受講概要
受講形式 会場・WEB テキスト PDF資料(受講料に含む) 受講対象 医薬品、食品、化粧品の品質保証部門、製造部門の担当者、エンジニアリング業界の担当者 予備知識 特に必要ありません。 習得知識 1)原材料由来異物の対策 2)人由来異物の対策 3)設備由来異物の対策 4)防虫対策 5)空調システム設計、バリデーション時の留意点 6)用水システム設計、バリデーション時の留意点 講師の言葉 医薬品の全部や一部が不潔な物質、変質、変敗物質から成っている、または異物が混入ないし付着している、ないしは病原菌や疾病の原因となる物で汚染ないし汚染のおそれがある医薬品は、人体への重篤な影響も考えられるため、製造、輸入、貯蔵、陳列してはいけないと法で定められている。 不幸にして製品汚染の問題が生じれば、企業の論理では通用しないインターネットによる情報拡散がおきかねず、信用失墜、売上大幅減、最悪の場合企業の存続に関わる問題にもなり得る。 製剤工場としてどのような汚染管理戦略を構築すべきか、演者の非無菌製剤および無菌製剤の製造並びに苦情対応の経験をもとに、具体的な異物混入防止策を紹介する。
プログラム
1 汚染管理戦略の構築 1.1 最新GMPは企業の主体的活動を要請 1.2 要請されているのはPQS(医薬品品質システム)の実践 1.3 汚染管理戦略(CCS:Contamination Control Strategy)の構築 2 QRMが全くできていない企業だと 2.1 「言われたことだけやればよろしい」では適切なQuality cultureにならない 2.2 CCSの実践には考える人を育てないと 3 異物苦情対応と異物の同定 3.1 苦情発生時の原則 3.2 異物発生経路の追跡法 4 異物検査 4.1 検査工程は全不良品を排出する機能はない 4.2 原料中の異物除去装置 4.3 目視得手・不得手と機械検査の得手・不得手を考慮し併用 4.4 機械検査室・目視検査室の留意点 4.5 検査員の適正評価が必要 5 ヒト/作業由来の異物と対策 5.1 ヒトは発塵源/菌の巣窟 5.2 ヒトは菌の巣窟だが、過剰な手洗いはさせない 5.3 動作発塵=微小粒子だと侮れない 5.4 理想的な更衣室の構造と更衣手順 5.5 環境浮遊微粒子測定の問題点を知る 5.6 作業環境の微粒子数だけに着目しない 6 施設・設備由来の異物と対策 6.1 防虫に配慮してゾーニングを考える 6.2 天井裏からの塵埃落下に注意 6.3 内装の留意点 6.4 排水管・排水溝に注意 6.5 エアシャワー内は菌の巣 6.6 局所排気装置の留意点 6.7 洗瓶工程の留意点 6.8 ゴム栓洗浄滅菌機の留意点 6.9 施設・設備は経時劣化するもの 6.10 ねじの緩み、落下に注意 6.11 SUSも経時変化で錆びる 6.12 包装室の異物混入リスク 7 防虫管理 7.1 防虫に対する間違った考え 7.2 防虫対策の基本はハビットコントロール 7.3 飛翔虫対策 7.4 徘徊虫対策 7.5 食菌(室内繁殖)虫対策 7.6 防鼠対策 8 原材料由来の異物と対策 8.1 自衛手段としての原料中の異物除去装置はどれが良い? 8.2 PTP資材からの溶出物に注意 9 微生物・発熱性物質対策 9.1 医薬品に混入する生物学的異物 9.2 乾燥終了までが洗浄バリデーション 9.3 作業環境の微生物管理値 9.4 微生物モニタリングの限界を知る 10 空調システムの留意点 10.1 差圧の設定 10.2 風速の留意点 10.3 As built(施工完了時)の検証項目 10.4 At rest(非作業時)の検証項目 10.5 In operation(作業時)での検証項目 10.6 スモークスタディの実施 11 用水システムの留意点 11.1 RO膜/蒸留器の留意点 11.2 システム設計・施工時の留意点 質疑・応答 講師紹介 略歴 元塩野義製薬株式会社製造本部次長 経口剤や注射剤の工業化検討、バイアル凍結乾燥製剤製造棟の構築、アンプル剤および点眼剤製剤包装棟の製造管理責任者、国内外関連会社への技術支援業務に従事。