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ウイスカ発生問題の解決を図るための

鉛フリー錫めっきのウィスカ発生防止策の行方
― 発生メカニズムと防止策と信頼性 ―

錫ウイスカの発生メカニズム、材料技術、再発防止策のあり方を解説する特別セミナー!!

講師

(有)関西品質技術研究所 代表取締役  工学博士 川中 龍介先生

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:47,250円 同時複数人数お申込みの場合1名:42,000円
テキスト

受講概要

予備知識

■信頼性工学、特に、故障解析、物理分析
■金属工学、特に、結晶構造、結晶成長、拡散、再結晶
■表面処理、特に、めっき技術、
■電子部品の構造と信頼性

修得知識

■信頼性、故障解析技術、故障解析への取り組み方と故障メカニズムの重要さ
■ウイスカの性質、発生成長のメカニズム、防止対策
■故障再発防止に必要な手段と知識と心構え

講師の言葉

   錫ウイスカ問題は、20数年前に信頼性故障の一つとして取り上げられ、鉛の添加により解決した。
近年、環境問題改善のため、あらゆる分野で鉛を使用しない事が決議され、2006年7月より実施された(RoHS指令による)。
   鉛の使用禁止が予告されてから数年が経つが、電子機械業界では、特に、鉛フリー対策としての鉛錫共晶
はんだ材料と鉛入り錫外装めっきの代替品探しで苦労している。このことは、これまでに積み上げてきた品質や
信頼性に大きな変化や犠牲を強いることとなる。
   一度確立した技術は、これを構成する要素の一つでも変更すると、品質・信頼性の面で大きくマイナスになる。
鉛フリー化を進める上で、はんだ材料の今の混乱を見る時、現在の信頼性技術の有り方を考え直し、この混乱に
再発を防ぐ方法を確立することが、強い技術にするために必要である。
   このセミナーでは、錫めっきの適用において、現実に目前に混乱しているウイスカ発生防止問題の解決を図るため、
錫ウィスカの発生メカニズム、材料技術、再発防止策のあり方について論じる。

プログラム

はじめに
第1章 錫ウイスカ発生防止策の行方 故障の信頼性改善
 1.1  故障発生と再発防止
  1.1.1 信頼性故障の再発防止の進め方(疫学的方法とメカニズム方法)
  1.1.2 信頼性故障の改善(恒久対策とメカニズム方法)
  1.1.3 恒久対策としてメカニズム解明の必要性
  1.1.4 錫ウイスカ発生防止対策への科学と材料技術と故障解析技術の必要性
 1.2  材料起因故障
  1.2.1  材料起因故障と発生原因
  1.2.2  ウィスカ故障改善への材料技術の貢献
  1.2.3  材料特性の活用(材料の3特性を考慮した材料選択)
  1.2.4  材料信頼性工学とその活用
第2章 錫ウィスカの発生メカニズム
 2.1  錫ウィスカの発生メカニズム
  2.1.1  錫ウィスカ発生メカニズム仮説
  2.1.2  錫めっきウィスカ発生メカニズムの三つの基本因子
 2.2  ウィスカ発生メカニズムの三基本因子の検証
 2.2.1  駆動力:めっき膜中に発生する圧縮応力の存在と閾値と潜伏期間
  2.2.2  核発生:めっき膜のどこがウイスカ発生の起点になるか?(酸化膜欠陥説)
  2.2.3  成長力:ウイスカの成長結晶軸と根元成長のメカニズムはなにか?
第3章 錫ウイスカ発生防止と錫めっき信頼性の向上
 3.1  錫ウイスカ発生成長に及ぼすめっき膜内の因子
  3.1.1  駆動力の発生:駆動力は一つ、しかし、駆動力発生源は多様
  3.1.2  駆動力の減少:駆動力を小さくする
  3.1.3  第三元素の影響:ウィスカ発生・防止の原因となる錫以外の元素
 3.2 ウイスカ発生防止対策
  3.2.1 防止対策 Ⅰ:暫定対策(生産へ適用出来るウイスカ発生防止策とその脆さ)
  3.2.2 防止対策 Ⅱ:恒久対策(ウィスカ成長メカニズムに基づいた発生防止対策)
  3.2.3 防止対策 Ⅲ:発生の評価法(新しい評価法と正しい使い方が防止対策に有効)
 3.3  ウィスカ発生防止策の信頼性の向上
  3.3.1  信頼性向上の条件 Ⅰ:歴史と主要技術/周辺技術と科学の尊重
  3.3.2  信頼性向上の条件 Ⅱ:メカニズムと恒久対策と材料技術の効力
  3.3.3  信頼性向上の条件 Ⅲ:解析技術の進歩
第4章 まとめ

講師紹介

       略歴:光洋精工(株)、三菱電機(株)、ソニー(株)、摂南大学非常勤講師を経て現職

       社外委員会委員
              日本電子機械工業会(半導体信頼性委員会)
              日本電子工業振興協会(シリコン技術委員会)
              IEC国内委員会(半導体集積回路委員会、試験方法・認定制度小委員会)
              IEC国際委員会(半導体集積回路技術委員会、認定制度部会)
       所属学会:応用物理学会、日本金属学会、日本結晶成長学会
                      マテリアルライフ学会、日本信頼性学会、日本品質管理学会
       専  門:・金属材料(特に金属起因故障、半導体シリコン結晶、結晶成長工学)
                 ・信頼性工学(特に材料故障、故障解析技術)
                 ・品質管理(特にTQM、品質認証)
       学・協会での活動状況
           (1)著作、発表、講演等
             著作:信頼性関連の共著
             発表:マルテンサイト組織:日本金属学会
                     ウイスカ関連:応用物理学会、日本結晶成長学会
                     材料信頼性関連:マテリアルライフ学会
                     信頼性関連:日本信頼性学会、日科技連R&Mシンポ
              講演:信頼性関連:日科技連、その他
       活動:応 用  物 理  学  会:評議員、論文表彰委員会委員  関西支部役員
               日 本 信 頼 性 学 会:委員長(企画委員会、シンポジウム実行委員会)
                                 委員(編集委員会、論文審査委員会、関西支部)
           マテリアルライフ学会:寿命予測研究会会員