
溶解度パラメータの基礎・求め方,溶解度パラメータの有効利用法,多様な複合材料開発への最新の応用事例,今後展開が期待される分野の応用事例まで,基礎から分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
山口大学 名誉教授 大佐々 邦久 先生
工学博士 専門:化学工学・微粒子工学
- 日時
- 2025/4/8(火) 10:00〜16:00
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
- PDF資料(受講料に含む)
受講概要
- 受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。
- 受講対象
化学,電子,バイオなどの分野で,研究,開発,評価などに携われる方
初級から中級程度
- 予備知識
特に必要ありません。初歩からご説明します。
- 習得知識
1)溶解度パラメータの基礎と様々な求め方
2)溶解度パラメータの有効利用法
3)多様な複合材料開発への最新の応用事例
4)今後展開が期待される分野の応用事例 など
- 講師の言葉
溶解度パラメータの考え方は,“Like dissolves like”で表される、異なる材料間の親和性の尺度です。特に、分子間力の成分項に由来するハンセンの3DSP値、いわゆるHSP値は、化成品,電子材料、食品や医用材料などにおける材料開発/評価のツールとして広く採用されています。
本セミナーでは、先ずSP値の求め方として、化合物の原子団寄与法による計算法や溶解/膨潤測定法、ならびに粒子材料の新しい測定手段であるIGC法や低磁場パルスNMR法を含む諸手法について説明します。次いで、様々な複合系材料の開発例、および今後の展開が期待される分野への応用事例について解説します。
- 受講者の声
有意義な内容でした。頭での理解はなんとなくできているため実践により理解を深めたい。
内容が高度で難しい部分もありましたが、実務に活かすことができそうな内容もあり検討を進めてみます。
参考になる内容でした。理解が浅い部分はテキストで復習します。質問がまとまりましたらメールでご連絡します。
プログラム
1.溶解度パラメータの基礎
1.1 ヒルデブランドのSP値と相互作用パラメータ
1.2 ハンセンの3DSP値(HSP値)と4DSP値
1.3 SP値・HSP値の利用法
a.ハンセン球とHSP距離
b. 三角線図とてこの規則
2.溶解度パラメータの計算/測定法
2.1 化合物の原子団寄与法によるSP値・HSP値の数値計算
a. フェドース法
b. バンクレベレン・ホフテイザー法
c. ステファニス・パナイオトウ法
d. ソフトウェア(HSPiP,SoluVision)の利用
e. 数値計算の新しい流れ(COSMO,AIの利用など)
2.2 化合物のHSP値・4DSP値の測定法
a. 溶解・膨潤法
・シングルハンセン球/ダブルハンセン球法
・ 拡張ハンセン法
b. インバースガスクロマトグラフィー法
2.3 粒子のHSP値の測定法
a. 凝集/沈降法
b.インバースガスクロマトグラフィー法
c. 低磁場パルスNMR法
3.溶媒・高分子応用材料の溶解性/相分離性の評価と制御技術
3.1 分離/反応操作における最適溶媒選択
a. 溶媒混合の法則と最適混合割合の計算法
b. 超臨界法による微小藻類脂肪酸の抽剤選択
c. 有機合成における溶媒効果
3.2 高分子溶液における溶解性/相分離性と応用事例
a. 相図と均一相/不均一相の形成
b. 酢酸セルロースエアロゲルにおける最適溶媒混合比
c. 光ファイバー型酸素センサーにおける溶媒選択
3.3 高分子ブレンドにおける相分離性と応用事例
a. 相図とスピノーダル分解
b. メンブレンコンタクターにおける多孔質膜の開発
c. ポリマー改質アスファルトにおけるダブルハンセン球の利用
4.粒子分散系材料における付着性/分散性の評価と制御技術
4.1高分子コンポジットのフィラー付着・分散化と応用事例
a. HSP距離・ハンセン球間最短距離/体積重なり度による付着・分散性の評価
b. コア/シェルナノ粒子コンポジットにおける最適樹脂の選択
c. 三角線図を用いたレジンコンクリートにおける表面改質の評価
4.2 粒子分散液のぬれ分散・安定化と応用事例
a. 粒子間相互作用力と分散安定化機構
b. 粒子のぬれ分散化のための良溶媒の選択
c. 高分子分散剤の選択指針
・ブロック型とくし型構造
・相互作用パラメータと溶解/伸張性
・吸着特性とダブルハンセン球の利用
4.3 キャピラリー懸濁液における二次流体の選択指針
a. レオロジー特性を利用した二次流体の選択指針
b. 3Dプリンター用グラフェンインクの開発
c. 食品材料への応用例
5.今後の展開が期待される分野
5.1 エネルギー分野
a. ペレブスカイト太陽電池材料の貧溶媒晶析法
b. 水素発生複合電極の開発
c. Li電池複合電極材料における最適バインダーの選択
5.2 生体・医用分野
a. 生体適合性溶媒の探索
b. 刺激応答性材料の開発と医療用への応用
c. 薬剤の皮膚への浸透性
5.3 環境分野
a. 抽出操作におけるグリーン抽剤の選択
b.排ガス吸収における吸収液の探索
c. 使用済み電線からの被覆樹脂と銅線の分離回収技術
まとめ
質疑・応答
略歴
山口大学 名誉教授
工学博士 専門:化学工学・微粒子工学
名古屋大学および山口大学にて,固液分離における凝集・沈降,および有機溶媒/樹脂中における分散・凝集について研究