水分活性,食品の物理的性状変化(糊化・融解 等…),食品のレオロジー
(弾性、粘性 等…),食感評価,「水分」「温度」を制御して品質向上に繋げるノウハウ
について,様々な事例を多数交えながら,実務に役立つよう詳しく解説する特別セミナー!!
- 講師
広島大学 大学院統合生命科学研究科 准教授 , 博士(水産学) 川井 清司 先生 侍史
- 日時
- 会場
- 受講料
- (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講対象 ・食品並びに食品素材,加工,分析メーカーの研究・開発者 ・大学、公的機関などの関連分野の研究者 *いずれも、初~中級レベル 予備知識 特になし 習得知識 1)水分活性 2)食品の物理的性状変化(糊化・融解、老化・再結晶化、 ガラス-ラバー転移、凍結、凍結濃縮ガラス転移、複合体形成) 3)食品のレオロジー(弾性、粘性、粘弾性) 4)食感(テクスチャー)評価 講師の言葉
食品の加工や保存過程において、食品中では様々な変化が複雑に絡み合いながら進行し、 最終的な品質を決定付けています。 そうした変化の進行には「水分」と「温度」とが深く関わっているため、この二つの因子を最適 制御することで、食品の品質を任意に設計することが可能になります。本講義では水分およ び温度が食品の物理的性状変化(糊化・融解、結晶化・老化、ガラス-ラバー転移、など) に及ぼす影響と品質との関係について、基礎から実例に至るまでを包括的に理解することを 目的とします。 前半では身近な市販食品を事例に取り上げ、水分活性(水分含量)および温度制御による 品質設計メカニズム(学術的根拠)と実用的意義について説明します。 後半では実在する食品を対象とした研究事例に基づき、水分および温度制御による食品開発 ・品質設計の高度利用について紹介します。 また、講義の最後には氷点下での食品物性についても説明します。いずれも実在する食品を 対象とした事例を多く取り入れることで、物性という抽象的な話題を、直感的に理解できるよ うに努めたいと思います。
プログラム
1. 水分と温度 1-1 はじめに 1-2 食品と水分 1-3 実例から学ぶ食品の水分活性を制御することの意義 1-4 水分活性を制御するには? 1-5 食品と温度 1-6 実例から学ぶ食品の温度を制御することの意義 1-7 力学(レオロジー)分析と熱分析 2. 低水分-中間水分食品の物性と品質設計 2-1 水分および温度変化に伴う食品のガラス-ラバー転移 2-2 水分移行によるクッキーの食感変化メカニズムとその制御 2-3 水分移行によるフライ衣の食感変化メカニズムとその制御 2-4 ドライフルーツ・ソフトキャンディーの食感設計 3. 中間水分-高水分系食品の物性と品質設計 3-1 水分および温度変化に伴うデンプンの糊化(融解)、老化(再結晶化)、複合体形成 3-2 デンプンゲルおよび米飯の老化と食感制御 3-3 ピザ生地の焼成と食感制御 3-4 クッキー生地の焼成とデンプンの消化性制御 3-5 フルーツピューレの水分とコク味制御 4. 冷凍食品の物性と品質設計 4-1 凍結に伴う食品の物理変化(浸透圧脱水、凍結濃縮、ガラス化) 4-2 氷結晶制御の基礎 4-3 凍結濃縮ガラス転移制御の基礎 4-4 実例から学ぶ冷凍食品の品質設計と展望 講師紹介
2005年 東京水産大学 大学院水産学研究科食品生産学専攻博士後期課程修了 2005年 独立行政法人食品総合研究所 食品工学領域 特別研究員PD 2007年 東京工科大学 バイオイクス学部バイオニクス学科 助教 2008年 広島大学 大学院生物圏科学研究科生物機能開発学専攻 講師 2013年 広島大学 大学院生物圏科学研究科生物機能開発学専攻 准教授 2019年 広島大学 大学院統合生命科学研究科 生生・食品物理工学 准教授 学会活動等 ・一般社団法人日本食品工学会・代議員 ・一般社団法人日本応用糖質科学会・評議員並びに英文誌編集委員 ・日本冷凍空調学会・冷凍誌編集委員食品分科会主査 ・低温生物工学会・総務担当理事並びに副編集委員長 ・日本農芸化学会・正会員