受講概要
受講形式 会場・WEB 受講対象 特に指定なし、コンサルタントの方も可 予備知識 企業での品質管理業務または目視検査業務の経験 習得知識 1)科学的な周辺視目視検査法の理解 2)検査作業条件の改善ノウハウ など 講師の言葉 従来検査職場は検査員の経験と感に頼った職種であり半ば聖域化されていましたが、それは一般的に目視検査が集中力に頼った不良箇所の指摘と思い込んでおりました。しかし、そんな作業は1時間と持たないことは考えただけでも容易にわかることです。一方、現実的にベテラン検査員は1日中検査をして優れた抽出能力を持続しています。これを集中力の持続と誤った考え方をしていたため、検査の効率化の遅れを招き、検査員の習熟が年単位に達するという職場にしていました。これを、大脳視覚システムまで機能展開することで、より楽な検査方法を確立し2~3週間で十分ベテランと同じ能力に習熟する訓練方法を構築しました。 従来の検査では「良く見る」ことが指導されていましたが、機能分析の結果、ベテラン検査員は周辺視、瞬間視、衝撃性眼球運動という視覚システムを活用していることがわかりました。 これらの前提条件とリズムによってベテランと同等かそれ以上(生産性は倍)になり、さらに光源の種類や強さを最適化することで検査での見逃しが大幅に削減できます。 本セミナーでは、この「周辺視目視検査法」を理解していただけるように解説します。 また、検査法以前の問題(照明・姿勢・器材の配置等の作業条件)に気付かずに検査をしているため、見逃しが日常的に発生し、悩んでいるという状況が非常に多いのが現状です。それを改善するにはどうしたらいいか、という点についても、実例を交えて触れたいと思います。日ごろ検査での見逃しや長期間かかる検査員の育成でお悩みの指導者や管理者、マネジメントされている方々に聞いていただきたい構成となっています。
プログラム
Ⅰ)周辺視目視検査法の概念 1)従来の官能検査の特徴と問題点 2)大脳視覚システムの機能と限界 3)周辺視目視検査への変更点 a)焦点視力から周辺視力へ b)集中視から瞬間視へ c)滑動性眼球運動から衝撃性眼球運動へ d)欠点探しから良品の確認へ Ⅱ)導入方法 1)原理の正しい理解 この検査方法は大脳視覚システムの疲労を削減する 2)限度見本の作成 「視覚」記憶の作りこみのために現物で訓練をする 3)スムースなハンドリング 1日中作業をすることを考慮したリズミカルな動作の構築 4)正しい作業姿勢 局所疲労の削減のために必要な作業台と椅子の関係 5)導入時の特徴 リズムが出来ていないとき特有の現象など Ⅲ)見逃し原因に多い検査対象物と光源の関係 1)明るければ見やすいかどうか 照明の明るさ(Lux)より眼に届いた時の明るさが大事 2)検査用途ごとの光源の種類と適用方法 平行光と拡散光の使い分けで眼精疲労は大きく違う ビームライトによる透過検査の見逃しの理由 3) 単純な見逃しに多い「明順応」と「暗順応」 「明順応」と「暗順応」とはどんな現象か 危険な状況である「訓化」とはどんな現象か Ⅳ)事例紹介 タイのメーカーで展開した時の事例 質疑・応答 講師紹介 略歴 1970 日本IBM入社。以来、一貫してIE業務に携わっていた 1998 IEの一環として「周辺視目視検査法」発見 2003 日立GST転籍(ハードディスク部門売却に伴い) 2011 日立GSTのWDへの売却に伴い退社 以降、研究活動、セミナー・講演会、コンサルタント活動中 所属学会 日本IE協会