分析バリデーション(メソッドバリデーション),分析パラメーター,統計的な知識,注意すべきポイント,官能検査での注意事項,標準品管理について,豊富な経験に基づき,具体的事例を交え詳しく解説する特別セミナー!!
- 講師
株式会社ミノファーゲン製薬 顧問 脇坂 盛雄 先生 エーザイ(株)の品質管理/品質保証に30年勤務を経て現在に至る。他2社の顧問
- 日時
- 2024/4/10(水) 10:00〜16:30
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
- PDF資料(受講料に含む)
受講概要
受講形式 WEB受講のみ ※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。 受講対象 特に制限はありません 予備知識 予備知識は不要です 習得知識 1)分析バリデーション(メソッドバリデーション)を知る 2)分析パラメーターを知る 3)分析バリデーションに必要な統計的な知識を得る 4)分析方法の基本を学ぶ 5)分析で注意すべき基本を知る 6)官能検査での注意事項 7)標準品管理 8)データインテグリティ など 講師の言葉 小林化工での健康被害を起こしたロットでは、普段ないピークが検出されていた。ところが、分析の原理を十分把握していなかったため、問題に気付きませんでした。また統計の基礎知識が弱かったため、データの持っている意味を理解できませんでした。 本セミナーでは、分析バリデーションという狭い定義の内容だけでなく、試験そのものについて理解を深める内容としています。分析バリデーションは新規申請資料の試験方法設定時に必須になります。実際は申請だけでなく、日常の試験検査や品質トラブル解決のための新しい評価方法確立、洗浄バリデーションの試験方法作成、官能検査の実施など、多くの場面で重要な役割を担っています。また、分析バリデーションには統計的な知識も必要になります。医薬品開発・製造では分析そのものへの知識があって実際に意味ある試験方法ができ、問題への対応が可能となります。そのための基本から総合的に学ぶ機会としたい。その他、官能検査、標準品管理についても説明します。 最近、PMDAによる無通告査察などに関する試験の不備/齟齬から製品回収になっており、その対策についても紹介する。品質トラブルが発生した時、分析の基本知識は必須です。QCの結果を100%信用していると大きなトラブルを招きかねません。QAの方で分析の経験がない方にも知っておいて欲しい基本的な内容を網羅しています。分析バリデーションとそれに関連する分析のトラブルを取り上げ、分析での品質問題にきちんと対応できる学びにしています。
プログラム
1.分析バリデーションは何故必要か 1)バリデーションされていないと何が起きるか 2)分析方法は手段 ・何を分析したいのか ・どこまで分析したいのか 2.分析バリデーションのいろいろ 1)新規分析法作成時のメソッドバリデーション 2)試験方法移管時のサイトバリデーション 3)代替試験法設定のバリデーション 4)洗浄バリデーションの試験方法のバリデーション 5)機器のキャリブレーション 6)機器の適格性評価(DQ、IQ、OQ、PQ) 7)トレーサビリィティ 8)官能検査のバリデーションとは ・注射剤の不溶性異物試験 3.知っておきたい統計の知識 1)統計確率の重要性 ・競馬と宝くじ、どちらが儲かるか ・ナイチンゲールは統計学者だった ・ゴルゴ13は弾の品質保証を行っていた など 2)バラツキの概念(正規分布/ニ項分布/ポアソン分布)と分析バラツキの要因 データを見るとは規格適合だけでなく、そのデータの発生確率を知ること 3)統計学の基本定理(中心極限定理と大数の法則) 4)基本統計量(平均値と分散、標準偏差/不偏標準偏差)、 5)工程能力指数 6)95%信頼区間 7)相関係数と回帰式 8)F検定&t検定 9)分散分析 10)抜取り試験/OC曲線 4.分析能パラメータ(Validation Characteristics) 1)真度(Accuracy/Trueness) 2)精度(Precision) 3)特異性(Specificity) 4)検出限界(Detection limit) 5)定量限界(Quantitation limit) 6)直線性(Linearity) 7)範囲(Range) 8)頑健性(Robustness) 9)分析バラツキと規格設定の考え方 10)公定書への適用(Qualification)について 11)日本薬局方の規格値設定で考慮すべきこと 12)製造所は分析バリデーションレポートを研開または製販からもらい、試験法を知る 13)分析法バリデーション関連の2つのGLがステップ4到達、ICHプラハ会合で 5.分析方法の基本を知る 1)滴定 2)比色反応 3)誘導体の作成 4)分離分析 ・GC ・HPLC 検出器(UVなど) 5)結晶径の違いを知る ・TG ・DSC ・X線回折 6)異物の同定 ・FTIR(顕微鏡IR) ・X線マイクロアナライザー ・ラマン分光 6.標準品の設定と管理 1)国の標準品とのトレーサビリティ 2)二次標準品設定 3)製剤の標準品は99.0%以上の活用 4)標品の管理(類縁物質) 5)標準品の変更管理での品質トラブル事例 7.分析バリデーションとサンプリングの関係 1)“原則品質部門がサンプリングする“の意味(GMP逐条解説&事例集から) 2)QCは評価する部門、分析バリデーションはツールの検証 3)サンプリングとは、製造方法、均質性、ロット構成を把握して行う 4)承認書や日局にn数が規定されていない理由 5)サンプリング試料の粉砕や縮分時の注意点 8.分析方法の設定事例 1)UV法をHPLC法へ 2)糖の滴定をHPLCへ 3)分析の自動化 4)特殊な分析方法の開発 9.分析方法の失敗事例 1)標準品の評価が分析方法で異なる 2)古い試験方法の対応 ・製造販売承認書の機器廃棄 ・OOSを起こしやすい製剤 ・OOSを起こしやすい試験 10.OOS発生時のラボエラー調査 1)標準品変更時のOOS 2)ラボエラーに気付かず製品回収 3)PMDAによる試験不備による製品回収 4)日医工のOOSの判断不備への当局の指摘 5)規格限界値付近のデータの意味とその対応 6)FDAの最新のOOSガイドライン紹介(和訳) 11.代替試験方法使用時の注意事項 1)製造段階の管理値との関係(OOT設定) 2)経年での評価 3)最近のPMDAによる代替試験に関する製品回収 4)代替試験法は原則禁止 2022年GMP事例集より 5)試験方法の軽微変更と一部変更申請の記述 12.日本薬局方(JP)変更時並びに新規収載時の対応 1)JP変更時の対応 2)新規収載申請時の注意点 13.分析バラツキと規格設定の考え方 1)含量試験 2)類縁、不純物 3)溶出試験 14.安定性試験の経年低下防止 1)回帰式での予測 2)過量仕込み対応 15.FDAの査察/Warning Letterとデータインテグリティ 1)FDAの査察 2)Warning Letter 3)欧米のデータインテグリティガイドライン紹介 ・PIC/SDIガイダンス ・FDAガイダンス 16.PMDAの無通告査察で指摘される前にQCの試験法などについて確認したいこと 1)試験の齟齬による回収 2)齟齬確認のポイント 17.小林化工の事例から学ぶ 1)普段ないピークへの正しい対応できず 2)OOSの対応不備 3)承認書の試験方法と正しい試験方法の違い 4)判定値の統計的意味 ・含量の値 ・溶出試験の値 ・該当ロットは含量低下&逆に溶出試験の高い値の矛盾について 5)分析バリデーションの真値の失敗 6)習慣性医薬品の管理 18.QCで防ぎたい品質トラブル 1)溶出試験の統計確率のリスクの考え方 2)主薬の結晶形の影響 3)主薬の物性の溶出試験への影響 4)類縁物質が注射剤の不溶性異物に影響 19.試験者の教育訓練と認定 1)認定制度 2)試験方法のノウハウ集(研修資料) 20.人が創る品質/FDAのQuality Culture 質疑・応答 講師紹介 略歴 1979年4月 エーザイ (株)入社 検査部、人材企画室、生産物流本部、信頼性保証本部 品質保証部 統轄部長 品質保証責任者 (品責) を歴任 エーザイ(株)の品質管理/品質保証に30年勤務 2013年9月 退職 他2社の顧問を兼務、現在に至る
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