スペクトル解析の基本,前処理,スペクトルの正しい解釈・データ処理,良いスペクトルを得るコツ・ノウハウ,
応用解析法,データベースの利用などについて,XPS・ESCA・FT-IR・ラマン分光法などについて,
様々な事例を交えて,分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
ジャパン・リサーチ・ラボ 代表 奥村 治樹 先生 博士(工学) 東レ、パナソニック等にて材料開発・開発マネジメント業務を経て現在に至る
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 WEB受講(ライブ配信のみ) *本セミナーは、Zoomシステムを利用したライブ配信ライブのみとなります。 受講対象 ・企業等の分析部門、大学等の分析センター、公設試験センターの担当者、リーダー、等 ・研究開発部門、研究機関の担当者、リーダー等 ・その他、技術部門全般
※技術コンサルタントの方・同業の方は、受講をご遠慮ください
習得知識 1)スペクトル解析の基礎から応用、実践 2)スペクトルの正しい解釈(定性・定量)とそのためのデータ処理 3)良いスペクトルを得るコツ、ノウハウ 4)潜在情報を引き出す応用解析法 5)データベースの利用 講師の言葉 FTIRやXPSを中心としたいわゆる分光分析は、材料やプロセスの解析・評価、トラブル解決において 必要不可欠なものとなっている。開発当初は、スペクトルを得るだけでも長い時間と高度な技術を要した。 しかし、近年の技術進歩で誰でも簡便にスペクトルを取得できる、場合によっては装置導入日に教科書に出ているようなきれいなスペクトルを得られることも少なくない。言うまでもなく、スペクトルは得られ れば目的が達成できるわけではなく、解析して初めて必要な情報を得て問題解決、目的達成をすることができる。 また、その解析に用いることができるスペクトルであるかということを判断することも重要である。 しかし、装置の進歩だけでなく、コンピューターやソフトの進歩もあり、現在では解析も多くの部分が 自動化、ブラックボックス化されている。そのため、間違った結論が導かれてしまっているケースが少なくない。 本講では、スペクトル解析の基本的な考え方から、前処理、同定や定量から数学的アプローチなどの解析、実際の様々な事例や手法による分析例などを詳細に解説する。
プログラム
1 スペクトル解析の基本 1.1 データの信頼性 1.2 分析の基本フロー 1.3 正確なデータを得るために 1.4 AccuracyとPrecision 1.5 信頼度要因を整理する 1.6 横軸、縦軸の意味 1.7 基本ピーク形状 1.8 半値幅の持つ意味 1.9 ピーク変化(位置、半値幅)の意味 1.10 スペクトル解析の分類 1.11 スペクトルから構造・状態へ 1.12 ピーク? ノイズ? 1.13 動的に全体を見る 2 スペクトルの前処理 2.1 データ前処理 2.1.1 スペクトル前処理の分類 2.1.2 ベースライン補正 2.1.3 スムージング 2.1.4 補間 2.1.5 微分 2.1.6 対数化 2.1.7 平均化 2.1.8 ノーマライズ、規格化(レンジスケール) 2.1.9 自動処理の注意点 2.1.10 最も重要なこと 2.2 解析的前処理 2.2.1 大気成分(CO2、H2O)補正 2.2.2 スペクトル補正 2.2.3 スペクトル変換 2.2.4 注意点 3 スペクトルの解析(同定・定性) 3.1 同定と定性 3.2 ピーク帰属 3.3 複数ピークの併用 3.4 スペクトルパターン 3.5 ピーク帰属の裏ポイント 3.6 スペクトルデータベース 3.7 代表的検索アルゴリズム 3.8 ヒットスコアの罠 3.9 スペクトルサーチのコツ 3.10 差スペクトル 3.11 混合解析 3.12 オープンライブラリ 4 スペクトルの解析(定量) 4.1 ピーク高さと面積 4.2 ベースラインの引き方 4.3 ピーク分離 4.4 ピーク分離における条件設定 4.5 検量線法による定量 4.6 定量値に対する影響要因 4.7 限界の定義を理解する 4.8 変動要因の軽減 5 スペクトルの解析(数学的アプローチによる物理意味の導出) 5.1 相関解析 5.2 相関解析の注意点 5.3 多変量解析 5.4 予測と要約 5.5 多変量解析の応用 5.6 本来のスペクトル解析 6 各種測定法の例 6.1 角度変化法 6.2 角度変化法の注意点 6.3 マッピングと多変量解析(PCA等) 6.4 マススペクトル 7 実例 7.1 X線光電子分光法(XPS,ESCA) 7.1.1 ワイドスキャン(サーベイスキャン) 7.1.2 ナロースキャン(代表的な元素) 7.1.3 元素同定 7.1.4 化学状態の同定 7.1.5 定量評価 7.1.6 XPSにおけるベースラインの選択 7.1.7 オージェピークの利用 7.1.8 サテライトピークの利用 7.1.9 価電子帯の利用 7.1.10 角度変化測定による深さ方向分析 7.2 フーリエ変換赤外分光法(FT-IR) 7.2.1 赤外分光法(IR)の原理 7.2.2 FT-IRの長所・短所 7.2.3 測定法 7.2.4 吸光度スペクトルと透過スペクトル 7.2.5 主な吸収帯 7.2.6 周辺環境の影響 7.2.7 赤外分光の構造敏感性 7.2.8 指紋領域の利用 7.2.9 系統分析 7.2.10 帰属の考え方 7.2.11 異常分散によるスペクトルへの影響 7.2.12 ATR適用の注意点と対策 7.2.13 ピーク強度比法 7.2.14 誤差要因 7.2.15 配向図 7.2.16 差スペクトルが上手くいかない? 7.2.17 高度な構造解析 7.3 ポリイミドの表面処理層の深さ方向分析 7.4 ラマン分光法 7.4.1 ラマン散乱 7.4.2 ラマン散乱と赤外吸収 7.4.3 レーザー波長と散乱強度 7.4.4 ラマンスペクトル 7.4.5 ラマンスペクトルの解析 7.4.6 ラマンイメージング 7.5 飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS) 7.5.1 TOF-SIMSの概要 7.5.2 TOFにおけるマススペクトル解析 8 仮説思考による研究開発と問題解決 9 まとめ・質疑 講師紹介 大手分析メーカーにて、表面分析、分光分析を中心に、各種工業材料、半導体の表面、 界面の研究開発支援業務に従事しながら、国内外機関と、有機EL材料、 半導体リソグラフィープロセス、塗料・コーティング、接着剤などの分野共同研究を行った。 その後、大手電機メーカーに引き抜かれ、ハイブリッド材料、ナノ粒子などの開発を行った。 現在は、ジャパン・リサーチ・ラボ代表として、総合技術コンサルティング、人材育成、 調査・企画、講演・執筆などを行っている。 大阪大学 工学部 招聘研究員,大阪産業大学 情報システム学科 非常勤講師,大阪市産業創造館 技術・経営相談員を兼務している。