受講概要
受講形式 WEB受講のみ *本セミナーは、Zoomシステムを使用したオンラインセミナーへ変更となりました。 受講対象 医薬品、医薬部外品企業の技術部門、品質保証部門、製造部門の実務担当者 予備知識 特に必要なし 習得知識 1)作業環境を汚染する原因と対策 2)環境モニタリングの弱点、留意点 3)作業者保護(薬害)対策例 など 講師の言葉 行政の示すルールをトレースするだけで、製品の汚染、交叉汚染、混同を防止できるわけではない。 必要なことは、企業自らが汚染管理戦略を構築することである。すなわち、適切な施設の設計とその 適格性確認、適切な製造管理・品質管理・衛生管理の手順設定と教育訓練の実施、さらには継続して 施設管理、製品品質や製造プロセスのモニタリングを実施しなければ適正品質の製品を継続して提供 することはできない。 環境モニタリングデータは、施設設計・管理の適正性、人の行動基準の適切性を証明する重要な データとなる。しかし、環境モニタリング時の注意事項とデータの弱点をしらなければ、ハード・ ソフトの不備を検知できず、不適切・不十分な環境モニタリングデータを拠り所に製品品質の適切性を 訴える可能性もあり得る。 環境モニタリングで注意すべきことなど具体例を交えて分かりやすく解説する。
プログラム
1 最新GMPの要請事項を知る
1.1 答えを行政に求めず企業自らが考える
1.2 PDCAサイクルからOODAループへ
1.3 品質リスクマネジメントの手法はOODAループ
1.4 バリデーション概念の進化
1.5 継続してバリデートされた状態かを確認
1.6 製品ライフサイクル全域に渡りバリデーション
1.7 品質システムの「品質」とは「品質文化(企業体質)」
1.8 PIC/S Annex1改正案は「汚染管理戦略」を求める
2 要請される環境清浄度
2.1 重要区域、直接支援区域、その他の支援区域
2.2 再生医療等製品の場合
3 二つの微粒子数管理値が設定されている
3.1 二つの微粒子数一覧表の違い
3.2 清浄度を検証する場合のサンプリングポイント数
3.3 製造中の清浄度確認(継続的検証)
3.4 清浄度(作業時)の測定ポイント
3.5 モニタリングの頻度
4 浮遊微粒子数のモニタリング
4.1 浮遊微粒子測定の留意点
4.2 微粒子モニタリング方法
4.3 5μm以上の微粒子測定で留意すること
4.4 製造中の環境モニタリングの考え方
4.5 アラート/アクションレベルの設定と逸脱時の対処
5 微生物数のモニタリング
5.1 浮遊菌数のサンプリング方法と問題点
5.2 付着菌数のモニタリング方法と問題点
5.3 落下菌数のモニタリング方法
5.4 迅速法による微生物モニタリング
6 環境モニタリングを過信しない
6.1 環境モニタリングは気流が相手
6.2 留意すべきは想定外の汚染源
6.3 モニタリング作業で汚染するかも
6.4 環境モニタリングの2つの欠陥
7 汚染管理戦略は適切な施設設計から始まる
7.1 日米欧3極の空調要件
7.2 差圧の設定
7.3 共有設備内の交叉汚染に関するPIC/S備忘録を参考に
7.4 乱流希釈方式の留意点
8 環境清浄度は3ステップ(As built、At rest、In operation)で
8.1 As built(施工後)の検証項目
8.2 At rest(非作業時)のチェックポイント
8.3 In operation(作業時)での検証項目
8.4 スモークスタディの実施
8.5 In operationでモニタリング位置確定
8.6 清浄作業域の汚染・交叉汚染対策
8.7 アイソレータの留意点
9 発塵源を知る
9.1 ヒトは発塵源
9.2 動作発塵現象
9.3 動作発塵=微小粒子だと侮れない
9.4 過剰な手洗いはしない
9.5 無塵衣はクリーニングしても異物残留
9.6 更衣室は汚い
9.7 環境清浄度だけでは汚染防止は無理
10 作業者保護の視点
10.1 気流方向を考えて立ち位置設定
10.2 職業曝露限界 OEL(Occupational Exposure Limit)とは
10.3 浮遊微粒子数≠人体への影響
10.4 微粒子の大きさが問題
(質疑応答)
講師紹介
元塩野義製薬株式会社製造本部次長
経口剤や注射剤の工業化検討、製造棟の構築プロジェクト遂行、無菌製剤棟の製造管理責任者、
国内外関連会社への技術支援業務に従事。
現在は国内食品・医薬品・医療器具メーカーへの技術支援を実施。
著書
「凍結乾燥のバリデーション」(共著)
「GMP・バリデーション事例全集」(共著)
「現場で直ぐ役に立つ製品標準書作成マニュアル」(共著)
「現場で直ぐ役に立つ 実務者のためのバリデーション手法」(共著)など多数。