溶解度パラメータ・表面自由エネルギー・酸塩基度の基礎と最新測定法,ぬれ・分散化のための有機溶媒/樹脂とレベリング剤選択,安定化のための高分子分散剤・表面改質法の選択指針,粒子分散系の分散安定性試験法について,初歩的な内容からわかりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
山口大学 名誉教授 工学博士 大佐々 邦久 先生
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
※別途テキストの送付先1件につき、配送料1,210円(内税)を頂戴します。
- テキスト
受講概要
受講形式 WEB受講のみ ※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。 テキスト 製本資料(受講料に含む) ※別途テキストの送付先1件につき、配送料1,210円(内税)を頂戴します。 受講対象 初めての方から中堅の方で、分散系の調製法を基礎から学ばれたい方 化成品、電子材料および薬剤などの研究開発、製造や品質保証に携わられる方 など 予備知識 特に必要ございません。初歩から分かりやすくご説明します。 習得知識 1)溶解度パラメータ、表面自由エネルギー、酸塩基度の基礎と最新測定法 2)ぬれ・分散化のための有機溶媒/樹脂とレベリング剤の選択 3)安定化のための高分子分散剤/と表面改質法の選択指針 4)粒子分散系の分散安定性試験法 など 講師の言葉 マテリアルズインフォマティクスの波及効果は粒子分散系の構造設計にも及び、一部製造業では樹脂中フィラーの最適寸法や界面構造等のシミユレーションに応用されています。 このようなシミユレーションでは、前提となる基礎データの取得とその評価が欠かせませんが、本セミナーでは、先ず分散系における評価ツールとして、分子間力に由来する溶解度パラメータ(3DSP値,4DSP値)、表面自由エネルギーおよび酸塩基度を取り上げ、その基礎と最新測定法について述べます。 次いで様々な分散系、たとえば粒子分散液、高分子コンポジットおよびキャピラリー懸濁液等の調製工程における課題と解決法について説明します。すなわち粒子のぬれ・分散化のための良溶媒の選択法、また安定化のための表面改質法および最適分散剤の選択法などについて、多くの事例を踏まえ平易に解説します。
プログラム
1.粒子分散系の調製不良の原因と対策 1.1 粒子分散液の調製工程と課題 1.2 ぬれ・分散化不良の原因と対策 1.3 安定化不良の原因と対策 1.4 塗布性・乾燥性不良の原因と対策 2.分散安定性の評価に欠かせないパラメータとその求め方 2.1 溶解度パラメータ(3DSP値・4DSP値)の基礎と求め方 2.1.1 ヒルデブランドのSP値とハンセンのSP値(3DSP値) 1) ヒルデブランドのSP値と相互作用パラメータ 2) 3DSP値と図示化法および相互作用距離(ハンセン距離) 3) 4DSP値と交換エネルギー密度(exchange energy density) 2.1.2 化合物(溶媒,高分子,界面活性剤)のSP値・HSP値と求め方 1) 原子団寄与法(フェドース法,バンクレベレン・ホフテイザー法,ステファニス・パナイトウ法など)とソフトHSPiPによる計算 2) 溶解・膨潤法とハンセン球/ダブルハンセン球による図的解析 3) 拡張ハンセン法による数値解析 4) インバースガスクロマトグラフィー法 2.1.3 粒子表面の3DSP値・4DSP値と測定法 1)多架遠心沈降によるスクリーニング法 2) インバースガスクロマトグラフィー法 3) 低磁場パルスNMR法 4) 接触角法 2.2 表面自由エネルギーの基礎と測定法 2.2.1 接触角,表面張力/界面張力の基礎と成分項の測定法 2.2.2 粒子の表面エネルギーと成分項の測定法 1) 接触角法(ペレット法,両面テープ法,薄層浸透法) 2) インバースガスクロマトグラフィー法 2.3 粒子表面/分散剤の酸塩基度の基礎と測定法 1) ルイスの酸塩基性とグートマンのドナー数/アクセプター数 2) 電位差滴定法(電荷0点,酸価/アミン価など) 3) インバースガスクロマトグラフィー法 4) 昇温脱離法 3.ぬれ(分散)性・塗布性の基礎と不良対策のポイント 3.1 3DSP値(ハンセン球)によるぬれ・付着性評価 3.2 ウエッティング・エンベロープによるぬれ性評価 3.3 浸漬ぬれおよび拡張ぬれに基づく有機溶媒/樹脂の選択 3.4 塗布・乾燥工程におけるマランゴニ対流とレベリング現象 3.5 レベリング剤の働きと選択指針 4.安定性の基礎と不良対策のポイント 4.1 粒子間に働く相互作用力とフアンデルワールス力 4.2 有機溶媒/樹脂中における静電反発力とDLVO理論 4.3 高分子分散剤による立体反発作用 4.4 ポリマーブラシによるナノ粒子の立体反発作用 4.5 キャピラリー懸濁液における長期安定化 5.高分子分散剤/バインダーの種類と選択指針 5.1 高分子分散剤の構造と吸着形態 5.2 ハンセン距離によるバインダー溶解性の評価と成型性 5.3 吸着/付着性の評価 1) ハンセン球/ダブルハンセン球による吸着/付着性評価 2) 酸塩基相互作用パラメータによる吸着/付着性評価 3) 低磁場パルスNMR法による吸着特性の測定 6.高分子コンポジット中フィラーの分散性改善のための表面改質法 6.1 表面改質の目的と手法 6.2 界面活性剤の働きと選択指針 6.3 カップリング法による表面改質とその評価例 6.4 グラフト重合法による表面改質とその評価例 7.粒子分散系の分散安定性試験法 7.1 湿潤点・流動点 7.2 粒ゲージと超音波スペクトロスコピー法 7.3 レオロジー法 7.4 小角X線散乱法とMI 7.5 低磁場パルスNMR法 まとめ 質疑・応答 講師紹介 専門分野 化学工学・微粒子工学