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バイオ医薬品の物理化学分析を理解し、CMC業務に役立てるための

バイオ医薬品の品質試験・物理化学分析

医薬

バイオ医薬品の品質試験,物理化学分析の基礎と応用,タンパク質の安定性,凝集メカニズム,分散性評価,
 添加剤による凝集低減,保存方法,レギュレトリーサイエンスの観点からの動向についてわかりやすく解説する特別セミナー!!

講師

大阪大学 大学院工学研究科 生命先端工学専攻 高分子バイオテクノロジー領域
 
              教授 博士(薬学) 内山 進 先生

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト

受講概要

受講対象

 ・バイオ医薬品(バイオシミラーも含める)の研究開発を行う製薬企業
 ・注射器などバイオ医薬品に関するデバイスの研究開発を行うデバイスメーカー
 ・バイオ医薬品中の微粒子を計測可能な装置を開発している装置メーカー
 ・初級から中級

予備知識

 一般的な大学の教科書レベルの物理化学および生化学の基礎知識

習得知識

 1)バイオ医薬品の物理化学分析の基礎と応用
 2)バイオ医薬品の凝集体分析の方法
 3)バイオ医薬品の品質管理のポイント
 4)バイオ医薬品の保存方法・凝集を防ぐ方法

講師の言葉

 抗体医薬などのバイオ医薬は製造および保管時に様々なストレスを受け、状態が変化する。
 状態変化は品質の低下へとつながるばかりでなく、免疫原性の原因ともなり得るので、バイオ医薬の状態の適切な
管理と安定化が求められている。
 一方で、バイオ医薬品の主要成分である蛋白質は高分子であり、高次構造を形成すること、さらに多くの場合、細胞を
用いて製造を行うことから完全に同一のものを作製することが難しいため、蛋白質医薬に適したアプローチで品質管理、
物理化学分析を行う必要がある。
 本セミナーでは、液剤のバイオ医薬品を中心に、蛋白質の基礎知識から医薬品開発や申請の際に必要となる品質試験・
物理化学分析に関する講演を行う。バイオ医薬品に適した保存形態についても説明を行う。
 また、適宜レギュレトリーサイエンスの観点からの動向についても紹介することで、製薬におけるCMC業務を遂行する際に
必要となる基礎知識の習得を目標とした内容とする。

プログラム

1.バイオ医薬の物理化学分析に関する基礎知識
 1−1.タンパク質、抗体の取扱に必要な基礎的知識
 1−1−1.一次構造、二次構造、三次構造、高次構造
 1−1−2.濃度決定
 1−1−3.化学構造変化
 1−1−4.変性
2.バイオ医薬品と凝集体
 2−1.バイオ医薬品に含まれる凝集体研究の現状、免疫原性との関係
 2−2.凝集体の分類
 2−2−1.解離会合
 2−2−2.物理ストレスとの関係
 2−2−3.サイズによる分類、SVP
 2−2−4.特性解析と規格との関係
 2−3.粒子サイズに応じた分析法 0.2μm以下
 2−3−1.サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)
 2−3−2.超遠心沈降速度法(SV-AUC)
 2−3−3.フィールドフローフラクショネーション(FFF)
 2−3−4.動的光散乱法(DLS)
 2−4.粒子サイズに応じた分析法 0.2〜2μm
 2−4−1.濁度(光透過度)測定
 2−4−2.共振質量測定法(RMM)
 2−4−3.粒子トラッキング法(NTA)
 2−4−4.定量的レーザー回折法(qLD)
 2−5.粒子サイズに応じた分析法 2μm以上
 2−5−1.フローイメージング(FI)
 2−5−2.光遮蔽法(LO)
 2−5−3.その他の方法
 2−6.バイオ医薬品における凝集体関連情報
 2−6−1. 2014年8月発表”Guidance for Industry” につい
 2−6−2. USP787について
 2−6−3. 日本薬局方での取扱について
3.タンパク質の安定性、凝集メカニズム、分散性評価方法
 3−1.タンパク質の安定性
 3−1−1.コロイド安定性と構造安定性
 3−1−2.コロイド安定性とDLVO理論
 3−1−3.構造安定性と自由エネルギー変化
 3−2.タンパク質の凝集メカニズム
 3−3.第2ビリアル係数、拡散係数の濃度依存性
4.タンパク質の安定性と溶媒組成、添加剤による凝集低減
 4−1.タンパク質の安定性と塩
 4−1−1.ホフマイスター系列
 4−1−2.塩とタンパク質の相互作用
 4−1−3.塩によるタンパク質の安定化・不安定化
 4−2.タンパク質の安定性と糖類
 4−2−1.選択的溶媒和
 4−2−2.糖によるタンパク質の安定化
 4−2−3.糖を添加する場合の注意点
 4−3.タンパク質の安定性と界面活性剤
 4−3−1.界面活性剤とタンパク質の相互作用
 4−3−2.界面活性剤によるタンパク質の安定化
 4−3−3.界面活性剤を添加する場合の注意点
 4−4.タンパク質の安定性とその他の添加剤
 4−4−1.アミノ酸
 4−4−2.アルコール
5.タンパク質医薬の保管容器
 5−1.タンパク質容器における注意点
 5−2.具体的な容器
 5−2−1.バイアル
 5−2−2.プレフィルドシリンジ
 5−2−3.容器と凝集の関係

講師紹介

1994年名古屋大理学部卒
1996年大阪大学理学研究科修士(蛋白質研究所)修了
1999年同薬学研究科博士修了
1999年〜2001年(株)RRF研究所博士研究員
2001年〜大阪大学工学研究科助手
2012年〜2017年 同 准教授
2017年〜 同 教授

<兼任>
2005年英国ケンブリッジ大学化学教室客員研究員
2008年(株)ユー・メディコ設立 最高科学責任者
2014年〜2017年 岡崎統合バイオサイエンスセンター客員准教授
2015年〜2017年 華南理工大学 兼任教授
2016年〜広東工業大学 特聘教授
2018年〜自然科学研究機構生命創成探究センター 客員教授

《活動等》
Journal of Pharmaceutical Sciences, Editorial Advisory Board
Journal of Bioscience and Bioengineering, Editorial Board
Journal of Biochemistry, Editorial Advisory Board
日本蛋白質科学会執行役員、熱測定学会委員

<受賞>
2008年蛋白質科学会奨励賞
2008年染色体学会賞