官能評価の設計から触感の数値化,感覚と物性値を結びつける方法,触覚の官能評価と摩擦・力学物性の関係を解析し,商品設計・開発に結び付けた事例について,触覚センシングや手触り感を交えて分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
山形大学大学院 理工学研究科 バイオ化学工学分野 教授 野々村 美宗 先生
工学博士
花王(株)主任研究員を経て現職 NHK番組「チコちゃんに叱られる」において「しっとり感」を解説
- 日時
- 2024/9/25(水) 10:00〜16:30
- 会場
- 受講料
(消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
※WEB受講の場合、別途テキストの送付先1件につき、配送料1,210円(内税)を頂戴します。
- テキスト
- 製本資料(受講料に含む)
受講概要
- 受講形式
会場・WEB
- 受講対象
テーマに関心のある方であれば制限はありません。
- 予備知識
特に必要ありません。
- 習得知識
1)触覚評価のための官能評価のテクニック
2)触覚認知のメカニズム
3)触覚センシング
4)触覚に着目した商品開発の事例 など
- 講師の言葉
モノの手触りは化粧品・日用品・繊維から自動車・ロボット・バーチャルリアリティーまでさまざまな商品・システムやこれらを構成する原料・材料を開発する上で重要な評価項目となっており、操作性や機能に優れていることはもちろんのこと、触った瞬間に魅力が伝わったり、触れるほどに好ましく感じられるものを作り出すことが求められています。そのため、これらの分野では「使用感」「好感」「上質感」等の触感が求められることが一般になってきました。
しかし、多くの開発の現場では、顧客の求める抽象的な質感を実現するために、モノの手触りを的確に評価し、商品の設計に反映するために苦労されていることが多いのではないでしょうか?今回のセミナーでは、商品開発における触感の重要性をお話ししたうえで、 まず、触覚研究に必須の商品開発に役立つ官能評価のテクニックをご紹介します。次に、触覚の認知メカニズムとヒトがなぜ「さらさら」「しっとり」「なめらか」等の多彩な触感を感じるのかを、私たちが開発した最先端の触覚センシングシステムを用いた研究成果に基づいてお話しします。また、各方面で利用されている触覚センシングシステムの特性について具体的に紹介したうえで、化粧品・日用品・繊維・塗料・自動車分野と関連する原料・材料の手触り評価とこれを利用した商品開発の事例を紹介します。明日から開発の現場で使えるテクニックをと説明しますので、ぜひご参考ください。
- 受講者の声
本日は貴重なご講演の機会をくださりありがとうございました。具体的な官能評価の実施方法から、摩擦特性の解釈の仕方まで詳細にご講演くださり、大変勉強になりました。パウダー製品の検討を現在行っておりまして、しっとり感となめらか感の違いはなんなのか、同じように使用感の良いさらさらとしっとりの違いをどのようにして客観的な根拠をもって説明できるかということに課題を感じておりましたので、本日のご講演はまさに今知りたいと感じている項目でした。私は物理学は詳しくないのですがかみ砕いてやさしく解説してくださり理解することができました。質問にもご親切に詳細ご回答くださり誠にありがとうございました。
現在、OTC医薬品メーカーにて皮膚外用剤の開発を行っているのですが、使用感評価に悩むことが多かったので、今回のお話はとてもためになりました。様々な評価装置があること知ったので、今後の評価設計で装置の使用を検討してみたいです。
「しっとり感」についての論文が発表された時からずっと話を聞いてみたいと思っていたテーマでしたが、実際に聞くと期待以上の詳細な解説で、「これなら日々の商品開発に応用できそうだ」とワクワクさせられる内容でした。
とても分かりやすい解説でした。官能評価のところは実務で役に立ちそうです。
化粧品の官能評価と触覚センシングについて分かりやすくご説明いただき大変勉強になりました。
プログラム
1. 材料開発における触覚センシングの重要性
2. 官能評価とは?
なぜ官能評価をするのか?
機器分析との違いと特徴
官能評価のプロセス
倫理審査
3. 官能評価に影響を及ぼすファクターとそのコントロール
評価方法の種類
実験環境をどうするか?
試料数とその提示法
パネルの選び方と数
評価に使うことばの選び方
官能評価の尺度と特徴
4. 官能評価用質問紙の作り方
フェイスシートにはどんな内容を盛り込むか?
質問紙の具体例
5. 手触り・触感の発現メカニズム
ヒト皮膚の構造と触覚受容器 特性の異なる4種類の受容器が多彩な感覚を生み出す
触覚の不思議 年齢・性別・身体の場所によって感覚が変わるのはなぜ?
脳における情報処理
6. ヒトはなぜ多彩な触感を感じるのか?
ヒトそっくりの指モデル・人工皮膚をつけただけで触感評価の制度が向上?
ヒトの自然で滑らかな動きを再現するバイオミメティック触覚センシング
「しっとり」「さらさら」「ぬくもり」・・・ 多彩な感覚が発現する物理的なメカニズム
7. 現在実用化されている触覚センシングシステムの仕組みと特性
8. 化粧品・化粧品原料の手触り評価
スキンケア・トリートメントの効果も一目瞭然? ヒト皮膚・毛髪の摩擦ダイナミクス
商品の微妙な違いを識別するメイクアップ化粧料の摩擦ダイナミクス
9. 日用品の手触り評価
植物油脂を塗布した木材の自然な仕上がりとなめらか触感
毛並みをなめらかにするペット用クレンジングシート
10. 繊維の手触り評価
繊維の風合いを総合的に評価する「KAWABATA EVALUATION SYSTEM」
濡れてないのになぜ感じる? 布地の「ぬめり」と「しっとり」
微妙な感覚を評価する 濡れた布地の触った瞬間のヒンヤリ感の定量化
11. 自動車用樹脂材料の評価
kanseiに訴えかける自動車の設計
プラスティックなのに柔らかい? ソフトフィール加工
質疑・応答
略歴
1996年 慶應義塾大学 大学院 後期博士課程 修了
1996年 花王株式会社 入社
11年間メイクアップ化粧料、皮膚洗浄料の商品開発を担当
元 花王株式会社 主任研究員
2017年4月 山形大学 大学院理工学研究科 バイオ化学工学専攻 教授
所属学会等
日本化学会 コロイドおよび界面化学部会 幹事
日本油化学会 関東支部 副支部長
日本物理学会
化学工学会
日本化粧品技術者会
日本香粧品学会
色材協会
著書
化粧品・医薬部外品・医薬品のための界面化学 (フレグランスジャーナル社)
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