バイオリアクターの基本、容器・装置・操作設計に関わる知識・ノウハウ、
スケールアップ、細胞培養における注意点について、分かりやすく解説する特別セミナー!
- 講師
大阪工業大学工学部生命工学科
准教授 博士(工学) 長森 英二 先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- (消費税等込み)1名:48,600円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識 高校初級レベルの物理、数学 受講対象者 ・バイオリアクターをこれからの業務で使用する必要がある初心者 ・バイオリアクターを業務で活用していて,理論を更に深く理解したい技術者 ・バイオリアクターの現状と将来像を知り,ビジネスの可能性を探索したい企画職 習得知識 1)バイオリアクターを使用するための基本やノウハウの概要 2)バイオリアクターをより高度に使いこなすために必要な操作設計に関わる知識 3)バイオリアクターや周辺技術の今後の発展の方向性に関する知識 講師の言葉 発酵工程における微生物活用や藻類バイオマス、抗体医薬製造や再生医療用細胞製造など、 細胞培養の産業応用への期待が高まるにつれ、物質収支と速度論に基づいてバイオものづくりを 設計・オーガナイズできる人材の育成は重要性を増している。この技術分野は生物化学工学と 呼ばれ、醸造・発酵技術の発展と共に体系化され、抗生物質やバイオ医薬品の製造などに実践的に 展開されてきた。 本セミナーでは、バイオリアクターの基本から、容器・装置・操作の設計論の基本的事項を解説し、 各種細胞への適用における注意点を述べる。 本セミナーが対象とする技術の範囲は極めて広く、一日で全てをお伝えすることは難しいが、 可能な限り平易にエッセンス・考え方に絞って講義する。ユーザーの立場から、どのように装置を 使いこなすかという操作の基本事項を押さえて頂き、今後より深く生物化学工学を学んで頂く きっかけとしてご活用頂きたい。
プログラム
1.バイオリアクターとは何か(概論)
1-1.バイオリアクターの活躍の場
~醸造、発酵、環境浄化からバイオ医薬品、再生医療まで~
1-2.一般的なバイオリアクターの形状
・通気撹拌型
・気泡塔型
・固定化担体,固定化細胞の活用
・センサー,制御系
1-3.バイオリアクター運転の基本プロセス および操作上の注意点
・滅菌
・培地仕込み
・洗浄方法
・他
1-4.フラスコ培養とバイオリアクターのちがい
1-5.バイオリアクターにおいて大事な操作変数と、各種制御の実装
1-6.バイオリアクターの基本的取り扱い
・バイオリアクターのメンテナンス
・バイオリアクターのコンタミ対策
・起こりがちなトラブルと対処法
・他
2.バイオリアクターに関わる反応の定式化と、操作設計への活用
2-1.一次反応速度式の記述法
2-2.増殖速度論、殺菌速度論
・指数的増殖
・比増殖速度
・比消費速度
・比生産速度
・モノーの式
2-3.回分培養操作
・増殖連動型
・増殖非連動型
・基質/生産物による阻害と解除
2-4.流加培養操作
2-5.連続培養操作
2-6.酸素供給速度論
・酸素移動容量係数
3.スケールアップの方法論、実際
3-1.スケールアップの指標
・撹拌動力
・シェアストレス
・酸素供給速度
3-2.スケールアップの設計式
・無通気培養
・通気撹拌培養
3-3.スケールアップの留意点
4.各種細胞の大量培養における注意点
4-1.微生物培養の実際、注意点
4-2.動物細胞培養の実際、注意点
4-3.iPS細胞培養の実際、注意点
5.将来展望(時間が不足した場合は割愛)
・不均一構造の構築に挑む複雑組織工学
・生体内環境模倣培養による機能的組織の育成
・臓器リアクターの実現に足りないもの
6.質疑応答
講師紹介
2001年3月 名古屋大学大学院工学研究科生物機能工学専攻博士後期課程修了 博士(工学)
2001年4月 生物系特定産業技術研究開発推進機構(BRAIN) 博士研究員
2002年7月 株式会社豊田中央研究所 バイオ研究室 研究員
2011年6月 大阪大学大学院工学研究科生命先端工学専攻生物工学コース 講師
2016年4月 現職
研究分野
植物細胞の大量培養技術,遺伝子組換え酵母の大量培養技術,遺伝子組換え大腸菌の大量培養技術,
ヒトiPS細胞の大量培養技術,培養骨格筋の組織工学,培養骨格筋の機能的培養・機能的アッセイ技術,の開発
所属学会・協会
・日本生物工学会(和文誌編集委員副編集長)
・化学工学会(バイオ部会幹事)
・日本動物細胞工学会
・日本再生医療学会(代議員)
・バイオインダストリー協会