医薬品品質保証に関する基礎,医薬品回収の原因と対策,製造販売承認書・製造実態の齟齬,データインテグリティの重要ポイント,査察対応の考え方について,事例を交えわかりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
QAビジネスコンサルティング 代表 薬剤師 修士(薬学) 浅井 俊一 先生 元ロート製薬㈱ QAマネージャー。 退職後、製薬工場のヒューマンエラー対策・中国等海外原薬の品質確保・異物混入対策・ 中国原薬工場の改善指導を組織コミュニケーションの活性化やモチベーションの向上などを軸に活動。
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 WEB受講のみ ※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。 受講対象 医薬品の製造、品質管理、品質保証、購買調達、 国際事業などの部門において、海外原薬導入に際する品質契約、品質評価、 製造所監査などに携わる部門の実務担当者、マネジメント層 予備知識 GMP省令、GQP省令 習得知識 1)医薬品品質保証に関する基礎知識と考え方 2)医薬品回収の原因と対策 3)製造販売承認書と製造実態の齟齬の回避の考え方 4)データインテグリティの重要事項 5)今後の査察対応の考え方 講師の言葉 現在、医薬品の欠品や限定出荷など医薬品不足が大きな社会問題になっていますが、この状況を招いた大きな原因として、製造販売承認書に記載のない方法での製造や試験の実施による自主回収と、これによる業務停止や生産の一時停止が挙げられます。 このセミナーはこのような深刻な現状に鑑み、医薬品の安定供給の課題と要件を整理しその対策の要点を考察するとともに、承認書と製造実態の齟齬の問題が発生する背景や原因を過去の事例から紐解き、「データインテグリティ」の考え方を基礎とした上で、発生のメカニズムや人間本来が持つ特性なども踏まえ、その対策をご提示するものです。 今回は上記の課題に関連して、医薬品品質保証の基礎となる重要な知識や考え方、また、今後の査察動向とその対策などに関しても若干の考察を行います。 本セミナーが医薬品回収の回避につながり、喫緊の課題である医薬品不足の解消に寄与することを願っています。品質保証、製造、品質管理のご担当はもとより、マネージャークラス、また、関連の経営陣の方まで幅広い層の方に聴講して頂けることを期待しています。
プログラム
はじめに 最近の医薬品の品質と供給に関する課題と考察 ・関連する最近のトピック ・後発医薬品の重大な自主回収/業務停止事案 ・医薬品の安定供給の要件と対策の考え方 ・後発医薬品の自主回収による供給不安・医薬品ロス(現状認識と対策の考え方) ・品質トラブル発生の背景:“委託製造リスク”と経営陣の関与 ・現法下の受託製造所等におけるデータ不正の発生の構図と対策 ・現在の対応の反省点と今後の行政の対応 1.医薬品の品質と安定供給の確保に必要となる重要な知識と考え方 ・医薬品の特殊性と要件 ・医薬品の製造販売におけるリスクと危機管理視点対応の重要性 ・製造販売業(本社機能)と製造業(工場)の薬事品質保証体制 ・医薬品の開発・生産の流れと品質確保の要件 ・GMPの3原則とヒューマンエラー対策 ・医薬品の品質保証の意味とGMP記録の重要性 2.医薬品製造における重大なリスクの発生要因と対策の考え方 ・回収事例から見た品質トラブル・安定供給の課題と留意点 ・回収対象となる医薬品の主な品質トラブルの概要 ・回収報告に見られる回収の原因と影響(回収)の範囲 ・医薬品回収の考え方と安定供給の確保:回収のあるべき姿 ・違法製造等品質トラブル発生のメカニズムと対策①:当事者エラーと組織エラー ・違法製造等品質トラブル発生のメカニズムと対策②:変更管理とバリデーション ・製造販売業者と原薬製造所とのGQP品質契約(品質確保の基本) ・モノ造りの基本フロー/4Mと上流管理の重要性 ・サプライチェーンを俯瞰したリスク管理の要点(対策の視点①) ・医薬品のLife Cycleを俯瞰した品質と安定供給の確保の要点(対策の視点②) 3.“データインテグリティ”を基礎とした承認書と記録類の齟齬の回避の考え方 ・PIC/S Data Integrity Guidanceの構成とポイント ・製剤機器/分析機器のコンピュータ化の進展とDI確保の重要性 ・ALCOA+を意識した記録作成 ・Data Risk, Data Criticality(重要度)を踏まえたData Lifecycleを通してのALCOA+の確保 ・製造と試験の業務フローと信頼性を確保すべき文書/記録の関係の理解 ・承認書と記録の齟齬・データ不正発生の原因と回避の考え方・要点・対策 ・適正な変更管理の実践の考え方と手順 ・委託先製造所のGMP記録のDI確保の考え方と対策 ・PIC/Sガイダンス「9.10 Management of Hybrid Systems」から学ぶHybrid対応のポイント ・組織の影響,Data Governanceの重要性,Quality Cultureの醸成の要件,品質文化 おわりに 組織エラーを起こさない組織づくりの要件 質疑・応答 講師紹介 略歴 1974年ロート製薬入社。品質管理・薬事・品質保証の各業務にそれぞれ7年・15年・16年間従事。 2007年から2018年の間、中国の原薬工場の製造所監査、品質指導、人材育成等、品質保証業務全般に携わる。 中国での活動に、「日本に輸出するための原薬品質の要件」(2017年/杭州)などの講演や、 北京NMPA主管「医薬経済報」への「中国原薬の品質確保の視点」の連載(2012年)などがある。 執筆・書籍 「医薬品品質保証こぼれ話」(シーエムプラス)ほか。連載:「新・医薬品品質保証こぼれ話」(GMP Platform) 主な取り組みテーマ 「製薬工場のヒューマンエラー対策」、「中国等の海外原薬の品質と安定供給の確保」、「GMP記録の信頼性確保」。 元,日薬連品質委員会常任委員。元,日本OTC医薬品協会品質委員会委員長。薬剤師。修士(薬学)