分析バリデーション(メソッドバリデーション),分析パラメーター,統計的知識,分析方法の基礎,官能検査の注意事項,標準品管理,データインテグリティなど,必須の分析基本知識について,豊富な事例分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
株式会社ミノファーゲン製薬 顧問 脇坂 盛雄 先生 元 エーザイ 品質保証責任者
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 WEB受講のみ 本セミナーは、Zoomシステムを使用したオンラインセミナーとなります 受講対象 特に制限なし 予備知識 特に必要なし 習得知識 1)分析バリデーション(メソッドバリデーション)を知る 2)分析パラメーターを知る 3)分析バリデーションに必要な統計的な知識を得る 4)分析方法の基本を学ぶ 5)分析で注意すべき基本を知る 6)官能検査での注意事項 7)標準品管理 8)データインテグリティ 講師の言葉 小林化工での健康被害を起こしたロットでは、普段ないピークが検出されていた。ところが、分析の原理を十分把握していなかったため、問題に気付きませんでした。また統計の基礎知識が弱かったため、データの持っている意味を理解できませんでした。 本セミナーでは、分析バリデーションという狭い定義の内容だけでなく、試験そのものについて理解を深める内容としています。 分析バリデーションは新規申請資料の試験方法設定時に必須になります。実際は申請だけでなく、日常の試験検査や品質トラブル解決のための新しい評価方法確立、洗浄バリデーションの試験方法作成、官能検査の実施など、多くの場面で重要な役割を担っています。また、分析バリデーションには統計的な知識も必要になります。 医薬品開発・製造では分析そのものへの知識があって実際に意味ある試験方法ができ、問題への対応が可能となります。そのための基本から総合的に学ぶ機会としたい。その他、官能検査、標準品管理についても説明します。最近PMDAによる無通告査察などに関する試験の不備/齟齬から製品回収になっており、その対策についても紹介する。 品質トラブルが発生した時、分析の基本知識は必須です。QCの結果を100%信用していると大きなトラブルを招きかねません。QAの方で分析の経験がない方にも知っておいて欲しい基本的な内容を網羅しています。
プログラム
1.分析バリデーションは何故必要か 1)バリデーションされていないと何が起きるか 2)分析方法は手段 ・何を分析したいのか ・どこまで分析したいのか 2.分析バリデーションのいろいろ 1)新規分析法作成時のメソッドバリデーション 2)試験方法移管時のサイトバリデーション 3)代替試験法設定のバリデーション 4)洗浄バリデーションの試験方法のバリデーション 5)機器のキャリブレーション 6)機器の適格性評価(DQ、IQ、OQ、PQ) 7)トレーサビリィティ 8)官能検査のバリデーションとは ・注射剤の不溶性異物試験 3.知っておきたい統計の知識 1)バラツキの概念と分析バラツキの要因 2)95%信頼区間 3)相関係数と回帰式 4)F検定&t検定 5)分散分析 4.分析能パラメータ(Validation Characteristics) 1)真度(Accuracy/Trueness) 2)精度(Precision) 3)特異性(Specificity) 4)検出限界(Detection limit) 5)定量限界(Quantitation limit) 6)直線性(Linearity) 7)範囲(Range) 8)頑健性(Robustness) 5.分析方法の基本を知る 1)滴定 2)比色反応 3)誘導体の作成 4)分離分析 ・GC ・HPLC 5)結晶径の違いを知る ・TG ・DSC ・X線回折 6)異物の同定 ・FTIR(顕微鏡IR) ・X線マイクロアナライザー 6.標準品の設定と管理 1)国の標準品とのトレーサビリティ 2)二次標準品設定 3)製剤の標準品は99.0%以上の活用 4)標品の管理(類縁物質) 5)標準品の変更管理での品質トラブル事例 7.分析バリデーションとサンプリングの関係 1)“原則品質部門がサンプリングする“の意味(GMP逐条解説&事例集から) 2)QCは評価する部門、分析バリデーションはツールの検証 3)サンプリングとは、製造方法、均質性、ロット構成を把握して行う 4)承認書や日局にn数が規定されていない理由 5)サンプリング試料の粉砕や縮分時の注意点 8.分析方法の設定事例 1)UV法をHPLC法へ 2)糖の滴定をHPLCへ 3)分析の自動化 4)特殊な分析方法の開発 9.分析方法の失敗事例 1)標準品の評価が分析方法で異なる 2)古い試験方法の対応 ・製造販売承認書の機器廃棄 ・OOSを起こしやすい製剤 ・OOSを起こしやすい試験 10.OOS発生時のラボエラー調査 1)標準品変更時のOOS 2)ラボエラーに気付かず製品回収 3)PMDAによる試験不備による製品回収 4)日医工のOOSの判断不備への当局の指摘 5)規格限界値付近のデータの意味とその対応 11.代替試験方法使用時の注意事項 1)製造段階の管理値との関係(OOT設定) 2)経年での評価 3)最近のPMDAによる代替試験に関する製品回収 4)代替試験法の原則禁止 12.日本薬局方(JP)変更時並びに新規収載時の対応 1)JP変更時の対応 2)新規収載申請時の注意点 13.FDAの査察/Warning Letterとデータインテグリティ 1)FDAの査察 2)Warning Letter 3)欧米のデータインテグリティガイドライン紹介 ・PIC/SDIガイダンス ・FDAガイダンス 14.PMDAの無通告査察で指摘される前にQCの試験法などについて確認したいこと 1)試験の齟齬による回収 2)齟齬確認のポイント 15.小林化工の事例から学ぶ 1)普段ないピークへの正しい対応できず 2)OOSの対応不備 3)承認書の試験方法と正しい試験方法の違い 4)判定値の統計的意味 ・含量の値 ・溶出試験の値 ・該当ロットは含量低下&逆に溶出試験の高い値の矛盾について 16.試験者の教育訓練と認定 1)認定制度 2)試験方法のノウハウ集(研修資料) 17.人が創る品質/FDAのQuality Culture 講師紹介 略歴 1979年4月 エーザイ (株)入社 検査部、人材企画室、生産物流本部、信頼性保証本部 品質保証部 統轄部長 品質保証責任者 (品責) を歴任 エーザイ(株)の品質管理/品質保証に30年勤務 2013年9月 退職 他2社の顧問を兼務、現在に至る