課題解決、品質向上、技術向上のセミナーならTH企画セミナーセンター

調達業務の実務に役立てるための

半導体・電子部品・回路部品調達における部品別にみた技術勘所
~あなたもグローバル調達を支えるオールマイティな部品技術者になれる~
【会場・WEB選択可】

オープンセミナー 会場受講WEB受講

エレクトロニクスコンサルティング

部品調達の基本,契約のポイント,各種部品の構造・工法・製造プロセス知識 ,各種部品の評価上のおさえどころについて,豊富な経験に基づき,事例を交え詳しく解説する特別セミナー!!*数百ページに及ぶテキストは事典としても活用可能

講師
技術コンサルタント 伊藤 千秋 先生
オムロン株式会社 品質保証部長,部品技術部長等歴任後現職 制御機構部品の品質保証を15年,
自動車電装部品の品質保証23年経験,品質・信頼性一筋のプロフェッショナル
この間,日本科学技術連盟 信頼性開発技術研究会 委員長などを歴任
日時
2024/3/1(金) 10:00〜16:50
会場

TH企画 セミナールームA

会場案内
受講料
(消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
  ※別途テキストの送付先1件につき、配送料1,210円(内税)を頂戴します。
テキスト
製本資料(受講料に含む)

受講概要

受講形式
会場・WEB

受講対象
特に制限はありません。


予備知識
特に必要ないが、部品の審査業務に従事している技術者(試験・解析・メーカ監査など)でより業務に深みをつけたいと考えている人
事前に質問を受け付けます。


習得知識
1)各種部品の構造・工法・製造プロセスの知識
2)各種部品の評価上のおさえどころ など
*数百ページに及ぶテキストは事典としても活用可能


講師の言葉  
 このところの半導体業界は日本企業の衰退が目立ち、欧米中系の半導体が勢力を伸ばしている。電子部品、その中でも半導体については欧米系の考え方である信頼性水準に応じた半導体供給の考え方が浸透し、軍需・原子力発電・宇宙機器・自動車などの高信頼性用途の半導体と家電などの汎用用途の半導体に二極分化してきた。高信頼性でPPAP技術データ提供や変更管理をするが高コストのものと汎用用途でクレーム受け付けず監査も受けつけないが、その分、低コストというものである。そうした流れの中では自己防衛から自社でリスクを負って自社での品質保証を考えないといけないところまで来ているものもある。  
 一方、LED、抵抗、コンデンサ、インダクタ、コイル、フィルタ、コネクタ、スイッチ、リレー、基板などの電子部品でも受動部品や電気機構部品では比較的技術力や解析力に課題を抱える現地メーカもあり、技術育成をしながら部品の供給をしてもらうことが必要となってくるメーカも存在し、メーカ任せのやり方ではいけなくなっている。こうした中、良い部品を選定するために、これらのメーカと対等にやりあえる技術力と監査だけでなく指導力がより必要になってきている。本講座は部品ごとにその技術の押さえどころはどこか、その弱さ、強さを浮かびあがらせ、現場で技術改善、技術強化を実践できる力を養う講座である。 

プログラム

1. 日本の技術の強みと弱み
●日本の強みは半導体材料、半導体製造装置、新たなパワー半導体(SiC,GaNなど)

2. 部品調達の基本的な考え方
●海外調達・現地調達・最適地調達の選択
●メーカ任せでなくメーカ品質保証とメーカの保証のない領域の自社品質保証の組み合わせ

3. 契約
●自動車機能安全規格

4. サプライヤ・部品の認定・登録と管理 
●商品の保証には特性保証・機能保証・故障モード保証の三つの領域がある
●自社・自業界にあったメーカ・部品の選定をすることは品質保証行為のひとつ
●部品の認定は体制評価(品質システム)・現品検証(試験・分析)・現場検証(工程審査)
●長期信頼性試験(時間軸→メーカ)と短期信頼性試験(ストレス軸→自社)の組み合わせ
●短期信頼性は拡散則による劣化の変曲点である300H/300サイクルを最低限にとらえる
●試験ストレスをかけた部品を良品解析(解体解析)して工法の弱点と故障の兆候をつかむ
●それらの結果をもってメーカの体制監査・製造プロセスの監査に挑む

5. 部品ごとの材料・構造・工法・製造プロセスとそれら技術のおさえどころの着眼点
(1) IC(MPU、メモリIC、電源IC、ロジックIC、アナログICなどの着眼点の例)
 ・MPUはメーカ・部品は変えない、変えるなら部品展開を戦略的にする
 ・ワイヤーボンディングの形状からキャピラリー条件、ボンディング条件を読み取る
 ・AuワイヤAl合金層形成、コンタクトホール形成、ステップカバレージ、テスタビリティに注視                 
(2) パワーデバイス(パワーMOS-FET、SCR、三端子レギュレタなどの着眼点の例)
 ・ワイヤボンディングの形状からウエッジボンダツールの形状、条件を読み取る
 ・パッケージレジンのガラス転移点Tgから耐熱性を読み取る
 ・パッケージレジンのフィラーの材質、形状、粒度の種類と放熱性、伸縮性、流動性を読み取る
 ・パワーサイクルによるワイヤの伸縮みによるパッド下のセル破壊、ワイヤ亀裂に注視       
(3) トランジスタ(バイポーラトランジスタ、電界効果型トランジスタ、IGBTなどの着眼点の例)  
 ・ワイヤ種類とボンディング時のシールドガス、ボンディング条件を読み取る 
 ・ワイヤーボンディングの形状からキャピラリー条件、ボンディング条件を読み取る
 ・ダイボンディングの接合面積状態からダイボンディング条件を読み取る
 ・チップ分割の端面形状、クラックからダイシングの工法、条件を読み取る
 ・AuワイヤとAlとの共晶合金層の形成状態からワイヤの接合性に注視          
(4) ダイオード(整流ダイオード、ツェナーダイオード、ショットキーダイオードなどの着眼点の例) 
 ・メサ型構造・プレーナ型構造を読み取る
 ・メサ型ではPNジャンクション絶縁保護の材料、構造から耐圧性を読み取る
 ・プレーナ型ではガードリングに位置、深さから耐圧性を読み取る
 ・チップ分割の端面形状、クラックからダイシングの工法、条件を読み取る                 
(5) 光半導体(LED、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトカプラなどの着眼点の例) 
 ・パッケージレジンのガラス転移点Tgからレジン伸縮によるワイヤ断線の耐久性を読み取る
 ・ワイヤーボンディングの形状からキャピラリー条件、ボンディング条件を読み取る
 ・AuワイヤとAlの共晶合金層形成からワイヤの接合性、Aペースト量によるリーク注視  
(6) 抵抗(角チップ型抵抗、円筒型抵抗などの着眼点の例)
 ・抵抗ペーストの種類、構造(電極、抵抗体)を読み取る
 ・抵抗体と電極の繋ぎ目の重なり状態から耐湿性、耐硫化性を読み取る
 ・抵抗体の導電粒の結合状態の分布から抵抗の安定性を読み取る
(7) 振動子(水晶振動子、セラミック振動子などの着眼点の例)
 ・インピーダンス特性、位相特性、起動特性から共振抵抗、共振波形の安定性を読み取る
 ・微小電力での起動特性の起動時間、共振抵抗から不安定素子を読み取る
 ・面積振動のセラミック振動子はエレメントのクラックから発振停止の可能性を読み取る
 ・すべり振動の水晶振動子では電極のAg屑付着がないかから発振停止の可能性を読み取る
(8) アルミ電解コンデンサ(ディスクリート型、表面実装型などの着眼点の例)
 ・電解液の種類から封口ゴムとの相性をSP値から読み取る
 ・アルミ箔のエッチング構造、孔径、率から電解液を長期間保持できる工法かどうかを読み取る
 ・電解液の沸点から揮発度を読み取る
 ・電解紙の種類、吸水率から電解液を長期間保持できる材料かどうかを読み取る
(9) セラミックコンデンサ(単板セラミックコンデンサ、積層セラミックコンデンサなどの着眼点の例)
 ・セラミックの材質、外部電極構造、内部電極構造を読み取る
 ・セラミックの抗折強度、耐歪み性を読み取り、多数個取り基板の分割工法を選択する
 ・内部電極間の空孔(ピンホール)を読み取り高電界短絡が起こらないようにする
(10) フィルムコンデンサ(金属箔コンデンサ、メタライズドコンデンサ、積層フィルムコンデンサ例)
 ・内部電極と外部電極の接合状態、絶縁状態変形状態を読み取り、リークが出ないようにする
 ・フィルム材料のガラス転移点Tgから耐熱性を読み取る
 ・外部電極を形成する溶射の金属種類から温度を読み取り、フィルム熱変形性を確認する
 ・外部端子の超音波による溶接状態を読み取り、溶接強度安定性を読み取る
(11) バリスタ(バリアブルレジスタ)
 ・バリスタ電圧を読み取る
 ・バリスタ径、厚みから耐圧、バリスタ結晶粒度均一性から耐久性を読み取る
(12) ポテンショメータ(回転型、直線型)
 ・抵抗体の種類を読み取る 
 ・ガラスの種類、導電体とガラスの配合量、表面硬度、摺動耐久性を読み取る
(13) サーミスタ(ガラス封止リード型、樹脂封止リード型、表面実装型)
 ・チップとの接合構造、温度特性を読み取る
 ・外部引き出しリードと封止樹脂、ガラスとの封止性を読み取る
(14) ソレノイド(プル型、プッシュ型)
 ・マグネットワイヤの皮膜の種類を読み取る
 ・ワイヤ、ボビンのガラス転移点Tgと耐熱性を読み取る
 ・ワイヤと引き出し端子の接合部位のはんだターン数、空巻ターン数、温度を適正にする
(15) トランス(電源トランス・パルストランスの着眼の例)
 ・マグネットワイヤの皮膜種類を読み取る
 ・マグネットワイヤの被膜のガラス転移点Tgから耐熱性に適合しているか読み取る
 ・マグネットワイヤのピンホール、皮膜厚み、偏肉から耐圧性を読み取る
 ・ワイヤと引き出し端子の接合部位のはんだターン数、空巻ターン数、温度を適正にする
(16) コネクタ(基板接続コネクタ、圧着コネクタ、フレキシブル基板コネクタ着眼点の例)
 ・コネクタ接触点数、めっき種類、接触圧力から微少摺動摩耗の可能性を読み取る
 ・コネクタ接触点位置、篏合長さから接触安定性を読み取る
(17) リレー(ヒンジ型、プランジャ型の着眼点の例)
 ・微小負荷に適する種類、接点材質、形状、めっき、接点圧力、間隔、吸引力を読み取る
 ・大電力負荷に適する種類、接点材質、形状、めっき、接点圧力、間隔、吸引力を読み取る
 ・接点皮膜の種類から皮膜破壊をするための電圧を読み取る
 ・アークを発生させる電圧とアークを継続保持するための電流とアーク消弧法を読み取る
(18) 基板(リジット基板、フレキシブル基板、金属基板、ビルドアップ基板の着眼点の例)
 ・基板樹脂のガラス転移点Tgから耐熱性を読み取る
 ・銅箔厚み、銅箔エッチング均一度から通電電流容量、温度上昇、ピール強度を読み取る
 ・フレキシブル基板は銅箔種類を結晶配向から繰返し折曲げ耐久性を読み取る
 ・金属基板は樹脂、接着剤のフィラー種類、配合量から熱抵抗を読み取る
 ・フレキシブル基板は銅箔同士を接合するスタックの接合度、穴埋めホールの平坦度、ボイドから接合が安定的におこなわれているかを読み取る

6.審査者の認定と育成の体制
 ・審査員は試験ないしは分析・解析従事経験3年以上で適正を加味して決める
 ・審査員にはすべての部品技術の教育訓練をうけて技術知識を習得させる
 ・養成員(審査補助で審査同行が許される)・審査員(審査ならびに審査報告書が作成できる)・主任審査員(報告書の照査と審査員の指導ができる)

7.評価チェックリスト
 ・部品毎にチェックリストとして決める
 ・「よい」「わるい」の2段階だけでなく、「優良(モデルになる)」「よい(最低限はクリアしている)」「悪い(改善点がある)」「悪い(取引には重大な支障がある)」として状態表示する
   
質疑・応答


講師紹介
略歴
オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 品質保証部長,部品技術部長等歴任後現職
制御機構部品の品質保証を15年,自動車電装部品の品質保証23年経験,
品質管理・品質保証・信頼性一筋のプロフェッショナル
この間,日本科学技術連盟 信頼性開発技術研究会 委員長などを歴任

関連セミナー