化学工学理論(熱伝導、ろ過、撹拌、抽出、乾燥),スケールアップ製造条件・設備の設計,
溶媒の選択法,溶媒回収プロセス,プラントの安全性保持技術,トラブル例・対策について
分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
アンリ・コンサルティング 代表 森川 安理 先生 元 旭化成(株) 薬学博士 スクリーニング化合物の合成,プロセス化学研究に一貫して従事した後、 医薬原薬製造工場の工場長を10年経験。
- 日時
- 会場
- 受講料
- (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 会場・WEB 受講対象 ・化合物をバッチプロセスによってスケールアップ製造しようとしている技術者。 ・業種は電子材料等ファインケミカル製品製造業(無機製品も可) 医薬原薬および中間体製造業。 予備知識 伝熱の化学工学の知識があると理解しやすいが、化学工学を全く知らない方でも 理解できるように解説する。 これからスケールアップを行う化合物の合成プロセスについて理解していること。 スケールアップに対して問題意識を持っていることが必要。 習得知識 1)スケールアップに関する初歩の化学工学理論(熱伝導、ろ過、撹拌、抽出、乾燥) 2)化学工学理論を利用したスケールアップ製造条件および設備の設計 3)溶媒回収を考慮した溶媒の選択方法 4)溶媒回収プロセス 5)プラントの安全性保持技術 6)スケールアップトラブル例と対策 講師の言葉 このセミナーは、これからバッチ合成プロセスのスケールアップを実施しようとしている 技術者の為のものです。ラボの化学合成を、100L、5000L等の釜までスケールアップ する場合、私たちは様々なトラブルに見舞われます。本来有機化学、無機化学反応自身は、 スケールアップをしても本質的に変わるところはありません。 しかし、温度コントロールや結晶のろ過や乾燥など化学反応を伴わない物理プロセスについ ては、スケールアップを行うと本質的に異なったものになってきます。これらの物理プロセスは、 化学工学理論で説明されます。 このセミナーでは、初歩の化学工学知識を紹介することで、スケールアップ時の物理プロセス の変化を理解していただき、スケールアッププロセス設計、設備設計に生かすことができます。 環境を守るという観点、経済的観点の2つから有機化学プロセスではスケールアップすると溶媒を 回収再利用することが求められます。溶媒回収する場合と溶媒使い捨てる場合とは本質的にプロセ スが異なってきます。スケールアップと溶媒の選択・取扱い方法の関係について解説します。 また、スケールアップ時に陥りやすいトラブルとその事前対策、事後対策について解説します。 最後に、付録として最近はやりの連続フロー合成とバッチ反応の違いについて簡単に解説したいと 思います。 受講者の声 ・全体的(基本的・感覚的)にとても分かりやすく、フローリアクターについても興味があった為 非常に有意義なセミナーでした。 (国内薬品メーカー:男性)
・化学工学を知らなくてもとても分かりやすかった。検討する上で必要なことがよくわかり、
すぐに実務に応用できると感じた。点と点がつながりました。 (大手化学メーカー:男性)
・スケールアップの起訴は、現業務だけでなく、今後にも生かせる内容でありとても勉強になりました。
(国内化学メーカー:女性)
プログラム
1. スケールアップファクターの理論 S/V(Surface/Volume) 1.1 伝熱 1.1.1 スケールアップするとなぜ伝熱に時間がかかるのか? 1.1.2 伝熱の基礎化学工学 1.1.3 単純加熱・冷却 1.1.4 再結晶の冷却 1.1.5 反応熱除去考察 1.2 ろ過 1.2.1 スケールアップでなぜろ過不良が発生するのか? 1.2.2 ろ過の基礎化学工学 1.2.3 加圧ろ過 1.2.4 遠心ろ過 2. 溶媒回収と溶媒の選択 2.1 なぜ溶媒回収が必要か 2.2 溶媒回収トラブル 2.3 溶媒回収の基礎 2.4 無水溶媒回収 2.5 溶媒の選択について 3. 撹拌のスケールアップ 3.1 撹拌のスケールアップはどう考えたらよいのか? 3.2 理論:先端速度、体積当たりの電力、循環回数の意味 3.3 反応、再結晶、などの撹拌を考える 4. 抽出のスケールアップ 4.1 分液時間 4.2 分液不良(エマルジョン発生防止) 4.3 抽出温度 4.4 溶存酸素の影響(Pd(0)除去) 5. ろ過と乾燥のスケールアップ 5.1 ろ過器/乾燥機の組み合わせ 5.2 乾燥プロセスの熱収支モデル 6. プラントの安全性 6.1 溶媒静電気発生 6.2 化合物爆発性 6.3 環境への負荷と規制 7.スケールアップトラブルの例 紹介 8.付録:連続プロセスとバッチプロセスの違い 講師紹介 《略歴》 1975年3月 東京大学理学部化学科 卒業 1977年3月 東京大学大学院理学系研究科 有機化学専攻 卒業 1977年4月 旭化成 入社 入社後、スクリーニング化合物の合成、プロセス化学研究に一貫して従事。 この間薬学博士号取得(東京大学)。その後、医薬原薬製造工場の工場長を10年経験。 化学品、医薬原薬、治験薬等の生産を経験。 2009-2012年 九州保健福祉大学薬学部 非常勤講師(一般化学、生物有機化学) 2013年2月 旭化成 退社 2013年3月 個人事業主として技術コンサルタント業開始。 ~現在 無機電池材料、無機電子材料、無機化学品・有機化学品、医薬品、医薬品原料等の バッチスケールアップ製造、GMP対応等のコンサルタントとして仕事している。 原薬の製造と題して、バッチプロセスによる製品製造についての解説を31回に渡り連載。 所属学会 日本薬学会