浸炭焼入処理,窒化処理の基礎・特徴・欠点,浸炭・窒化を利用した高機能化技術,
浸炭・窒化による高硬度化と耐熱性・耐食性向上,浸炭・窒化の品質問題と対策について
分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
エア・ウォーターNV株式会社 顧問 工学博士(東京工業大学)冨士川 尚男 先生
元住友金属工業株式会社 専門部長
元アイルランド リムリック大学 客員教授
- 日時
- 会場
- 受講料
- (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講対象 部品開発担当の研究者及び技術者、現場技術者、今後これらの処理の採用に係る技術者、実際に問題を抱えている方、知識として知っておく必要のある技術者の方々 習得知識 1)浸炭焼入れ処理の基礎・特徴・欠点 2)窒化処理の基礎・特徴・欠点 3)浸炭・窒化を利用した高機能化技術 4)浸炭・窒化を用いた高硬度化と耐熱性・耐食性向上の表面改質技術 5)浸炭・窒化の品質問題と対策 講師の言葉 最近の環境及び省エネルギー対策から、エネルギー効率を高めた材料の要望が強くなっており、 そのために、材料本来の持っている特性以上の性能を要求されるようになってきた。 これに応える一つの方法として表面改質があり、その中で、特に摩耗及び疲労などの促成を高める ために表面硬化技術が種々行われている。その中でも代表的な技術が浸炭焼入れ及び窒化処理である。 これらの技術は古くから用いられてきたが、現在でもさらに改良がくわえられ、ますますその必要性 を高めている。 したがって、自動車を始め、種々の分野に用いられる部品の耐摩耗性、疲労強度及び防錆性能の向上を 必要としている技術者がこれらの知識を習得するための助けとなるようなセミナーを行う。 浸炭処理は、鉄鋼材料の表面層の炭素濃度を高めることで、焼入れ硬化する処理であり、耐磨耗性と 靭性を両立できる特長から、自動車部品をはじめ多くの機械部品に古くから利用されています。 また、窒化処理も主に鉄鋼材料の表面から窒素原子を拡散浸透させ、表層に硬度の高い層を形成させ、 素材の耐磨耗性や疲労強度を向上させることができる処理で、これも古くから採用されている処理です。 これらの処理には複数の処理方法があり、それぞれ利点と欠点を有しているので、適用する機械部品の 仕様に応じて最適な処理方法を選択する必要があり、これらの点についても分かりやすく説明します。 また、最近では耐磨耗性、疲労強度あるいは防錆性能などについて、更なる高い性能が要求されるように なってきていることから、両技術の特徴を利用する新たな方法、別の表面硬化技術やPVD,CVDなどの新たな 表面改質技術などと組み合わせることで、さらなる高機能化が行われています。これらの技術についても 分かりやすく説明します。 最後に、これらの処理の際の品質問題と対策についても触れ、また受講生の現状持っている問題点に ついても相談を受け付けて問題の解決の手助けをします。
プログラム
1.表面改質・硬化処理の目的と意義 2.表面硬化の主な特徴 (1)磨耗に及ぼす影響 (2)疲労強度への影響 (3)腐食への影響 3.各種表面硬化処理技術 (1)表面焼入れ (2)ショットピーニング (3)浸炭焼入れ (4)窒化処理 (5)拡散処理(クロマイジング、カロライジング、シリコナイジング、ボロナイジング (6)溶射 (7)めっき (8)PVD, CVDなど 4.浸炭焼入れ処理とは (1)浸炭処理の際の材料側の基礎 (2)浸炭処理の種類と適用鋼種・用途 ①固体浸炭 ②塩浴浸炭 ③ガス浸炭 ④真空浸炭 ⑤プラズマ浸炭 (3)ガス浸炭の際の炉内反応 (4)各浸炭処理法の詳細と特徴 5.窒化処理とは (1)窒化処理の基礎 (2)窒化処理の種類と適用鋼種・用途 ①塩浴軟窒化 ②ガス窒化・軟窒化 ③プラズマ窒化 ④NV窒化 (3)窒化のメカニズム (4)窒化層の特性 6.浸炭焼入れ及び窒化処理の特徴と欠点 7.金型への窒化処理の適用例 8.浸炭・窒化を利用した高機能化技術の応用 (1)浸炭焼入れ+ショットピーニング (2)浸炭焼入れ+高周波焼入れ (3)浸炭窒化焼入れ (4)浸窒焼入れ (5)窒化+PVD/DLC処理 9.浸炭・窒化を用いた高硬度化と耐熱性・耐食性の優れた表面改質技術 (1)低温浸炭・窒化による拡張オーステナイト相(S相)の生成条件と特徴 (2)低温浸炭処理材(PIONITE)の特性 (3)低温窒化処理材(NV300)の特性 (4)窒化+Cr拡散新党処理材(CR-NITE)の特性 10.浸炭焼入れ及び窒化処理の品質問題例 (1)出来栄え品質 (2)品質トラブルとその対応策 11.質疑応答 *別途個別技術相談も受付 講師紹介 1966年、住友金属工業株式会社に入社し、総合研究所及びその後本社にも所属。 主に腐食・防食研究やエネルギ関連の高温材料や自動車用材料などを担当する。 その間、工学博士(東京工業大学)取得。専門部長後、2000年に定年退職。 2000~2002年、Visiting Professor, University of Limerick, Ireland。 2003年より現職に至る。 その間、2005年、Visiting Professor, Changwon National University, Koreaを歴任。