LED用蛍光体の技術開発・市場動向,実用蛍光体の長所・欠点,蛍光体設計の概念,新しい応用用途,蛍光体合成ノウハウ,蛍光体の評価法について,事例を踏まえ,分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
新潟大学大学院自然科学研究科 准教授 博士(学術)戸田 健司 先生 日本電子材料技術協会 理事
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 WEB受講のみ ※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。 受講対象 ・蛍光体を実際に使用するユーザーであり、その開発動向について最新の情報を知りたい方 ・用蛍光体の開発に興味があり、開発テーマとしての可能性を検討している技術者 ・蛍光体の新しい用途(太陽電池、植物工場、化粧品など)を探索している技術者 予備知識 ・蛍光体研究者からユーザー、当該分野に知識がない方まで幅広く理解できるように解説いたします。 ・予備知識は必要ありませんが、あらかじめ疑問点をお知らせいただければ当日の解説に加えておきます。 *事前の質問は、「th@thplan.com」までメールにて送付してください。 習得知識 1)LED用蛍光体の技術開発動向・市場動向 2)実用蛍光体の長所と欠点 3)蛍光体設計の概念と実際、新しい応用用途における必要な特性 4)蛍光体合成におけるノウハウ 5)蛍光体の評価法 など 講師の言葉 2014年10月7日に青色LEDの開発で、赤崎勇教授、天野浩教授、中村修二教授の三氏がノーベル物理学賞を受賞し、日本中の関心を集めた。LEDの最も重要な用途は白色LEDの光源であり、受賞理由にも記されている。そのため、白色LED用蛍光体はバブルとも言うべき注目材料となっているが、その市場そして開発動向は従来の蛍光体ビジネスとは違いがある。蛍光体業界において、信頼できる世界生産量の公式統計資料はない。そのため、LED用蛍光体はバックライトやLED照明で使用されている重要な部材でありながら、販売および開発状況について把握することが困難である。 そのような状況をふまえ、本講演では、現行の白色LED用蛍光体の長所と欠点だけでなく、それを解決するための新規蛍光体への取り組みを自身のグループだけでなく世界的な動向も含めて、講演者が実際に直接的にコンタクトした生きた情報として幅広く解説する。LED蛍光体以外の新規用途である太陽電池での波長変換膜や植物工場用蛍光体についても述べる。内容としては、発光波長の制御、輝度向上への多くの研究者の取り組み、そして経営上最も重要である現在および将来の蛍光体産業の市場成長性についても解説する。
プログラム
1.蛍光体の基礎知識と分子設計の手法 1.1 蛍光体の開発の歴史 ・光ルミネセンスに始まり、光ルミネセンスに還る 1.2 明るく美しい蛍光体とは ・蛍光体における発光スペクトルの形 バックライトは狭く、照明は広い方が良いは必ずしも正しくない ・DOEの勧告に基づきナローバンド (狭帯域発光) 化がブーム!すべての蛍光体が置き換わるかもしれない ・白色LED中の青色光が危険であるという嘘 1.3 光ルミネセンスにおける蛍光体母体の選択 ・ナローギャップの半導体を利用する量子ドット ・ペロブスカイト量子ドットは従来の量子ドットと何が違うか ・ワイドギャップの絶縁体を利用する局在中心発光 1.4 蛍光体設計に必要な結晶学および固体化学の基礎知識 ・簡単に理解できる結晶化学と固体化学の基礎 1.5 光ルミネセンスにおける発光イオンの選択 ・希土類の発光 d-f遷移とf-f遷移 ・Eu2+やCe3+を青色励起で黄色、赤色に発光させるために必要な分子設計 対称性制御の提案、LED用蛍光体の母体に共通する特徴 ・遷移金属の中でMn4+が用いられる理由 ・バンド理論に基づく新しい熱消光理論、次世代のレーザー励起用蛍光体で重要な考え方 2.実用蛍光体に関する評価および合成のノウハウ 2.1 酸化物蛍光体 2.2 (酸)窒化物蛍光体 2.3 フッ化物蛍光体 3.蛍光体の市場と開発動向 3.1 LED用蛍光体のマーケットの見積もり 3.2 世界における蛍光体企業および研究者 4.注目される新しい分野 4.1 新規合成法による世界で最も明るい蓄光蛍光体の実現 4.2 レーザー励起(レーザー照明、レーザープロジェクタ)に向けての単結晶や焼結体の利用 ・Phosphor in Glass ・セラミックスプレート Cold sintering等の焼成技術の進歩 ・単結晶 4.3 太陽電池用波長変換膜 ・太陽電池用波長変換膜がなぜ必要か? ・蛍光ナノ粒子の必要性と厳しいコストの要求 4.4 植物工場用蛍光体 ・植物に必要な赤色は人とは異なり、既存蛍光体を転用できない ・なぜ赤色LEDではだめなのか? ・レタスを作るから植物工場は潰れる 4.5 紫外線を発する蛍光体 ・水処理における水銀灯代替 ・新型コロナ対策で利用できる? 4.5 蛍光体関連物質としての顔料 ・発がん性でコバルトブルー (青) と酸化チタン (白) が使えなくなる! ・優環境・低コストのマンガンで顔料と蛍光体を作ろう! ・酸化チタンに替わる化粧品用途 三原色蛍光体で白色に輝く顔料に? 質疑・応答 講師紹介 略歴 1997年〜1998年 新潟大学 工学部 化学システム工学科 助手 1998年〜2000年 新潟大学 工学部 化学システム 工学科 助教授 2000年10月より 新潟大学 大学院 自然科学研究科 助教授 2016年10月より 新潟大学 研究推進機構 研究教授 2016年06月より 韓国成均館大学校,招聘教授 2011年6月より 大学発ベンチャー N-ルミネセンス株式会社 取締役 所属学会 日本電子材料技術協会 理事 日本電子材料技術協会「表示デバイス素子材料研究部会」主査 日本セラミックス協会 電子材料部会 役員 日本セラミックス協会 東北北海道支部 幹事