課題解決、品質向上、技術向上のセミナーならTH企画セミナーセンター

接着のトラブル防止に必要な

接着不良を未然に防ぎ、接着品質の世界的要求<資格認定>に備えるための
 接着品質改善実践講座 【2日間講座】
1日目≪品質つくり込み技術編≫
2日目≪耐久性・設計最適化編≫

エレクトロニクス化学機械

接着のメカニズム,接着のポイント,トラブル防止策,接着剤の特徴・選び方,接着劣化のメカニズム,
  接着耐久性試験,寿命予測法,安全率の定量化法,信頼性とコスト両立の複合接着接合法,
   信頼性・耐久性・寿命・安全率に関するトラブル事例について解説する特別セミナー!!

講師

(株)原賀接着技術コンサルタント 
  専務取締役 首席コンサルタント 工学博士 原賀 康介先生
   三菱電機(株)研究所にて入社以来接着接合技術の研究・開発に従事,主席技師長等を経て2012年退職,独立。
   46年間にわたって機器組立に接着剤を活用し高信頼性接着技術を構築してきた接着の耐久・信頼性の第一人者

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

Googlemapでの表示はこちら

受講料
1名:74,520円 同時複数人数申込みの場合 1名:66,960円

 ★1日のみ受講の場合:受講料(消費税等込)1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト

受講概要

※本講座は、2日間受講を原則としますが、1日目のみ、2日目のみの受講も可能です。
 1日目のみ、2日目のみの受講申込みの方はお申し込みページの備考欄にご記載願います。

受講対象

<1日目>
 業務上接着の知識が必要で、基礎固め・知識の再確認、知識の深掘り、業務上の課題解決・最適化のポイント・
 ノウハウなどを習得したい技術者
<2日目>
 業務上接着の知識が必要で、基礎固め・知識の再確認、知識の深掘り、業務上の課題解決・最適化のポイント・
 ノウハウなどを習得したい技術者

習得知識

<1日目>
 1)信頼性の基礎知識
 2)高信頼性・高品質接着の目標値と考え方
 3)接着のメカニズムと接着特性・信頼性の向上策
 4)内部応力の発生メカニズムと影響因子、低減法 
 5)接着の設計・施工におけるポイント、トラブル防止策
 6)接着剤の種類と特徴、使用上の注意点、選び方
<2日目>
 1)劣化のメカニズムと耐久性評価試験のポイント
 2)長期耐久性の寿命予測法
 3)高信頼性・高品質接着の設計基準(設計法) 
 4)耐用年数経過後の安全率の定量化法
 5)接合の特性・信頼性の向上とコスト低減を両立する複合接着接合法
 6)信頼性、耐久性、寿命、安全率に関係するトラブル事例

個別質問

 1日目17:30以降に質問会実施します

講師の言葉

 今、接着による組立は、構造物組立、精密部品組立をはじめとして、多くの産業分野で適用が拡大している。
 しかし、適用拡大に伴い、接着の不具合も増加している。このため、接着接合の高信頼性化、高品質化が世界的レベルで
要求されている。
 ドイツでは、鉄道車両における接着を対象として、DIN6701-2が施工されており、接着技術者および接着作業者の資格認定制度が
義務付けられている。鉄道車両以外の機器についても、DIN2304で同様の資格認定が制定されている。これらの資格認定においては、
EWF(欧州溶接連盟)が制定したカリキュラムに沿った接着教育が基本となっている。国際的には、ISO9002の接着版とも言える
ISO21368の改訂作業が進行中である。この改訂の骨子は、上記の資格認定制度の導入である。本講座は、このような国際的な
資格認定の導入に備えるために、接着の信頼性、品質に関する知識と技術の習得・レベルアップを図るものである。
 本講座の内容は、EWFのカリキュラムの主要点を網羅している。

プログラム

【1日目概要】
 高信頼性・高品質接着の作り込みの目標値と接着の原理に基づく目標値の達成法、及び、接着剤の選定、設計・施工上の
 ポイントと注意点から接着の機能・性能に大きな影響を及ぼす内部応力までを解説。
 ~接着剤を用いる立場で46年間にわたって講師が自ら取得した豊富なデーターと経験、ノウハウで、接着不良を出さない
 高信頼性・高品質接着の達成法を具体的・実践的にわかりやすく解説します~
 書籍:「高信頼性接着の実務-事例と信頼性の考え方-」を配布(講師著 日刊工業新聞社刊)
1.高信頼性・高品質接着の作り込みの必須条件と目標値
  (1)高信頼性・高品質接着とは
  (2)開発段階での作り込みの目標値
  ①凝集破壊率をどのくらいにすべきか
  ②ばらつき(変動係数)をどの程度に抑えるべきか
  ③接着強度を破断強度で考えず内部破壊で考える
  ④接着強度の分布の最適な形は何か
2.接着のメカニズムと目標値達成のための方法
  (1)接着の過程
  (2)接着のメカニズム
   ①分子間力
   ②必要な分子間の距離をどう確保するか
  (3)分子間力を左右する表面張力
   ①各種材料の接着のし易さと表面張力
   ②必要な表面張力はどのくらいか、測定法は
  (4)表面張力を高くする表面改質
   ①目的
   ②表面改質法
   ③改質メカニズム
   ④改質事例
   ⑤改質時の湿度の影響
   ⑥改質後の接着可能時間
  (5)プライマー、カップリング剤処理の効果と注意点
  (6)表面粗面化の効果とマイナス効果
  (7)接着の脆弱箇所(アキレス腱)はどこか
3.接着の機能・特性を損なう「内部応力」の発生メカニズムと影響諸因子、低減法  
  (1)内部応力で生じる不具合
  (2)内部応力の種類
   ①硬化収縮応力(接着剤の硬化時に発生)
   ②熱収縮応力(加熱硬化後の冷却時に発生)
   ③熱応力(使用中の温度変化により発生)
   ④吸水膨潤応力
    1)接着剤の吸水膨潤応力
    2)被着材の吸水膨潤応力
   ⑤被着材の変形による応力
    1)被着材料内部の温度むらによる変形応力
    2)接着時の加圧によるスプリングバック力
  (3)接着剤の粘弾性特性と応力緩和
  (4)異種材接着における内部応力による不具合
   ①各種の変形のモード
   ②勘合接着における不具合
  (5)内部応力に影響するその他の因子
   ①接着部の構造
   ②接着剤の塗布量、塗布位置
   ③接着剤の物性、部品の厚さ(剛性)
   ④接着剤の短時間硬化、後硬化
  (6)内部応力の評価法
  (7)接着層の内部応力の低減策
4.接着剤の選定、最適な設計・施工に必要なポイントとトラブル防止策
  (1)接着剤の硬さ、伸びと各種強度の関係
  (2)カタログを見る時の注意点
  (3)接着層の厚さと各種強度の関係
  (4)被着材の強度と接着破断強度の関係
  (5)最適な加圧力とやってはいけない加圧の注意点
  (6)空気を巻き込まない接着剤の塗布方法
  (7)接着剤のはみ出し量と接着強度の関係
  (8)接着剤のはみ出しの影響
  (9)精密位置合せ部品の隅肉接着での注意点
  (10)亜鉛めっき鋼板の接着での注意点
  (11)接着剤の塗布・硬化の確認方法
5.接着剤の種類と特徴・注意点、選定方法
  (1)接着剤の分類法
  (2)構造用接着剤の種類と長所・欠点
  ①エポキシ系接着剤 ②ウレタン系接着剤
   ③アクリル系接着剤(SGA)
  (3)エンジニアリング接着剤の種類と長所・欠点
   ①嫌気性接着剤   ②光硬化型接着剤
   ③瞬間接着剤
  (4)柔軟性接着剤の種類と長所・欠点
   ①シリコーン系接着剤 ②変成シリコーン系接着剤
   ③両面テープ
  (5)表面処理が容易(不要)な接着剤
   ①油面接着性接着剤 ②難接着材料用接着剤
  (6)接着剤の選び方
  ①欠点からの消去法による選定方法
  ②作業・管理のポイントからの絞り込み
6.名刺交換、個別質問
個別に相談事項があれば、17:20以降に質問会を実施いたします。

【2日目概要】
 劣化不良をなくすための接着耐久性の評価のポイントと寿命予測法、必要強度とばらつきの許容限度を簡易に見積る方法、
 最適設計のための耐用年数経過後の安全率の尤度の定量化法、接着部の信頼性向上とコストダウンを両立する複合接着接合法、
 トラブル事例とトラブル品の発生不良率の見積り方などを解説。
 ~接着剤を用いる立場で46年間にわたって講師が自ら取得した豊富なデーターと経験、ノウハウで、接着不良を出さない
 高信頼性・高品質接着の達成法を具体的・実践的にわかりやすく解説します~
 書籍:「高信頼性を引き出す接着設計技術-基礎から耐久性、寿命、安全率評価まで-」を配布(講師著 日刊工業新聞社刊)

1.接着劣化のメカニズムと評価のポイント
  (1)接着接合部における劣化箇所
  (2)代表的劣化要因
  (3)接着劣化のメカニズム
  ①熱劣化における3つの劣化モード
  ②ヒートサイクル、ヒートショック劣化の要因
  ③水分劣化における4つの劣化モード
  ④継続荷重によるクリープ劣化、粘弾性特性
  (4)耐久性評価における注意点(試験片と製品での差異)
   ①水分劣化における接着部の形状・寸法の影響
    1)S/Lパラメーターの影響
    2)Fickの拡散の法則と接着部の水分濃度の変化
    3)細長い接着部の幅と劣化速度の関係(幅の比の二乗則)
    4)水分濃度と接着強度の関係
   ②吸水後の乾燥による接着強度の回復性
    1)劣化モードによる致命的損傷と非致命的損傷
    2)致命的損傷だけの評価方法
  ③応力と水分による複合劣化
  (5)耐久性評価試験の種類と加速試験条件の決め方
2.接着耐久性の長期寿命予測法
  (1)寿命予測を行う時の鉄則
  (2)長期熱劣化の予測法
  ①アレニウス法による予測法
  ②ガラス転移温度と予測結果の尤度の関係
  (3)長期水分劣化の予測法
 ①アレニウス法による予測法と結果の尤度
 ②Fickの拡散の法則を用いた水分濃度分布からの推定法
  (4)長期屋外暴露劣化の予測法
  ①アレニウス法と乾燥可逆性からの推定法、実験値との比較
  (5)クリープ耐久性の予測法
  ①応力負荷の簡易治具
  ②温度/時間換算による推定法
  ③Larson-Millerのマスターカーブ法による推定法
  (6)疲労耐久性の予測法
3.必要継手強度とばらつきの管理値を簡易に見積もる『原賀式Cv接着設計法』                 
  (1)原賀式 『Cv接着設計法』 とは
  (2)原賀式 『Cv接着設計法』 の構成要素と考え方
   ①接着部に加わる最大負荷力と発生不良率
   ②設計段階で設定される許容不良率
   ③工程能力指数と信頼性指数
   ④ばらつきの指標、変動係数とばらつき係数
   ⑤信頼性指数、許容不良率、変動係数、ばらつき係数の関係
   ⑥破断強度は設計には使えない。内部破壊係数を考慮する。
    1)一時的な静荷重のみが負荷されるの場合
    2)高サイクル疲労負荷の場合
    3)ヒートサイクル負荷の場合
   ⑦劣化による強度低下とばらつきの増加
   ⑧安全率
  (3)原賀式 『Cv接着設計法 』における設計式
  ①継手の破断強度は、接着部の最大負荷力の何倍あれば良いかを求める設計式
   ②初期の変動係数はどのくらいに作り込む必要があるかを求める設計式
  (4)原賀式『Cv接着設計法』による見積りの計算例
4.最適設計のための『耐用年数経過後の安全率の尤度の定量化法』
 (1)この評価法の適用の目的と前提条件
 (2)接着強度の経年変化の概念と実効接着強度、最大負荷力の関係
 (3)耐用年数経過後の安全率の尤度の算出法
  ①評価のプロセス
  ②クリープや疲労などの応力劣化を伴う場合の算出式
  ③一時的な静荷重だけが負荷される場合の算出式
  ④複合劣化係数の求め方
  ⑤耐用年数経過後のばらつき係数の求め方
 (4)耐用年数経過後の安全率の尤度の算出事例
  ①接着部の要求条件と評価条件への落とし込み
  ②加速劣化試験条件の最適化の例
  1)ヒートサイクル
  2)熱劣化
 (5)安全率の尤度の再配分の例
 ①信頼度の向上(許容不良率の低減)
 ②作業性の改善
5.接着の特性・信頼性の向上とコストダウンを両立させる『複合接着接合法 』
 (1)複合接着接合法とは
 (2)代表的な複合接着接合法
  ①ウェルドボンディング
  ②リベットボンディング
  ③メカニカルクリンチングとの併用
  ④セルフピアスリベットとの併用
  ⑤その他
 (3)接着剤と他の接合法の役割の分担
 (4)複合接着接合法の諸特性
  ①静的せん断強度
  ②接着強度のばらつきの低減
  ③薄板での剥離強度の改善
  ④破断に対する冗長性(破壊エネルギー)の向上
  ⑤高温における接着強度の向上
  ⑥疲労耐久性の向上
  ⑦クリープ耐久性の向上
  ⑧応力負荷状態での接着部の耐水性の向上
  ⑨接着作業性の向上、コストダウン
6.信頼性、耐久性、寿命、安全率に関係するトラブル事例
 (1)ばらつきを考慮せずに平均値で設計した
 (2)トラブル品での発生不良率の見積り
 (3)水分の乾燥による接着強度の回復を考慮しなかった
 (4)クリープが加わっている状態に気がつかなかった 
 (5)その他
7.名刺交換

講師紹介

(株)原賀接着技術コンサルタント 専務取締役 首席コンサルタント 工学博士 原賀康介
略歴:三菱電機(株)研究所にて入社以来接着接合技術の研究・開発に従事,主管技師長、技術顧問等を経て2012年退職,独立。
 46年間にわたって各種の機器組立に接着剤を活用し高信頼性接着技術を構築してきた接着の耐久性・信頼性の第一人者
現在の委員等:・接着適用技術者養成講座 講座長(日本接着学会 構造接着研究会)
       ・接着技術者スキルアップ講座 講座長(日本接着学会 構造接着研究会)
       ・日本接着学会 構造接着研究会 会長補佐
著書:
・「わかる!使える!接着入門<基礎知識><段取り><実作業>」
・「高信頼性接着の実務-事例と信頼性の考え方-」
・「高信頼性を引き出す接着設計技術-基礎から耐久性、寿命、安全率評価まで-」
・「自動車軽量化のための接着接合入門」(いずれも日刊工業新聞社刊)
・その他、共著書籍多数