原薬粒子の粉体物性,不揃いな原薬粒子の生成要因,原薬粒子の前処理の具体例,
生理活性薬物粒子の粒子設計・粒子加工,流動層造粒における含量均一性・打錠性・
収率の改善を目指した,粒子設計・粒子加工,高付加価値製剤のための粒子設計・
粒子加工(口腔内崩壊錠)について実践的に分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
PH Techno Labo(製剤技術コンサルタント) 坂本 浩 先生 ㈱パウレック,大原薬品工業㈱を経て現職 2010年:日本薬剤学会:製剤の達人・称号授与される
- 日時
- 会場
- 受講料
- (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 会場・WEB 受講対象 製剤開発(処方設計) 生産現場経験者 予備知識 特に必要なし 習得知識 1)トラブル解決策のヒント 2)多視点観察(ものの見方) 3)見えない物を視る(感じる)(視る、観る、見る、看る、診る、覧る) 4)観察力(洞察力)・感性を磨く 5)空気:見えないが感じることはできる 例:移動⇒風*振動⇒音&音楽 6)技術の蓄積により感性を養う(技術者魂) など 講師の言葉 1)古いスタンダード(旧いSOP)の見直し:ダーウィンの進化論によると「強い者(会社)が 生き残れるのではなく、変化に対応できる者(会社)が生き残れる」。変わりたくない者が革新を潰す。 2)世の中、猛烈なスピードで変化していて、昨日のスタンダードは明日のスタンダードではない。 2011年に、今まで見えていたアナログTVは見られなくなった、今まで通りでは時代遅れ、頭の チャンネルを変えなければついて行けない、変化に対応することが大切である。 3)天は人の上に人を作らず・人の下に人を作らず」(生まれた時は皆平等)しかし、その後に賢者 (富める者)と愚者(貧者)ができる、学ぶか学ばないかで差ができる。 (福沢諭吉:学問のすすめ・明治5年) 4)過去の成功体験からの脱却:創造的破壊【0】からの発想⇒革新的な技術が生まれるために。 5)今まで通りは時代遅れ、異分野とのコミュニケーションを図る。(それぞれの分野で見方が 異なる)新しい見方に進化しょう。
プログラム
A)【乾式直打によるコスト削減&トラブル回避を目指した粒子設計・粒子加工】
A-1)原薬粒子の粉体物性
複数(A社,B社,C社)で粉体物性の不揃いな原薬が入荷している。
多くの開発者が、同じ粉体物性の原薬と思い込んで処方設計している、原薬の粉体物性は
各社でそれぞれ異なるため、最終製品(錠剤等)において、溶出率不適合が発生し、自主
回収等が生じるケースもある。
粉体物性(粒子径・密度・形状等)が変われば溶出率は変動する⇒解消の具体例(最新の操作技術)
A-2)不揃いな原薬粒子の生成要因。
各社とも、設備環境や製造条件が異なるため、粉体物性(粒子径・密度・形状等)は異なる、
同じ粉体物性の原薬が入荷していると思い込んでいないか、同一メーカーの同一装置でも、
季節(夏期・冬期)により粉体物性は異なる。粉体物性が異なれば同じ製造手順(SOP)で
製造しても、同じ製剤は出来ない。
A-3)原薬粒子の前処理の具体例(乾式直打用)
石臼式解砕整粒による前処理方法を検討し原薬の粉体物性を出来るだけ近似・平均化させる方法の解説。
A-3-1)石臼式解砕整粒(スーパーマスコロイダーαⅣPH)
A-3-2)コスト削減トラブル回避を目指した粒子設計・粒子加工
A-3-3)乾式直打法における原薬の前処理による高含量(92%)錠剤&コストダウンのための操作技術。
本方法を採用すると溶出率不適合の解消に繋がる。従来薬物含量が30%以下とされていたが、
本方法は92%でも含量均一性に優れた、錠剤硬度も、50N以上の錠剤が得られる。
A-3-4)直打専用の添加剤を用いなくても安価な従来品で可能であるためコスト削減に寄与する方法。
A-3-5) 原薬の二次凝集防止
A-3-6) 打錠に適した水分値
A-4) 滑沢剤の選定
B)【作業者保護】や【環境保全】を目指した生理活性薬物粒子の粒子設計・粒子加工
(麻薬や薬物依存性の高い原薬粒子含有製剤における作業者の健康保護・環境保全)
B-1-1)原薬のケミカルハザート゜
B-1-2)流動層装置による造粒・コーティングおける原薬粒子の取り扱い例。
(原薬の粉体物性に対応した操作条件(特に粒度層造粒における操作風量やスプレー液処方)の具体例)
B-1-3)100μm以下の微細な造粒粒子を10%以下に抑えるための操作条件の選定。
段階的に操作風量を増加させる操作条件の設定(大阪府薬務課:バリデーションガイドにも採用)
B-2)環境整備および操作手順書(SOP)の改訂
B-2-1)粉体物性と操作条件(流動層造粒)
B-2-2)造粒事例
B-2-3)まとめ
C)流動層造粒における含量均一性・打錠性・収率の改善を目指した粒子設計・粒子加工
C-1)流動層装置による造粒・コーティングの基本操作とスケールアップ
C-2)粉体物性に応じた操作条件の選定(含量均一性・収率改善・打錠性改善のための基本的操作条件)。
C-3)都道府県薬務課に操作技術に関する情報を提供しバリデーションガイドライン(大阪府薬務課)に採用
されている方法の具体的な説明。
スケールアップにおける具体的な操作条件の選定説明。
D) 高付加価値製剤のための粒子設計・粒子加工(口腔内崩壊錠)
流動層装置による高付加価値製剤(OD錠・安定性)のための粒子設計・粒子加工の具体例。
D-1)最近の核粒子(原薬粒子の苦味マスク・溶出制御・含量均一性)の粒子設計と操作条件の解説。
D-2)噴流流動層装置(微粒子コーティング法)による高付加価値製剤(苦味マスク・含量均一性・OD錠・
安定性)のための粒子設計・粒子加工の具体例
D-3)噴流流動層(Advanced Wurstgr-)による微小核粒子の粒子設計(粒度分布が極めてシャープ、且つ
表面形状の滑らかな粒子)、表面が複雑な粒子は、コーティングにおいて膜剤が多く必要となるが、
滑らかな粒子は膜厚が均一になるため、表面が複雑な粒子(流動層造粒品等)に比較し少ない膜剤量で
同等の溶出率制御ができるので、結果に於いてコーティング時間が短縮できる。
D-4) 微小核粒子(PCS)を用いた口腔内崩壊錠の粒子設計・粒子加工
D-4-1)湿式粉砕装置を用いた難溶性原薬の溶出改善と含量均一性の確保
D-4-2)核粒子表面を滑らかにする操作方法(レイアリング法)
D-4-3)光安定性
講師紹介
1961年 冨士産業㈱(現㈱パウレック)入社 開発した装置(撹拌造粒機:バーチカルグラニュレ・流動層乾燥機・転動流動層装置(マルチプレックス:MP) ・微粒子コーティング装置(Advanced Wurstgr-)は今でも多くの医薬品製剤メーカーで使用されている。 1981年 粉体工学研究所主席研究員 2007年4月~技術顧問(非常勤)(現在・勤続 58年) 2007年5月 大原薬品工業㈱医薬開発研究所、製剤技術研究部・技術顧問(非常勤): (2010年:日本薬剤学会:製剤の達人・称号授与される) 2018年3月31日・大原薬品工業(株)退職 2015年10月~日本臓器製薬(株)技術顧問・現在に至る 主な特許登録 撹拌造粒機(バーチカルグラニュレータ)の開発(特許第3164600号) 微粒子コーティング装置(Advanced Wurster-)の開発 特許第3352059号) 苦味を有する生理活性薬物含有粒子の製造方法・ドネペジル塩酸塩(特許第5615612号2010/7/21) など、26件登録済 委員会委員・幹事・講師等 静電気安全指針改定静電気研究委員会委員:労働省・産業安全研究所20年間 粉体工学会・製剤と粒子設計部会:企画世話人(粒子加工分科会・幹事)22年間 (社)産業安全技術協会(労働省外郭団体)・研究委員&講習会講師 日本粉体工業技術協会・粒子加工分科会、幹事(昭和60年~平成18年) 日本粉体工業技術協会・粉じん爆発防止委員会委員(爆発放散口設置基準の設定) 新潟薬科大学非常勤講師(2011年~2013年:3年間)