金属と水素の物理化学相互作用の基礎,金属材料中の水素分析方法,水素脆化評価方法,遅れ破壊・水素脆化のメカニズム,
水素脆化抑制手法の指針,最新の研究動向について解説する特別セミナー!!
- 講師
上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教授 博士(工学) 高井 健一 先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- (消費税等込み)1名:48,600円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
受講対象
初めて水素脆化を学ぶ初学者から、実際に業務でお困りの方まで
予備知識
特になし
習得知識
1)金属と水素の物理化学的性質の基礎 2)水素分析手法の種類と用い方 3)遅れ破壊・水素脆化のメカニズム 4)水素脆化を抑制するための考え方、方法
講師の言葉
水素脆化とは水素と応力により材料が脆くなる現象であり、近年、水素脆化に対する知見が強く求められています。 例えば、環境問題を背景に、輸送 機器の軽量化のため材料の高強度化が求められていますが、材料を高強度化するほど 水素脆化感受性が高まり、突然の破壊が危惧されます。 また、水素をエネルギーとする燃料電池システムは次世代エネルギーの主役として期待されていますが、燃料電池 自動車のタンクや水素ステーションでは極めて過酷な水素環境で材料が使用される傾向にあり、安全性と信頼性の 確立が急務といえます。 本セミナーでは、金属と水素の物理化学的相互作用の基礎を平易に解説し、金属材料中の水素分析方法の特徴・ 注意点、および水素脆化評価方法について説明します。 また、各種金属材料の水素脆性に関する過去および最新の研究、国際的な動向を理解し、その抑制手法の指針、 そして水素脆化全般の基礎知識習得を目指します。
プログラム
1.金属と水素の物理化学的性質の基礎事項 1.1 金属(bcc,fcc,hcp)中の水素の固溶 1.2 金属表面での水素の吸着、侵入過程 1.3 金属中の水素拡散 1.4 金属中の水素トラップサイト 2.水素分析方法の特徴・注意点 2.1 昇温脱離法 2.2 水素可視化方法 3.水素脆化メカニズム 3.1 水素脆性とは 3.2 水素脆性の特徴 3.3 内圧説 3.4 格子脆化説 3.5 局部変形助長説 3.6 空孔凝集説 4.金属中の水素存在状態と脆化メカニズム解明へ向けた最近の研究 4.1 bcc金属(鉄鋼材料等)の水素存在状態と水素脆化 4.2 fcc金属(ステンレス鋼等)の水素存在状態と水素脆化 5.水素脆化メカニズムに立脚した水素脆化抑制指針
講師紹介
1990年 早稲田大学大学院理工学研究科材料工学専攻修了 1990~1999年 日本電信電話株式会社 1996年 早稲田大学 博士(工学) 1999年 上智大学理工学部機械工学科講師 2002年 上智大学理工学部機械工学科助教授 2009年 上智大学理工学部機能創造理工学科教授 現在に至る 所属学会:日本鉄鋼協会、日本金属学会、日本機械学会、腐食防食学会 2005~2007年 日本鉄鋼協会「材料中の水素状態分析法標準化の基盤構築フォーラム」主査 2007~2009年 日本鉄鋼協会「水素脆化研究の基盤構築フォーラム」主査 2009~2013年 日本鉄鋼協会「水素脆化研究の基盤構築研究会」座長 2015~2018年 日本鉄鋼協会「水素脆化の基本要因研究会」座長