めっきのメカニズム、めっきによる表面改質、品質特性を把握しためっき設計、車載用等の機能部品の品質トラブル、
樹脂・ガラス・セラミックのめっき問題点、発注者側の受け入れ時チェックポイント、めっき品質トラブル対策について
わかりやすく解説する特別セミナー!
- 講師
星野技術士事務所 技術コンサルタント 技術士(金属部門) 星野 芳明 先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- (消費税等込み)1名:48,600円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
受講対象
1)めっき実務に経験のある方 2)めっきを必要とする部品用途設計に関連する方 3)めっきを必要とする部品の品質管理、品質保証を担当する方 4)めっき加工を始めようとする方
習得知識
1)めっきメカニズム 2)品質特性を把握しためっき設計・仕様書 3)車載用を含む機能部品の品質トラブルと不明確なめっき設計仕様 4)樹脂、ガラス、セラミックのめっき問題点 5)発注者側の受け入れ時の品質チェックポイント 6)めっき品質トラブル対策と未然防止策
個別質問コーナー
質問内容については、事前に事務局迄メール送信願います。
特典
「設計者のためのめっき設計仕様書の書き方」星野芳明著 日刊工業新聞社 進呈
講師の言葉
自動車関連部品を中心に、電機・電子機器のもの作りも含め、品質管理マネジメントシステムISO9001(2015年版)のセクター規格として IATF16949がTS16949に替わってスタートし、もの作りにおける不良の未然防止とムダの削減に対する統計的品質管理活動が強化され始めています。 さて、各種材質を用いたあらゆる形状や大きさの成形加工部品には必ず何らかの表面処理(表面改質)が施されています。 このように表面処理はなくてはならない必須の加工技術であり、めっき技術はその一つです。 水溶液を用いた湿式でめっき加工するときは、前処理工程、めっき工程、後処理工程、乾燥工程からなる比較的長い処理工程が必要です。 また、最近のめっき加工技術はJIS規格外のものが多くなり、各工程で各種化学物質を取り扱い、 物理化学的処理や電気化学的処理を組合せて行なう特殊加工技術であることから、 次に示す2つの制御技術をそれぞれレベルアップさせることにより高度化していくものであることを忘れてはなりません。 (1)めっき液と被めっき物界面での電気化学反応の理解とその制御技術 (2)物理的要素(設備、治具など)の必要性把握と工夫およびその制御技術 しかし、現場・現物・現象において、これらをコントロールする難しさがあります。 ここがめっき加工における品質管理の泣き所です。めっき加工品の要求品質の向上に対して最適な加工を継続するためには、 製品設計、部品設計の段階でめっき設計仕様書を正しく記載し、かつ、めっき加工工程の重要管理ポイントを理解し、 さらに維持管理するための水や金属の性質、電気化学の基礎知識などを再認識して実践しなければなりません。 めっき技術はちょっと工夫をするだけで最先端の部品に高機能を付与することができる 非常にポテンシャルの高い技術であり、 グローバル経済の中でめっき加工技術は欠かせません。 しかし、特殊加工技術であるがゆえに油断をすると品質トラブルに遭遇しやすいのです。 従って、このセミナーの内容を修得することは重要です。 また、現場、現物、現象についての基礎知識を身に付け、もの作りにおける工程管理の整備、 FMEA(不良の未然防止)、MFCA(材料や時間のムダコスト解析)の取組みによりQCDのレベルアップ及びサプライチェーンの強化をはかることは重要です。
プログラム
Ⅰ.めっき加工による物作りと顧客要求に対応するめっき品質とは
(1) 表面処理技術の種類とめっきによる表面改質の位置付け (2) 物作りにおける湿式めっき加工技術の役割 (3) 国際競争下での物作りとめっき要求品質の明確化 (4) JIS規格(ISO対応)外のめっき仕様とめっき品質評価
Ⅱ.湿式めっき加工技術による表面改質
(1) めっき加工技術における重要な2つの制御技術 (2) めっき加工技術での陰極、陽極での電気化学反応とその影響 (3) めっき加工技術と耐食性(防せい、防食)への影響 (4) めっき加工技術と各種特性付加への影響
Ⅲ.めっきのメカニズムを5Mを通してきちっと理解する
(1) めっき加工技術の基礎(加工プロセスと5Mの維持管理) (2) 加工部品(Material)の素材、成形加工方法と表面状態の影響 (3) めっき方法(Method)の変動要因とその影響 (4) めっき設備(Machine)の劣化要因(特に付帯設備)とその影響 (5) 加工従事者(Man)の技能レベルと管理能力の影響 (6) 工程管理計測(Measurement)とManの役割
Ⅳ.要求品質の向上と品質特性を把握しためっき設計・技術仕様書の必要性
(1) 車載用含む機能部品の品質トラブルと不明確なめっき設計仕様 (2) 製品設計、部品設計におけるめっき設計仕様書と技術仕様書 (3) めっき加工発注者側における加工品設計とめっき仕様の見直し (4) めっき加工発注者側とめっき加工受注者側のめっき品質認識のずれ
Ⅴ.めっき品質トラブル・・・めっき加工における問題点
(1)めっき品質とは? (2)樹脂上、難素材上(ガラス、セラミックなど)のめっき問題点 (3)めっきの特殊工程管理における問題点 (4)Manの役割(気づき)の重要性
Ⅵ.発注者側のめっき加工品受け入れ時の品質チェックポイント
(1) めっき加工の3大不良モード (2) 受け入れ時の品質検査について (3) めっき加工品の大気保管時の経時変化について (4) めっき品質不良の解析について
Ⅶ.めっき品質トラブル対策と生産管理(未然防止策)について
(1) めっき品質トラブルはなぜ起こるか? (2) めっき品質トラブルを未然防止するための取り組み (3) ひっかけ治具方式による電解めっきの場合の未然防止策 (4) バレルめっき方式による電解めっきの場合の未然防止策 (5) 微小部品を含む無電解めっきの場合の未然防止策
*講義終了後、「個別質問コーナー」(18:30迄を予定)を予定
講師紹介
資格:技術士(金属部門)、環境計量士、労働安全コンサルタント、作業環境測定士、第一種公害防止管理者(水質)、その他資格有り、
所属学会、協会:(社)表面技術協会会員、日本技術士会 所属