車工学シリーズ「カーエアコン」共著・・山海堂
2021年―機械要素の選定・活用ガイド「シール編」・・日刊工業新聞社
2023年_表面処理の教科書・・日経BP