誰にでもイメージできる家電製品を事例に,開発の最初から最後までの流れを解説し,それぞれの段階で実施する品質工学の手順について,具体的なノウハウを交えて,分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
MOSHIMO研 代表 福井 郁磨 先生 元オムロン(株)、元パナソニック(株)、元東レ(株)、元LG Electronics Japan Lab(株) 人工知能・品質工学を中心とした製造業への技術課題・解決支援を実施中
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 WEB受講のみ *こちらの セミナーはZoomシステムを使用したオンラインセミナーとなります。 Zoomアプリのダウンロードをしなくとも,ブラウザからの視聴が可能です。 受講対象 ・製品や技術開発に携わる技術リーダー、技術者の方々 ※機械部品、電子電気部品、材料、半導体、自動車、家電、加工機械/生産装置、センサー、 計測評価機器、医工連携機器、植物工場などの開発に携わる方々 ・開発完了後に量産不良やユーザークレームが出て、開発手戻りを経営課題として持つ方々 ・問題に関係する要素が多くなり、どれか1つを対策しても成果が出ないなどで体系的な 実験解析手法を必要とする方々。 ・開発難易度が上がってきた、未経験の分野に進出する等、これまで通りのやり方では 成果が出ずに困っている方々 ・高額な部品や装置の使用ではなく、安価な部品の組合せや安価な装置で高い性能目標を達成する 開発が必要な方々 ・実験計画法や品質工学(タグチメソッド)、応答曲面法を開発で使ったが上手く行かなかった方々
※技術コンサルタントの方や、講師業の方は、受講をご遠慮ください。 企業/大学等への所属有無を問わず、社外に対して技術指導・講演・発表・専門書の執筆・専門誌への寄稿等をされている方は、受講をお断りしております。 ※上記につきまして、申込後にご確認させていただく場合がございます。 予備知識 品質工学(タグチメソッド)や実験計画法の知識は必要ありません。 習得知識 1)従来開発方法の致命的な欠点,実験計画法の原理と課題,それらを解消する品質工学(タグチメソッド)の基礎知識 2)品質工学(タグチメソッド)の基本的な考え方から実践手順、実務上の留意点、ノウハウ 3)部品・材料コストの削減,量産不良やユーザークレームによる開発手戻りなどの経営課題に対する解決策 4)技術課題,品質問題に関係する要素が多くなり,対策しても成果が出ない場合に有効な体系的な開発手法 5)高額な部品・材料、高額な装置の使用ではなく,安価な組合せや装置で高い性能目標を達成する開発手法 6)実験計画法や品質工学(タグチメソッド),応答曲面法を開発で使ったが,上手く行かなかった方々への解決策 講師の言葉 品質工学(タグチメソッド)とは、製造条件がバラついたり、市場での使用環境が変化しても、技術・製品の機能を安定化させる開発手法です。(JIS Z 9061 ロバストパラメータ設計/ISO 16336 Robust parameter design)ただし、コストを欠けて選別し、良品のみを出荷する品質管理手法とは異なります。最少の手間で、バラつきを許容した安価な部品や材料の組合せで高性能を実現する、トータルコストダウンと開発 生産性を重視した開発手法です。非常に便利な開発手法ですが、品質工学には実践が難しい課題があります。品質工学は、独特の用語と難解な数式を使用し、また、活用にノウハウを必要としているためです。 今回、可能な限り数式や専門用語を使わず、「誰にでもイメージできる生活家電製品」を事例にしてその開発の最初から最後までの流れを説明し、それぞれの段階で実施する品質工学の手順を、ノウハウ 含めて解説いたします。 題材は「生活家電製品」ですが、実施手順と考え方を具体的に解説いたしますので、他の技術分野でも簡単に応用いただくことが可能です。 本講座で解説する手法を使うことで、「手戻り防止・性能確保・品質問題回避・低コスト化」が実務レベルで実現可能になります。なお、本セミナーは、品質工学や実験計画法、応答曲面法の予備知識がない状態からでもご理解いただける内容にしています。 受講者の声 ・品質工学という手法の使用方法、用途などが良く理解できました。また、自分自身が品質工学や実験計画法のような統計手法をほとんど用いたことがない為専門用語をなるべく用いずに説明していただけたのもとてもよかったです。 ・わかりやすい解説でした。品質工学の概要について理解を深めることができました。 ・中身の濃い内容だったと思います。是非活用したいと思います。 ・直近で活用するつもりでしたので、勉強になりました。ありがとうございました。
プログラム
1. 品質工学を使うと、どんな場合に、どんな効果が得られるのか?(事例紹介) 1) 洗濯機 振動技術の事例 2) 高速-難切削加工機の事例 3) (付録)射出成型の事例 4) (付録)高密度コイルの設計仕様と生産条件最適化の事例 2. 品質工学とは(品質工学のメリットは?) ※本講座は、開発段階で使用する手法「オフライン品質工学(パラメータ設計)」を講義 1) 品質工学(タグチメソッド)とは 2) 品質工学の全体像 ・オフライン品質工学 ・オンライン品質工学 ・MTシステム ・損失関数 3) 品質工学=品質管理ではない 4) 品質工学の目的は開発のトータルコストを下げること ・開発リードタイム ・製品コストと部品・材料管理コスト ・クレームコスト ・生産コスト 5) 企業競争力から見た『従来の開発』と『品質工学による開発』の差異 6) 既存の開発方法と品質工学の比較 7) 従来の開発方法と問題点 8) 実験計画法の概要と問題点 9) 従来開発方法と品質工学の違いまとめ 3. 品質工学のデメリットは? 1) 概念が難しい、理解を阻むポイント ・従来の開発ステップと大きな差異 ・独特の専門用語 ・複雑な数式、計算手順 2) 品質工学だけでは課題解決できない 4. 品質工学の前提となる考え方「開発としてどちらが良い状態?クイズ」 ※なぜ、顧客使用状態の変化や量産バラつきの対策を先に検討するべきなのか? 1) 難切削機械開発:加工精度の事例 2) 洗濯機の振動技術開発:低振動性能の事例 5. 品質工学の実施手順 全体像(概要) ※洗濯機の脱水時の振動問題を事例に、実際の品質工学実施手順を解説。 事例は業界を問わず、誰にでもイメージできるモノとして選択しており、 洗濯機の振動技術の解説が目的ではありません。 1) ステップ1 『技術的な課題を整理』 2) ステップ2 『実験条件の検討』 3) ステップ3 『実験実施』 4) ステップ4 『実験結果を分析』 5) ステップ5 『一番良い条件(推定)の実験検証』 6. ステップ1 『技術的な課題を整理』手順の解説 1) 開発対象の構成要素の検討方法 2) 開発対象に対する評価項目の検討方法 3) 何を測るか? 複数の技術的な課題の場合も想定して(開発対象に複数の解決課題がある場合の対策) 4) 実験データ採取の効率化 5) 実験データの取り方と、そのバリエーション 7. ステップ2 『実験条件の検討』手順の解説 1) 開発対象の構成要素に関する実験回数集約(削減)方法(直交表の解説) 2) 開発対象に対する評価項目の集約(削減)方法 8. ステップ3 『実験実施』手順の解説 1) 実験用試作のノウハウ(試作は各1個で良い理由) 2) 実験時の注意点 9. ステップ4 『実験結果を分析』手順の解説 1) 実験データの変換とその理由 (実験計画法との違い) ・実験データを変換して作成する2つの指標「SN比」と「感度」とは ・2つの指標に変換する理由 ・変換に対数(log)を使う理由 2) 分散分析表 その見方と使い方(品質工学では通常実施しない分散分析を進める理由とは) 3) 要因効果図 その見方と使い方 4) 構成要素の一番良い条件組合せの推定 10. ステップ5『一番良い条件(推定)の実験検証』手順の解説 1) 推定した一番良い条件が、本当に正しいか?(再現性)の確認方法 2) 推定した一番良い条件が、確認実験で推定が外れた(再現しなかった)場合の 考え方(品質工学の通常の対処法) 11. 実施手順を終えて、目標達成出来なかった場合の対策検討ノウハウ 1) 目標未達状態の分析方法と経営判断 2) 対策検討手順 概要 3) 実施手順1サイクル目の振り返りポイント 4) 対策検討1 構成要素の追加検討 5) 対策検討2 各構成要素条件の増減検討 6) 開発結果を他部署へ移管する際のポイント 12. 解説事例で使用した一般用語に対応する品質工学用語説明 ※これまでの解説で使用した一般的な用語を品質工学用語に置き換え、それらの対応を示しながら 全体のおさらいをします。 ・制御因子 ・誤差因子(ノイズ因子) ・信号因子 ・特性値(実験データ)、動特性と静特性 ・機能(基本機能と目的機能)と機能性(機能の安定性) ・その他 13. 品質工学で失敗するパターン、結果が出ないパターンの紹介 1) 静特性、L9直交表に要注意 2) 実験データに不良率など品質特性を採用した場合の問題点 14. 品質工学(実験計画法)解析ソフトの紹介 1) お勧め解析ソフトの紹介 2) 解析ソフトのデモンストレーション 15. 学習用 参考文献 紹介 16. 全体に対する質疑応答 ※説明の順序が入れ替わる場合があります。 講師紹介 略歴 1993年にオムロン(株)に入社 電子部品の原理開発、加工技術開発、ロボットの研究開発、人の聴感判定を機械化した 検査装置開発などに従事。 2006年にパナソニック(株)に入社 生活家電の要素技術開発、新機能製品開発などに従事。 2007年後半に東レ(株)に入社 液晶ディスプレイなどの微細加工技術開発などに従事。 2010年にLG Electronicsに入社 生活家電研究所を京都で立ち上げた。京都研究所立ち上げ後は、洗濯機チームリーダー、 オープンイノベーション室長を歴任。部品・アッセンブル・材料・外資系の各会社で、 新事業企画、技術や製品の企画、それらの研究開発を担当し、プレイヤー、マネージャー として多面的な経験を積んだ。特に機械の知能化技術を得意としており、生産システム・ 検査評価機器・設計開発ツール・家電要素技術等への多変量解析、実験計画法、品質工学、 人工知能応用技術活用に関して約27年の経験を持つ。 2015年にMOSHIMO研を開業。 人工知能・品質工学を中心とした製造業への技術課題解決支援と、生活関連用品などの 研究開発を行っている。 所属学会等 日本品質管理学会会員 品質工学会会員