セラミックスと金属の破壊の仕方の違い,破損したセラミックスの原因の見つけ方,
強度試験方法・強度の取扱い方について,実験データに基づくExcel演習を踏まえ,
具体的に分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
国立大学法人 香川大学 創造工学部 創造工学科 先端材料科学領域 講師 博士(工学)松田 伸也 先生
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 WEB受講のみ *こちらのセミナーはZoomシステムを使用したオンラインセミナーとなります。 Zoomアプリのダウンロードをしなくてもブラウザから視聴可能です。 予備知識 材料力学の基礎知識(応力,ひずみ,はりの曲げ強さ)。 学んだことがなくても材料力学のテキスト「応力,ひずみ」の節を読んである程度理解いただければ十分です。
持参品 ノートパソコン(OfficeのExcelインストール済みのもの,バージョンは不問) 習得知識 1)セラミックスと金属の破壊の仕方の違い 2)破損したセラミックスの原因の見つけ方の基礎 3)基本的な強度試験方法と強度の取扱い方 など 講師の言葉 構造物や製品において,その部品の破損はシステムの故障や重大な事故を引き起こす可能性があります。 したがって,長期信頼性を確保した構造物や製品を強度設計製作するためには,使用する材料の強度試験を 行い,強度特性を理解することは必須です。金属は,強く,よく伸びる性質を有します。 そのため,いきなり壊れることはなく,必ずその変形や損傷の徴候がみられます。 近年の事例として,2017年12月11日,東海道・山陽新幹線のぞみ34号のN700系車両で発生した重大 インシデントである台車に発生した大きなき裂が記憶に新しいと思われます。 これは,金属が伸びる性質を有する ために異常を検知して停止することで脱線など大きな事故に至たら なかったと言い換えることができます。 一方でセラミックスは金属材料と比較して耐熱性,高比強度, 耐摩耗性など優れた特性を有しています。 しかしながら最大の欠点は,非常に脆く,金属のように伸び ないためにその変形や損傷の徴候が見られず, 突然,脆性破壊します。セラミックスを構造用材料として 応用を始めたころは,金属材料を中心に発達して きた強度設計手法が適用されてきました。 しかしながら,そのまま応用することが難しいことが認識されてきました。すなわち,脆く,伸びない セラミックスならではの強度の考え方・取扱い方があります。 そこで本講座では金属材料と比較して, ①破壊メカニズムや破損の仕方の違いを説明し,②破損した セラミックスの原因の見つけ方の基礎を学びます。 次に,③強度試験方法および強度データの取扱い方を 説明するとともに,強度の解析方法について,実際の 実験データとExcelを使って実践的に学べるように 構成しました。
プログラム
Ⅰ.セラミックスの破壊原因と破壊規準【講義】 1. セラミックス強度信頼性評価に関する歴史 2. 金属とセラミックスの破壊原因と破壊規準 2.1 金属材料の塑性降伏条件 2.2 セラミックスの破壊原因と破壊条件 3. 金属とセラミックスの破壊形態 Ⅱ.強度試験方法【講義】 1. 引張試験の問題点 2. 曲げ試験と破壊じん性値試験 3. 強度特性に及ぼす諸因子(速度・加工キズ)の影響 午前の部 質疑応答 Ⅲ.強度の統計的取扱い方 1. ワイブル分布【講義とExcel演習】※1 2. 強度のワイブル解析方法【講義】 3. Excelによる実験データに基づくセラミックス強度のワイブル解析演習【Excel演習】 3.1 4点曲げ強度評価とワイブル解析※2 3.2 破壊確率曲線と予測※3 3.3 破壊欠陥寸法の推定※4 Ⅳ.強度と寸法効果および試験方法の影響 1. 強度と寸法効果の統計的取扱い【講義とExcel演習】※5 2. 有効体積による強度評価【講義とExcel演習】※6 質疑応答 ※1 ExcelのWeibull関数を使って確率分布関数や確率密度関数のグラフを描き, 形状母数や尺度母数の変化との関係を学ぶ。 ※2 曲げ応力計算およびワイブル解析を実践する。 ※3 3.1節で解析したワイブルパラメータを用いてExcelのWeibull関数を使って破壊確率 (確率分布関数)の曲線を描き,破壊確率を予測する。 ※4 破壊じん性値と解析した尺度母数を用いて,破壊に関与した欠陥寸法を推定する。 ※5 解析したワイブルパラメータを用いて,強度-体積線図を描き,体積効果を学ぶ。 ※6 3点曲げおよび4点曲げ強度のワイブル解析結果から試験方法と応力状態の異なる データを評価する手法を学ぶ。 講師紹介 略歴 2009年3月 愛媛大学大学院 理工学研究科 博士後期課程 修了 2009年4月~2017年3月 独立行政法人国立高等専門学校機構 沼津工業高等専門学校 機械工学科 2017年4月~2018年3月 国立大学法人 香川大学 工学部 材料創造工学科 2018年4月~現在 国立大学法人 香川大学 創造工学部 創造工学科 先端材料科学領域(改組に伴い) 所属学会・協会 日本機械学会 日本複合材料学会 日本工学教育協会 日本材料学会:信頼性工学部門委員会委員(会計幹事) 信頼性工学部門委員会確率過程応用研究分科会主査(発起人)