鉄の特性,熱処理方法,表面硬化,特殊鋼の熱処理,トラブルと対策について,豊富な経験に基づき,事例を踏まえ分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
山方技術士事務所 所長 山方 三郎 先生 元 オリエンタルエンヂニアリング株式会社 加工技術部部長, 代表取締役社長を経て現在に至る
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 WEB受講のみ ※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります
受講対象 1)すでに実務的に熱処理に直接に携わっている方 ・現在携わっておられる熱処理方法は何か、どのような材料なのかを整理しておいて下さい ・実務上どのような課題を抱えているかをまとめておいて下さい 2)間接的に携わっている方(設計、生産技術、営業、検査等) ・社内もしくは外部に依頼している熱処理方法、材料は何か、 またどのような問題点があるのか整理しておいて下さい 3)初めて熱処理技術を学ぶ方 ・できれば予備知識として「よく分かる熱処理技術の基本と仕組み」(山方著)(秀和システム発行)に 一度でも目を通しておいて下さい 予備知識 熱処理に関心のある方であれば制限なし 習得知識 1)鉄の特性(組織変化,変態等) 2)熱処理方法(焼なまし,焼ならし,焼入れ,焼きもどし等) 3)表面硬化(浸炭処理,窒化処理,高周波焼入れ) 4)特殊鋼の熱処理 5)トラブルと対策 受講後は繰り返しテキストに目を通し、自分の仕事に関連した内容をさらに深めて下さい。
進呈 「金属熱処理技術テキスト」(山方他共著)(東部金属熱処理工業組合)を進呈します。 テキストとして使用します。
講師の言葉
自動車や建設機械をはじめ多くの機械には鉄鋼材料が用いられています。その理由は材料の原料が豊富、材料価格が安い、入手し易いこと等々です。そしてその鉄鋼材料は熱処理により軟らかくも、硬くもできて、さまざまな形状加工や機械的強度を得ることが出来ることです。
しかし、そのすばらしい熱処理技術に対して、理論が難しい、材料の種類がたくさんある、用語が分からない、組織がよく分からない等々の理由でとかく敬遠されがちです。今回のセミナーでは、鉄鋼材料に焦点を絞り、鉄の特性として結晶構造、合金、Fe-C平衡状態図等のグラフで基礎的事項を学びます。
次に、基本的な熱処理方法の焼なましから焼入れ・焼戻しまで学び、どうして軟らかくも硬くも出来るのかを学びます。各種機械部品として用いられている各種鉄鋼材料の特性と熱処理方法について説明します。さらに広く用いられている表面硬化法の浸炭、窒化、高周波焼入れの原理、方法について実務的な内容を学びます。熱処理を行う設備や処理品の品質確認の硬さ測定方法について説明します。熱処理では、品質トラブルが発生すると社会的に大きな影響を及ぼします。どのようなトラブルがあるのか、その対策について説明します。
幅広い内容ですが、一度全体の流れを学ぶことでそれ以降熱処理という技術に興味、関心が高まることと思います。是非日本の物造りを盛り上げられますよう頑張って下さい。
プログラム
第1章 「鉄の特性」
1)特殊鋼とその分類
2)熱処理とは
3)鉄、鋼、鋳鉄の違い
4)Fe-C系平衡状態図と変態とは
5)TTT曲線とは
第2章 「基本的熱処理」
1)焼なましと焼きならし
2)焼入れ・焼戻し
3)CCT曲線とは
4)残留オーステナイトについて
5)焼入れ性と質量効果
6)冷却剤の種類と付与条件
7)理想臨界直径の求め方
第3章 「鉄鋼材料の特性と熱処理方法」
1)機械構造用炭素鋼の特性と熱処理方法
2)機械構造用合金鋼の特性と熱処理方法
3)炭素工具鋼の特性と熱処理方法
4)合金工具鋼の種類と熱処理方法
5)高速度工具鋼の特性と熱処理方法
6)ステンレス鋼の種類と熱処理方法
7)軸受鋼の特性と熱処理方法
8)ばね鋼の表面硬化特性
9)鋳鉄の熱処理(オーステンパー処理)
第4章 「表面硬化法」
1)表面硬化の目的
2)表面硬化法の種類
3)ガス浸炭法の原理
4)雰囲気ガスの種類と特性
5)ガス浸炭におけるキャリアーガスとエンリッチガスとは。
6)雰囲気制御法の種類と原理
7)浸炭硬化層深さの求め方
8)防炭方法とその注意点
9)ガス浸炭窒化の原理と適用鋼種
10)ガス浸炭窒化処理における注意点
11)ガス浸炭処理の問題点
12)真空浸炭の原理
13)雰囲気制御は可能か
14)真空浸炭法の問題点
15)難硬材への適用
16)窒化と軟窒化の違い
17)窒化処理法の原理
18)窒化・軟窒化処理の適用鋼種
19)塩浴軟窒化とガス軟窒化の比較
20)ガス軟窒化処理法の特性
21)ガス軟窒化の問題点
22)プラズマ窒化とは
23)高周波焼入れ法の特徴と原理
24)高周波焼入れ法の設備構成
25)高周波焼入れにおける鋼材の組織との関係
26)表面改質法とは
第5章 「熱処理設備」
1)温度制御の原理
2)設備管理の種類及び注意点
3)簡易熱処理設備の使用における注意点
4)熱処理におけるCO2削減対策 他
第6章 「熱処理品の検査方法」
1)硬さ試験方法の種類と原理
2)硬さ試験地の管理方法
第7章 「熱処理トラブル」
1)熱処理品の表面トラブルの種類と対策
2)熱処理品の歪対策
3)熱処理における割れ不具合対策
4)脱炭、加炭による不具合と対策
5)結晶粒度の粗大化現象例
6)ガス浸炭における内部酸化現象と対策
7)他
第8章 「トピックス」
講師紹介 略歴 昭和43年 秋田大学鉱山学部冶金学科卒業 昭和43年 オリエンタルエンヂニアリング株式会社入社 平成10年 代表取締役社長 平成16年 取締役会長 平成18年 同社退職 平成18年 山方技術士事務所開設 著書 「よくわかる最新熱処理技術の基本と仕組み」(秀和システム) 「金属熱処理技術テキスト」(共著)(東部金属熱処理工業組合) 熱処理技能士受験対策DVDセット(ゲットウイング) 熱処理技能士過去問解説書(平成28~令和3年分) 所属 日本金属熱処理技術協会 日本技術士会 埼玉県熱処理技術研究会 会長