受講概要
受講形式 会場・WEB 受講対象 ・現役の機械設計者、管理者 ・製造現場および検査部門の担当者、管理者 ・社内技術標準維持管理担当者 ・部品調達担当者 など 予備知識 ・機械設計製図の基礎知識 習得知識 1)最新の「ISO規格に従った図面指示方法」を知ることができる 2) 従来の「寸法」と「寸法公差」についての今後の正しい扱い方がわかる 3)「サイズ形体」や「サイズ公差」とは何かを知ることができる 4)「幾何公差」とは何か、特に重要な「位置度」と「輪郭度」について詳しく知ることができる *講師著書「サイズ公差”と“幾何公差”を用いた機械図面の表し方」を 受講者に無料配布させていただきます。 講師の言葉 今までの日本の機械図面では、もはや海外(特に欧米)では通用しません。その最大の理由は、 「部品形状の表し方」にあります。 今までの図面では、部品のあるべき「形状」について、 「寸法」と「寸法公差」を用いた様々な指示によって表現してきました。しかし、いまや従来の 「寸法」は、「サイズ」と「距離」とに大きく分けられます。 従って、図面では「サイズ」に 関しては「サイズ公差」で、「距離」に関しては「幾何公差」を使って、明確に指示しなければ なりません。 また、「幾何公差」についても、現在のJIS規格で規定されている内容は旧いものになりつつあり、 最近のISO規格では、数多くの新しい記号を用いて、様々な設計要求が明確に表現できるように なってきています。 また、米国のASME規格も2018年の改定で、「寸法公差」から「幾何公差」重視の傾向をいっそう 強め、実用的な指示方法を数多く規定してきています。 これらの状況を踏まえ、幾何公差の中でも、とりわけ「位置度」と「輪郭度」を中心に、「幾何 公差」による指示方法を詳しく説明、解説しながら、“世界に通用する機械図面のあり方”を理解して いただきます。
プログラム
1.「寸法公差」中心の日本の機械図面は、なぜ世界に通用しないのか ・世界で使われている製図規則は、どうなっているか ・「寸法公差」による図面は、どこが“あいまい”なのか ・世界に通用する“あいまいさ”のない“明確な図面”とはどのようなものか 2.「サイズ形体」を理解し「サイズ公差」を正しく使う ・部品形状における「サイズ形体」とはどのようなものか ・従来の「簡易測定器」による測定でよい箇所は「サイズ公差」の指示でもよい 3.部品の基準を決める「データム」「データム系」を理解する ・従来図面の「寸法基準」に相当するものが「データム」と「データム系」 ・部品の加工や検査のためには「データム」と「データム系」の指示は必須である ・「データム系」の指示によって、その部品の形状品質の多くは決まる 4.種類の多い「幾何公差」の実用性からの種類の絞り込み ・記号で14種類ある「幾何公差」すべてを覚えなくても、設計要求は指示できる ・「形状公差」「姿勢公差」「位置公差」「振れ公差」のそれぞれの特性をよく知る ・設計要求に照らして必要な「公差域」を想定し、適切な指示となる「幾何公差」を考える 5.存在意義の高い「位置度」公差の使い方・表し方 ・「位置公差」のない「部品」は存在しない ・「形状公差」「姿勢公差」を包含する「位置公差」の正しい理解 ・“明確な指示”を目指し、規定が細かくなった「位置度」公差指示 6.重要性を増す「輪郭度」公差の使い方・表し方 ・今後の図面は、この「輪郭度」1つを理解すれば、作成可能になる? ・規定の充実により、適用範囲の拡大する「輪郭度」の最新状況とは 7.演習問題 ・書籍など身の回りによく見かける「幾何公差」指示例の間違いを知る 講師紹介 大学院工学研究科(修士課程)を修了し1973年 ㈱リコーに入社、20年以上にわたり複写機の 開発・設計に従事し、その後、3D CADによる設計プロセス改革の提案と推進、および社内技術 標準の作成と制定・改定に携わるとともに、社内技術研修の設計製図講師、TRIZ講師などを 10年以上務め、2010年に退社。ISO/JIS規格にもとづく機械設計製図、およびTRIZを活用した アイデア発想法に関する、教育とコンサルティングを行う「想図研」を設立し、代表。 現在、企業への幾何公差主体の機械図面づくりに関する技術指導、幾何公差に関する研修会、 講演等の講師活動を行っている。 著書 『幾何公差の使い方・表し方 第2版』『わかる!使える!製図入門』 『“サイズ公差”と“幾何公差”を用いた機械図面の表し方』『はじめよう!カンタンTRIZ』等。