受講概要
- 受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。
- 受講対象
押出機・混練機のメーカーおよびユーザーをはじめ、本分野を勉強したい技術者・研究者全般を対象とする。
基礎的な事項、よく遭遇する問題を中心に解説を行うが、応用的な内容の問題に対しては、質問時間やセミナー後に個別に対応する。
- 予備知識
とくに必要ありません。
- 習得知識
1) 可視化・計測技術
2) 固体輸送・溶融・溶融体輸送の基礎理論
3) 溶融混練の基礎理論とそれに基づく装置設計の理解
4) シミュレーション技術と混練評価の考え方
5) スケールアップの考え方
6) メカニズムに基づくトラブル対策 など
- 講師の言葉
単軸・二軸スクリュ押出機やバッチ式・連続混練機を用いて高分子材料の混練および押出しがなされている。押出・混練過程でのトラブル回避や、装置・プロセス設計の最適化のためには、まず装置内で何が起きているのかを把握することが最も重要である。そのために、材料挙動の可視化・計測やシミュレーション技術が利用され効果を上げているが、技術者が材料挙動・混練に関する基本的な理論 (ノウハウや試行錯誤ではなく) を理解し、実験・計算結果を妥当に解釈できることが、検討結果を実効的に成果へ結びつける最も確実な方法である。
本講では、高分子材料の固体輸送,溶融,溶融体輸送と混練に関して基礎理論をわかりやすく解説するとともに、その理論に基づく装置設計と不良現象のメカニズムの事例を紹介する。また、実験およびシミュレーションを用いた混練評価およびスケールアップについて、現状の方法と課題を理論的に説明する。
プログラム
1.背景
1.1 押出機・混練機の概要と特徴
2.実験による可視化・計測
2.1 既往の可視化・計測の例
2.2 最近の可視化・計測技術の研究例
2.3 各種手法の特徴と注意点
3.固体輸送メカニズム
3.1 輸送メカニズムと不良現象
3.2 スクリュ設計の基礎
4.溶融部における高分子材料の 溶融メカニズム
4.1 溶融プロセスの可視化と溶融理論
4.2 スクリュ設計の基礎
4.3 溶融不良への対応
4.4 溶融部での構造形成
5.溶融混練部の輸送・ 混練メカニズム
5.1 溶融体輸送メカニズム
5.2 分配混合と分散混合
5.3 伸長流動の重要性
5.4 ポリマーブレンド・コンポジットの混練理論
6.単軸スクリュ押出機内の溶融混練
6.1 スクリュ設計の基礎
6.2 溶融混練理論と混練エレメントの関係
7.二軸スクリュ押出機内の溶融混練
7.1 溶融混練理論と混練エレメントの関係
7.2 溶融混練に付随する問題と対策
8.計算機シミュレーションによる 材料挙動の予測
8.1 シミュレーション手法の分類と特徴
8.2 混練予測のモデリングと問題点
9.シミュレーションによる混練評価
9.1 混練評価指標とその考え方
9.2 検証実験とその考え方
9.3 シミュレーションと実験を用いた研究例
10.スケールアップと シミュレーション
10.1 スケールアップの一般論
10.2 シミュレーションによる
スケールアップの研究例
11.今後の課題
今後の課題
まとめ
質疑・応答
略歴
1982年3月 九州大学工学部化学機械工学科卒業
1987年3月 九州大学大学院工学研究科化学機械工学専攻博士後期課程修了
1987年4月 九州大学工学部助手
同講師,助教授を経て
1995年4月 九州工業大学工学部助教授
2002年4月 九州大学大学院工学研究院助教授
2005年1月 同教授
2025年3月 同退職(予定)
その間 1993年3月〜12月 オタワ大学客員研究員
所属学会:
プラスチック成形加工学会
会長(2020・2021年度),監事,副会長,会誌編集委員長,押出成形専門委員会委員長など
日本レオロジー学会
会長(2019・2020年度),監事,副会長,編集委員長,理事など
化学工学会
九州支部支部長(2021・2022年度),粒子・流体プロセス部会会長(2016・2017年度),副支部長,副部会長,代議員など