材料力学・材料工学の基礎,残留応力の基礎・応用,ひずみゲージによるひずみ測定法の概要,応力解放法による残留応力測定法,最新のASTM E837-20規格による等方性の各種残留応力測定法,X線残留応力計測法の基礎,残留応力評価手法のポイントについて,事例を交え,実践的に詳しく解説する特別セミナー!!
- 講師
三上技術士事務所 三上 隆男 先生 元 石川島播磨重工業㈱,技術士(機械部門) 中代技術士事務所 中代 雅士 先生 元 石川島播磨重工業㈱,技術士(金属・機械・総合監理部門)
- 日時
- 会場
TH企画セミナールームA
会場案内
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 会場・WEB 受講対象 ・設計者・技術者・製造部門・溶接部門の担当者 ・金属、プラスチック、セラミック部品などの設計技術者や製造および品質管理を担当している方 ・設計技術者、研究者、残留応力を利用している方や残留応力に関する問題を抱えている方 ・製造現場で残留応力を測定している方 予備知識 材料力学(初歩) 習得知識 1)材料力学の基礎、材料工学の基礎 2)残留応力の基礎から応用まで、対処方法、測定方法等の体系的な基礎知識 3)材料力学の基礎とひずみゲージによるひずみ測定法の概要 4)世界で主流となっている応力解放法による残留応力測定法の概要 5)穿孔法(最新のASTM E837-20規格)による等方性の金属、プラスチック、セラミック材料等の残留応力測定法の概要 6) 穿孔法による直交異方性材料(CFRP等)の残留応力測定法の概要 7) 切断法による残留力測定法の詳細 8) X線残留応力計測法の基礎知識 9) その他種々の残留応力計測技術の紹介 10)現場計測や実機部材での残留応力評価手法のポイント 講師の言葉 【中代担当講義趣旨】 昨今の材料開発技術はめざましいものがあり、従来の金属材料から高強度プラスチック、セラミックス、炭素繊維などの複合材料、溶射、表面改質など高強度材の実用化が進んでいる。高強度材は内部応力(残留応力)も大きくなり、残留応力を積極的に運用すれば高性能部材にもなり得るし、設計で想定した外部応力に残留応力が加算された想定外の応力負荷で不具合の発生要因にもなる。さらに機械加工過程で機械加工精度向上にも残留応力の管理・把握が重要である。また、使用過程で残留応力が発生する場合もあり、部材の健全性評価、余寿命診断においても残留応力の評価は必要不可欠なものである。 本講義では、この残留応力の基礎的な技術背景、種々の計測原理・計測方法の解説、最近の計測技術動向、残留応力の活用事例、過去の不具合事例の紹介をおこない、残留応力の課題について大局的・実践的に対応できることを目標とする。 【三上担当講義趣旨】 世界では様々な残留応力測定法が種々の材料に適用されている。残留応力測定法は、非破壊法、準非破壊法および破壊法の3種類に分類される。本講座では、準非破壊法と破壊法に的を絞って解説する。これらは原理的には応力解放法に属し、測定対象物に穴をあけるか、完全に切断することにより残留応力を解放し、その際に解放されるひずみや変形を測定して、元々存在していた残留応力を解析するものである。 本講座ではそれらの測定原理や測定手順について解説し、受講者が実務で残留応力の問題に遭遇した際に適切な測定方法を選択できるようにする。なお、残留応力測定ではひずみ測定が基本となるので、材料力学の基礎とひずみゲージによるひずみ測定法についても簡単に解説する。また、直交異方性材料(CFRPなど)の残留応力測定法についても触れる。
プログラム
1. 残留応力の基礎と背景(担当講師:中代) 1.1 残留応力とは 1.2 残留応力の管理と運用 1.3 FEMなど数値解析による手法との比較 2. 材料力学の基礎とひずみ測定法(担当講師:三上) 2.1 ひずみの定義 2.2 応力の定義 2.3 応力とひずみの関係 2.4 弾性変形と塑性変形の関係 2.5 熱膨張による変形 2.6 疲労 2.7 弾性破壊に関する種々の仮説 2.8 ひずみ・応力測定方法 3. X線応力計測法とその他非破壊計測法(担当講師:中代) 3.1 X線による応力計測法の原理と最近の計測装置(X線計測方法の実施例) 3.2 その他の非破壊計測方法(放射光、中性子、材料物性、変形計測など) 4. 応力解放法による残留応力の測定法(担当講師:三上) 4.1 残留応力の定義 4.2 各種測定方法と測定深さ 4.3 応力解放法による残留応力測定 4.3.1 切断法(Sectioning) 4.3.2 穿孔法(Hole Drilling) 4.3.3 DHD法(Deep-Hole Drilling) 4.3.4 その他の方法(Ring Core法、Slitting法、Contour法) 4.4 おわりに 5. 残留応力の利用と損傷事例とその対策(担当講師:中代) 5.1 残留応力の利用方法 5.2 残留応力による損傷事例と損傷の対策(応力除去方法など) 6. まとめと質疑応答(担当講師:中代、三上) 講師紹介 【三上 隆男 先生】 略歴 1972年に石川島播磨重工業㈱(現 ㈱IHI)に入社、27年間勤務。 船舶の詳細設計を担当後、技術研究所に異動し、ターボ機械(ターボチャージャー、V2500ジェットエンジン等)の回転強度の研究、 旧通産省のファインセラミックスやセラミックガスタービンの研究開発プロジェクト等に従事。 1999年に石川島検査計測(株)(現 ㈱IHI検査計測)に出向、20年間勤務。 光ファイバ変位センサによる構造物のヘルスモニタリング、機械の応力/振動計測、残留応力測定法等に関する研究等に従事。 この間、明星大学理工学部機械工学系の非常勤講師(2013年~2020年)を兼務。 2020年に同社を退職後、三上技術士事務所を開所し、現在に至る。 資格 博士(工学)、技術士(機械部門)、一般計量士、環境計量士(騒音・振動関係)、JSNDI(ひずみ測定レベル3) 【中代 雅士 先生】 略歴 1975年に石川島播磨重工業(株)(現 (株)IHI)に入社、22年間勤務。 連続鋳造設備、圧延機等の鍛圧機械基本設計担当後、技術研究所に異動し高温機器の設計基準、耐熱鋼の研究、高温部材の寿命評価・検査技術等の研究開発に従事。 1997年に石川島検査計測(株)(現 (株)IHI検査計測)に出向、22年間勤務。 材料試験、特殊材料の機械試験、損傷事故原因調査、部材の健全性評価、非破壊検査技術の開発、経年部材の健全性評価、余寿命評価等の試験調査・コンサル業務に従事。 種々の非破壊検査技術開発・実用化に従事。2019年同社退職後、中代技術士事務所を開所し、現在に至る。 資格 博士(工学)、 、一般計量士、環境計量士(騒音・振動関係)