課題解決、品質向上、技術向上のセミナーならTH企画セミナーセンター

品質トラブルを未然に防ぐための

現場視点から見た
洗浄バリデーション取り組みポイント
~洗浄方法残留限度値設定ホールドタイムワーストケース、
 そして査察対応【WEB受講(Zoomセミナー)】*事前質問受付可能

WEB受講

医薬

洗浄バリデーションの考え方,規制文書の内容,マスタープラン・プロトコール・マスターバッチレコード・Logbookのポイント,残留限度値の設定方法,サンプリング方法,査察対応と確認される重要項目について,事例を交えわかりやすく解説する特別セミナー!!

講師
ナノキャリア 株式会社 研究部 担当部長 宮嶋 勝春 先生
日時
会場
※本セミナーはWEB受講のみとなります。
受講料
(消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
テキスト

受講概要

受講形式
WEB受講のみ
*本セミナーはZoomシステムを利用したオンライン配信となります

受講対象
洗浄バリデーションに関心のある方なら特になし

予備知識 
特に必要なし

習得知識 
1)ライフサイクルを通した洗浄バリデーションの考え方
2)リスクに基づいた洗浄バリデーションの考え方
3)洗浄バリデーションに関わる規制文書の内容
4)洗浄バリデーション実施に必要となるマスタープラン、プロトコール、マスターバッチレコード、Logbookのポイント
5)洗浄の結果に影響を与える3つのホールドタイムの設定
6)残留限度値の設定方法(Fourmanらの方法と毒性に基づいた方法)と具体的な計算方法
7)サンプリング方法設定上のポイントと分析方法
8)査察への対応と確認される重要項目 

事前質問・困っていることなどについて、事前に知らせて頂けたら講演の際に対応したいと思います。
*事前質問は、事務局(th@thplan.com)までメールにてご連絡ください。

講師の言葉
 洗浄バリデーションは、医薬品製造現場における交叉汚染防止対策の中でも特に重要なものである。
 しかし、行政文書には基本的な検討項目は記載されているが、具体的なHow(方法、手順)については書かれていない。つまり、各製造現場の洗浄に係わるリスク評価に基づいて、それぞれの会社で製造環境に適した洗浄バリデーションの取り組みが求められている。この洗浄バリデーションの有効性評価の中心となる残留限度値であるが、2019年3月新たな視点を求める医薬品回収事例が発生した。  
 その結果、洗浄後の残留限度値設定にどう対応すべきか、より慎重な検討が必要となっている。こうした残留限度値の問題以外にも、ライフサイクルを通したバリデーションの考え方やホールドタイムの設定、残留性評価のためのサンプリング方法と分析手段など洗浄バリデーション実施上の環境は大きく変化しており、それに対する適切な対応が企業に求められている。  
 本講演では、こうした変化に対応するため、洗浄バリデーションの基礎的な要件について解説するとともに、特に各国の規制面からの要件、ライフサイクルを通したバリデーションの考え方、高活性物質に対する洗浄、そして洗浄バリデーションの結果を左右する残留限度値設定上の問題点と対応策、クリーンホールドタイム・ダーティホールドタイムの設定やサンプリングに係る課題、そして目視確認など、できるだけ現場で洗浄バリデーションを行う視点から解説を行う。  
 また、実際にFDAなど規制当局の査察において確認される洗浄バリデーションのポイントについて紹介する。なお、追加資料として、これまで実施したセミナーの参加者による現場の生の質問10件に対する回答を含めた。

プログラム

1.はじめに
  1)歴史にみる洗浄バリデーションへの取り組み
  2)リスクとライフサイクル通したGMPとバリデーション 
   ‐なぜ必要になったのか、その課題は何か
  3)Walshらの報告に基づく洗浄バリデーションの考え方 
   ‐洗浄バリデーションにおけるリスクとは? ‐

2.規制文書に見る製造現場で求められている洗浄バリデーションに必須な項目とは?
  1)JGMPにおける洗浄バリデーション
  2)EU GMPにおける洗浄バリデーション
  3)cGMPにおける洗浄バリデーション
  4)ASTM Internationalのガイド(E3106-18)
  5)その他(洗浄バリデーションに関わる情報をどこから入手できるか)
 
 3.洗浄バリデーションMaster Plan、SOP、MBRそしてLogbook
  1)バリデーションマスタープランとは
   ・マスタープラン作成上の留意点
   ・洗浄バリデーションマスタープランに記載すべき事項
   ・洗浄バリデーションマスタープランと洗浄手順書の関係
  2)プロトコール・マスターバッチレコード(MBR)、そして洗浄記録(BR)
   ・プロトコール作成上のポイント
   ・マスターバッチレコード(MBR)作成上のポイント
  3)Logbook作成上のポイント
 
 4.洗浄バリデーション実施における11の検討課題
  1)洗浄バリデーションに対する取り組みは、いつスタートするか
   ・装置設計とURS
   ・装置導入時の洗浄をどうするか
  2)専用製造設備に対する洗浄バリデーションと限度値設定の考え方
   ・リスクに基づいた専用設備の考え方
   ・専用設備における残留限度値の考え方
  3)洗浄バリデーションにおける5つの評価対象 
   ‐原薬、洗浄剤、添加剤、微生物、有機溶媒‐
  4)洗浄方法の種類と留意点
   ・マニュアル洗浄、CIP、SIP の特徴と課題
   ・洗浄に使用される水の品質
  5)ワーストケースをどう活用するか
   ・ワーストケースによる洗浄バリデーションとは何か
   ・ワーストケース設定上の注意点
  6)洗浄に関わる4つのホールドタイム
   ・4つのホールドタイム(DHT、CHT、SDT、SHT)
   ・ダーティホールドタイムの設定上の課題とその対応
   ・クリーンホールドタイムの設定上の課題とその対応
   ・DHT,CHTの逸脱にどう対応するか
  7)残留限度値をどう設定するか?~物理化学的な設定から毒性に基づく設定へ~
   ・Fourmanらの方法の問題点~10ppm、0.1%、に科学的な根拠はあるか~
   ・毒性に基づいた基準の設定は大変!~設定上の課題とその対応~
   ・残留限度値の具体的な計算方法~実際に計算をしてみよう~
   ・半固形製剤の残留限度値設定~Ovaisらの考え方~
   ・微生物とエンドトキシンの限度値設定
   ・治験薬製造における残留限度値設定
   ・目視基準は感度も高く有用であるが~採用上の課題とその対応~
  8)残留物を正しく評価するためのサンプリング法とは?
   ・サンプリング条件が結果を左右する~場所・時間・量・手順など~
   ・Swab法とRinse法の特徴と課題
   ・リスクに基づいた残留物の分析法とは?~TOCは使用できるのか~
   9)キャンペーン生産の特徴とDHTの設定
  10)目視確認の再現性をどう確保するか!
   ・残留限度値評価のための目視確認
   ・日常の洗浄後の目視確認
   ・目視検査員の適格性をどう担保するか
 11) 医療機器に対する洗浄バリデーション

 5.FDAは査察において何を確認するのか?
  1)査察はコンサルティング? ~指摘なしは単にLuckyか~
  2)査察に向けた準備
  3)洗浄バリデーションに対する確認手順
  4)洗浄バリデーションに関する指摘事項の具体例
   5)指摘にどう対応すべきか ~結果は次の査察で~
 
 6.参加者からの質問に対する回答

 7.まとめ

講師紹介
略歴
1979年4月~2000年2月 ゼリア新薬工業㈱ 中央研究所 製剤研究部 
この間1984年2月~1986年10月 米国ユタ大学薬学部(Professor W.I.Higuchi教授)に留学
2000年3月~2006年3月 テルモ㈱ 研究開発センター 主任研究員 
2006年4月~2008年7月 奥羽大学薬学部 准教授
2008年8月~2016年5月 武州製薬㈱ 製造技術部 部長 
2016年6月~2017年5月 一般社団法人 製剤機械技術学会 事務局長
2017年6月~2020年3月 ナノキャリア㈱ 研究部 部長 
2020年4月~ ナノキャリア㈱ 研究部 担当部長
専門
内服固形製剤の開発、リポソーム製剤の開発、製剤の技術移転など
関連学協会での活動
1999年‐2000年 日本薬学会 評議員.
2002年‐2004年 ISPE日本支部 理事
2011年‐2016年 製剤機械技術学会 理事
2016年‐現在 日本薬剤学会 代議員
学位
1994年 博士(薬学)