キャパシタの理解,高エネルギー密度化と次世代キャパシタに関する取り組み,次世代キャパシタのカーボンニュートラルへの貢献・実証例,近未来における次世代キャパシタの活用例,農業融合分野におけるエネルギーソリューション,再生可能エネルギー自立化やSDGsを考慮した考え方について,分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
国立大学法人 東京農工大学 工学研究院応用化学部門 電子エネルギー化学分野 卓越教授・理事(学術・研究担当)・副学長 工学博士 直井 勝彦 先生
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:27,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:22,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 WEB受講のみ ※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。 受講対象 IT・エネルギー・カーボンニュートラル・再生可能エネルギー・電池 ・キャパシタなど関連企業の新規事業担当者、政府系政策立案者、投資家、VCなど 予備知識 特に予備知識は必要ありません。基礎から解説いたします。 習得知識 1)キャパシタ(基礎・特徴)に関する理解 2)キャパシタの高エネルギー密度化と次世代キャパシタに関する取り組み 3)次世代キャパシタのカーボンニュートラルへの貢献と実証例 4)近未来における次世代キャパシタの活用例 5)農業融合分野におけるエネルギーソリューション 6)キャパシタによる再生可能エネルギー自立化やSDGsを考慮した考え方 講師の言葉 本セミナーでは、キャパシタの基礎から応用までを解説する。 【基礎編】高エネルギー密度と高パワー密度を両立させた次世代キャパシタ(第2世代・第3世代)の最新動向を紹介する。その背景として、近年の材料技術の進化、特に電池材料とキャパシタ材料をナノレベルで融合・ハイブリッド化する新しい材料合成方法やポストリチウムイオン電池向けたその可能性の広がりについても述べる。 【応用編】気象変動に対応した太陽光発電システムとキャパシタによる著しい自立化向上について紹介する。日本は、2030年までの再エネ36〜38%(P V割合14~16%)を目標とし、P V導入率はF I T政策も手伝って7.9 %までに伸びたが、さらなる向上には多くの困難を抱えている。キャパシタを有効に取り入れたPCS設計により、今まで太陽電池に捨てられてきた微弱光発電による微弱電力を余すことなく回収(蓄電)を可能としたオールウェザー・オールシーズン・オールロケーション型の新システムを解説する。 これは、近年の曇天・雨天が極端に長く続く異常気象、即ち、現行の太陽光発電システムに対し天候依存性や気象変動による太陽光発電量の不安定を緩和・解消できる新たなソリューションとなりうる。さらにシステムの省スペース化・コスト化を目指した第2世代NanoHybrid Capacitor (NHC)や第3世代SuperRedox Capacitor (SRC)を導入した環境省プロジェクトやJST重点戦略プロジェクトなどの具体的な実証例についても述べる。
プログラム
1.キャパシタとは 1-1. キャパシタと電池 1-2. キャパシタの構造とその特徴 1-3. キャパシタの進化と深化 2.第1世代キャパシタの考え方 2-1. 耐電圧とキャパシタ容量の関係 2-2. カーボン電極(活性炭・CNT)とその細孔分布 2-3. E D L C電極の耐久性と劣化反応 3.第2世代キャパシタの考え方 3-1. 電池とキャパシタのハイブリッド化 3-2. 超遠心ナノハイブリッド技術とサイズ効果 3-3. 電池材料の超高速化とナノカーボンによる安定化 3-4. 負極Li4Ti5O12のナノシート化と導電性の付与 3-5. 導電性Li4Ti5O12の量産化パイロットプラント 3-6. 第2世代NHC:LTO//活性炭の構築 4.第3世代キャパシタの考え方 4-1. リチウムイオン電池の高速化 4-2. 第3世代スーパーレドックスキャパシタ(SRC)の概念 4-3. 超高速負極材料Li3V0.8Si0.2O4(LVSiO)の開発 4-4. 超高速正極材料Li3V2(PO4)3(LVP)の開発 4-5. 第3世代SRC: LVSiO//LVPの性能と耐久性 5.次世代キャパシタの活用 5-1. 政府の目標値とS D Gs 5-2. 気象変動と再エネ自立化に向けた太陽光発電と微弱光回収システム 5-3. 微弱電流に対応した超低損出SiC-PCS回路の開発 5-4. 第2世代NHCを用いた環境省C O2削減プロジェクト 5-5. 晴天・雨天・曇天における微弱光回収と利用率の向上 5-6. 第2世代NHCによる太陽光利用率向上と季節変動 5-7. 第3世代SRCを用いたJST重点戦略テーマ 5-8. 第3世代SRCの特殊なバイポーラー構造 5-9. 第3世代SRCによる長期サイクル性とモジュール小型化 6.新産業および新事業創出の可能性 6-1. 雲の量が多い、島国モンスーン気候の日本の戦略 6-2. 大学におけるG X紹介:オールソーラールーフ化 6-3. ソーラーシェアリング:農業分野、小型風力発電への展開 6-4. 自然発電:植物・微生物発電への展開 講師紹介 略歴 1980年 早稲田大学理工学部応用化学科卒、同修士・博士課程修了(工学博士) 1982~83年ドイツBASF社 1987~88年日本学術振興会特別研究員(DC) 1988~90年ミネソタ大学博士研究員 1990~94年東京農工大学講師 1995~2000年助教授 2001年より教授 2012年~ 次世代キャパシタ研究センター代表 2014~2019年 評議員 2020年~理事(学術・研究担当)・副学長。 学会等 2008~10年中央教育審議会大学院部会(理工農)委員 2009~11年アメリカMRS: Materials Research Society, Editorial Board 2009~11年アメリカエネルギー省DOE Energy-Hub Advisory Board 2013~16年NEDO「革新型蓄電池先端科学基礎研究事業(RISING)」評価副委員長 2014~16年(公社)新化学技術推進協会JACI委員、電気化学会編集理事、普及委員会委員長、キャパシタ技術委員会委員長などを歴任