原薬,中間体の調達にあたっての事前チェック,査察,委託後の対応,原薬工場の選び方についての問題点,注意項目,反省点を
経験をもとに開発段階~商用生産の各段階に応じた内外の事例を交えて解説する特別セミナー!!
- 講師
株式会社三和ケミファ 医薬品事業部統括本部長 薬剤師・薬学博士 丸橋 和夫 先生
2017年8月より東京大学大学院薬学系研究科薬学部研究員兼務
和光純薬工業(株),大鵬薬品工業(株),三菱商事(株),(株)エースジャパンを経て現職
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
受講対象
製薬会社、化学会社、原薬(プロセス、QC、製造)、品質保証、調達部門、実務担当者~管理職、実験担当者
予備知識
有機化学、プロセス化学、GMPの予備知識があれば理解しやすいと思います。
習得知識
1)医薬品原薬のプロセス開発~調達までの流れ 2)原薬、中間体の調達に当たっての必要な事項、ポイント 3)外部委託先の選定のポイント、注意点 4)外部委託先の査察の考え方、ポイント 5)技術移転、委託製造に関する法規制・問題点 6)原薬調達(前臨床、治験用、商用原薬、中間体の調達)で経験した問題点、注意点、反省点、教訓等・・・日本国内、海外の事例から
講師の言葉
医薬品開発(前臨床試験~申請、商用生産)ではどの段階でもタイムリーな原薬調達が重要なポイントとなる。 原薬の種類、技術内容、原料、中間体入手のし易さ、開発の進め方等により外部委託のケースが頻繁に発生する。 場合によっては海外の会社に委託せざるを得ないこともある。原薬、中間体を外部から入手する場合、 自社技術を技術移転して相手先で製造、あるいは既製品を入手するなど様々なケースがある。外部から入手する場合、 国内外に関係なく、製造管理、品質管理、品質保証など自社と同等レベルで管理できることが前提で、更に 開発スケジュールに合わせて遅滞なく原薬を確保する必要がある。調達先を決める際は、事前のGMP査察を 含めた調査、評価は重要な位置付けとなる。評価を誤れば、その後の開発スピードに影響のでる場合もある。 外部委託には、例えば治験用原薬(中間体)の製造委託、商用原薬(中間体)の製造委託、他社からの プロジェクト導入に伴う新たな委託先の発生、原料、中間体の製造委託等様々なケースがある。経験からであるが、 必要な設備、原料、中間体が日本国内で準備できず、調達部門と一緒に海外へ調査に出向くことも多々あり、 海外の会社に委託することで開発のスピードアップにつながったケースもある。 また、委託先の選定を誤ると委託後余分な作業が発生し、予想外に時間がかかるケースもあり、委託候補先の 事前チェックは重要な部分である。本講座では原薬、中間体の調達を目的とした外部委託を中心に、委託前の 事前チェック、それに伴う査察の基本的な考え方、委託後の対応等一連の業務とそこで経験した問題点、注意項目、 反省点等を実際の経験を元に開発段階~商用生産の各ステージに分類して説明し、原薬工場の選び方について説明する。
プログラム
1.医薬品開発の進め方と原料、中間体、原薬の調達 1.1 医薬品原薬の開発の考え方 ・・・コスト、スピード(時間)、スケジュール通りの原料、中間体、原薬の調達、 1.2 技術移転の考え方、注意点 1.3 GMP査察の考え方、進め方 1.4 原薬、中間体調達の一例(国内の委託先で技術問題が発生、プロセスに合った スイスのメーカーに技術移転) 2.委託製造に関する法規制・問題点 2.1 医薬品の製造販売・製造(輸入)について 2.2 製造業者等との取決め 2.3 外部の試験検査機関 2.4 運用上の注意事項 2.5 その他 3.技術移転・製造アウトソーシング先の評価、注意点 3.1 移転先の選定、事前チェック 3.2 製造委託先選定段階での査察 3.3 技術移転のプロセス 3.4 よく問題となる事項、トラブルの例・・・不純物、結晶多形、その他 3.5 自社技術のチェック 3.6 プラントツアー・ラボツアーのチェックポイント 3.7 書類調査でのチェックポイント 3.8 委託後のフォローアップ 3.9 海外製造業者との取引の際の留意点 3.10 その他 4.委託先の事前調査と評価、調達(経験から) 4.1 開発段階(臨床試験開始前) ・治験用原薬(米国の大学との共同開発)のプロセス開発と製造委託、治験薬GMP査察(国内メーカー)・・・原薬、中間体の委託先調査~原薬調達 ・治験用原薬(米国のベンチャーとの共同開発)のプロセス開発と製造委託、GMP査察(オランダのメーカー)・・・原薬メーカーの調査、GMP査察~原薬調達 ・治験用原薬(自社開発品)のプロセス開発と製造委託、治験薬GMP査察(国内メーカー)・・・問題点、注意点(原薬製造後の監査でわかった逸脱)、その他 4.2 開発段階(臨床試験進行中) ・原薬製造場所の変更(国内メーカー → スペインのメーカー) ・導入プロジェクト(米国ベンチャーとの共同開発:ドイツのメーカーからの原薬調達)、導入元の吸収・合併に伴う原薬製造場所の変更。 ・原薬製造場所の変更(自社製造 → 国内メーカー) ・原薬製造場所の変更(オランダのメーカー → 台湾のメーカー) ・製造プロセスの説明不足に伴う技術資料の再現性の問題。 ・技術移転に伴う結晶多形に関わる問題点 ・製造プロセスの部品の材質による異物混入・・監査ではわからない部分。 4.3 大手製薬会社(米国)への導出に伴う新たな外部委託先の調査、原薬、中間体の調達・・・セカンドソースの調査、選定と導出先(米国)のcGMP査察 4.4 導入品の国内で臨床試験~商用・・・治験薬の調達と原薬メーカーのGMP査察 ・・・D.D(デューディリジェンス)~海外の工場の査察~調達まで 4.5 商用段階での原薬・中間体、原料の調達 ・メーカーの変更・追加 ・原薬メーカーの評価、MF登録前の原薬メーカー(中国)のGMP査察 ・原料メーカーの査察 ・その他 4.6 その他 ・分析業務の委託 ・結晶多形のスクリーニングの委託、その後のQA査察 5.質疑応答
講師紹介
略 歴 1979.3 岐阜薬科大学大学院博士後期課程中退 1979.4 和光純薬工業株式会社入社、東京研究所主席研究員を経て、 1991.10 大鵬薬品工業株式会社入社、工業化技術研究所所長、合成技術研所所長を経て、 2007.7 三菱商事株式会社入社、先端化学品本部技術顧問(兼)常熟力菱精 化工有限公司(中国、常熟市)研開部本部長を経て、 2008.7 株式会社エースジャパン入社、常務取締役山形工場長を経て、 2015.4 株式会社三和ケミファ入社、現在に至る。 (2017.8~東京大学大学院薬学系研究科 薬学部研究員も兼務) 著作、 分担執筆 1)高純度化技術体系 第3巻 高純度物質製造プロセス 生理活性有機化合物の分離精製・高純度化 “医薬品原薬の精製技術” フジテクノシステム(1997年発刊) 2)原薬輸入・海外調達における課題/薬事規制への対応 第6章 海外製造業者との取り引きの際における留意点 株式会社情報機構(2010年8月発刊) 3)3極要求を反映したGMP-SOP全集 第2章3極査察を見据えた原薬・製剤プロセスバリデーションの実施と手順書作成 第1節原薬のプロセスバリデーション実施とその手順書 サイエンス&テクノロジー(2011年6月発刊) 4)3極要求相違を踏まえたCMC申請資料作成と当局対応ノウハウ IND申請におけるCMCパートでの記載要求事項 第6章 IND申請における原薬欄記載の留意点 サイエンス&テクノロジー(2012年2月発刊) 5)GMP・バリデーション 実務バイブル 第1部 プロセスバリデーションの具体的実施方法と文書作成の留意点 株式会社技術情報協会(2012年6月発刊) 6)中国製造所 への医薬品製造委託・監査・バリデーション実施及び海外からの輸入・調達時のポイント 第4章 生産移管、製造アウトソーシングの留意点 株式会社情報機構(2012年11月発刊) 7)GDP徹底理解 第7章 GDP査察への対応 規制当局の査察動向および事例等 株式会社情報機構(2014年発刊) 8)月刊ファームステージ ICHQ11(原薬開発)の業務への落とし込みと運用 ICHQ11が求める原薬製造のプロセスバリデーション 株式会社技術情報協会(2015年7月発刊) 9)月刊ファームステージ 特集1『原薬・製剤・資材の保管と管理』原料・資材等の適切な管理方法 株式会社技術情報協会(2016年11月発刊) 10) 治験薬の品質管理の基礎と実務 第13章 治験原薬製造における留意点情報機構(2016年12月発刊) 11) GMPeple GDPのガイドラインから(日本、WHO、EU、PIC/S、US) 情報機構 (2017年2月刊) 12)「次世代医薬品工場のGMP適合と設備保全」第6章 第3節 リスクベースドアプローチに 基づいたプロセスバリデーション 株式会社技術情報協会(2017年3月発刊) 13) 月刊ファームステージ バリデーションのライフサイクルアプローチ 原薬のプロセス バリデーションにおけるライフサイクルアプローチ 株式会社技術情報協会(2017年10月発刊) 14) 第十七改正日本薬局方対応 医薬品規格および試験方法 ~製剤/原薬・中間体/バイオ ・抗体医薬品/ ~原薬・原薬中間体における規格試験の基礎と規格設定の考え方について(情報機構 2018年3月発刊予定) 15)「スケールアップ・ダウン検討/失敗例/解決(対処)法の45の事例」 (サイエンス&テクノロジー 2018年5月発刊予定) 執筆協力 1)医学・薬学・化学領域の独英和活用大辞典 -日・独・英三か国語対照- 岐阜薬科大学教授 河辺 実 編著 (廣川書店より1984年刊) 所属学会・協会および役職・活動状況: 米国化学会会員、東京大学大学院薬学系研究科 薬学部研究員 約39年医薬品原薬、中間体のプロセス開発と商用生産、調達に関する業務を担当。 この間、治験薬品質管理者(原薬:15年)、医薬品製造管理者(5年)の品質保証業務も担当し、国内外の委託先への監査、 USFDA、TGA等の当局、国内外の顧客からの監査も経験。