電子・電気部品の温度ストレス・湿度ストレス・物理化学的ストレスによる故障メカニズム,
構造解析(良品解析),加速試験法,機能性評価法,調達部品の信頼性評価のポイントについて実務に役立つよう解説する特別セミナー!!
- 講師
つくばネックス研究所 代表 技術士(経営工学部門) 増田 俊壽 先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- (消費税等込み)1名:48,600円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
受講対象
信頼性設計部門の担当者、品質保証部門の技術スタッフ、調達・購買部門のスタッフ
予備知識
信頼性工学の基礎知識、品質管理・品質保証の基礎知識
習得知識
1)信頼性の歴史
2)部品の故障メカニズムの理解
3)構造解析(良品解析)の必要性
4)故障解析
5)部品の試験規格
6)効率的な加速試験法
7)タグチメソッドによる機能性評価法
講師の言葉
消費者が電子・電気製品を使用するとき最も基本的に要求することは性能だけでなく信頼性と安全性である。
最近は、グローバル化によって電子・電気製品に使われる部品も国際化し、国内製部品はもとより広く海外から
部品を調達することは当たり前の時代になっている。安くて、入手しやすく信頼性があり安全な部品をいかに
短期間に、かつ的確に採用するかは企業にとって極めて重要な課題の一つである。
そこで、本セミナーでは主に電子・電気部品を評価・採用する部門の技術者、担当者を対象として、初めに
電子・電気部品の評価方法について信頼性の歴史を概観し、次いで調達部品を認定評価する際、
どのような考え方で
実施したら良いかを紹介し、適切かつ短期間に信頼性を評価する方法を紹介する。
そして的確かつ短期間に評価する上で必要な信頼性技術として、“部品はなぜ故障するのかの故障メカニズム”を
学び、次いで合理的かつ短期間に評価する方法を紹介し、更に信頼性評価として品質工学(タグチメソッド)の
「機能性評価法」について入門と事例等を含めて紹介し、信頼性評価の短期化について学ぶ。
最後に、どのような点に配慮して調達部品の採用を決定をしたら良いかを紹介し、実務に役立つ合理的な
評価方法を学んで頂くことを目的としている。
プログラム
第1章:はじめに
1-1:信頼性の歴史概観
・信頼性試験に関する用語/部品を中心とした信頼性試験規格の歴史/JIS規格/
MIL規格/IEC規格/加速試験の国際規格(IEC62506-2013)
1-2:調達部品の認定評価の考え方
・調達部品の信頼性評価の変遷/信頼性評価試験の問題点/具体的にはどのように
検討したら良いか
第2章:部品はなぜ故障するのだろうか ~故障メカニズムを知る~
2-1:温度ストレスによる故障
・反応速度論とアレニウスモデル・温度に関する経験則1:Θ℃半原則・温度に関する経験則2:ベキ乗則
(α乗則)・複合ストレスモデル:アイリングモデル・温度ストレスによる故障事例
・故障事例:パープルプレイグ/Fickの拡散の法則/カーケンダル効果/金属間化合物/熱疲労現象
2-2:湿度ストレスによる故障
・湿り空気線図/水蒸気圧/Vapor Pressure Model/金属の腐食現象/カソード反応/アノード反応
・故障事例:アルミ電解腐食現象(カソード反応、アノード反応、粒界腐食、孔食)/局部電池腐食
(ガルバニック腐食)/イオンマイグレーション/CAF
2-3:物理化学的ストレスによる故障
・エレクトロマイグレーション/ストレスマイグレーション/ウイスカ現象/ホットキャリアによる
特性劣化現象
2-4:放射線による故障
・α線による誤動作(ソフトエラー)
2-5:機械的ストレスによる故障
・応力集中による故障・環境応力割れ(ESC)・環境応力腐食割れ(ESCC)・繰り返し応力による疲労破壊
(マイナー則、S-N曲線、一般化マイナー則)
第3章:短期間にかつ的確に評価するには
3-1:構造解析と良品解析
・構造解析の手順・目視検査・初期特性検査
3-2:的確に短期間で信頼性を評価する加速試験法
・限界試験とステップストレス試験
・超加速試験法(THB/HST/HAST)
・超加速複合試験(HALT、HASS、HASA)
3-3:品質工学(タグチメソッド)の機能性評価法による試験法
・機能性評価法の基礎
・機能性評価法による評価事例の紹介
第4章:まとめ
・短期間に調達部品の信頼性を評価する手順
・RACER法による意思決定
・本日のセミナーの復習
・質疑応答(Q&A)
講師紹介
永年にわたり家電メーカーのテレビ研究所や部品事業部門に勤務し、テレビを中心とした家電製品の信頼性・
安全性設計、部品の評価や品質管理に従事した後、1996年に独立し、『つくばネックス研究所』を設立、
技術・経営コンサルタントとして活動している。
また、永年にわたり(財)日本科学技術連盟の信頼性セミナー講師を務めてきた。
更に、ISO9001(品質)やISO14001(環境)の主任審査員として活動するかたわら、ベトナム、中国、韓国など
アジア・アセアン諸国を中心とした海外技術指導や人材育成などにも尽力してきた。
最近では、製造物責任(PL)問題の裁判における工学鑑定なども手掛けている。
技術士(経営工学部門)、日本信頼性学会(REAJ)の元・理事であり現在GLORY会員である。
・主な著作:「デバイス・部品の選び方・使い方」(1994)日科技連出版社
「製品安全ガイドブック」(1997)日刊工業新聞社
「機器・システムの信頼性」(1997) 日刊工業新聞社
「接続の信頼性」(1977)日刊工業新聞社 新・信頼性講座テキスト
・所属学会:日本信頼性学会(REAJ)元・理事、GLORY会員
日本技術士会(IPEJ)
・主な講演:“Reliability of SMD and SMT” 第4回信頼性・保全性国際会議(フランス)
“An accelerated Method” 第5回信頼性・保全性国際会議(フランス)
「電気絶縁システムの評価試験方法 製品安全(PS)を考慮した絶縁システムの設計評価事例」
IEC TC98 日本国内委員会 第30回電気・電子先端材料展と技術セミナー