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疲労破壊防止のための

機械製品・部品における金属疲労メカニズムと強度向上技術

機械

金属疲労のメカニズム,疲労強度,疲労強度向上技術について経験や実例を交えて実際に役立つように解説する特別セミナー!!

講師

(株)ワールドテック 講師 工学博士 宮本 泰介 先生
  トヨタ自動車にて材料開発,鉄鋼部品の高強度軽量化技術開発などに従事の後,退職,現在に至る

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト

受講概要

予備知識

 基礎知識から講義しますが,金属材料や強度に関して簡単な予備知識や経験があるとより理解し易いと思います。

習得知識

 ・鉄鋼材料を中心に材料の基礎知識から疲労強度および疲労強度の向上方法につき修得できる。
 ・今後の水素社会構築に向けて関心が高まっていると同時に,材料強度への影響が知られていながらも,
  その挙動が不明な材料中の微量水素の影響について最新知識が得られる.

講師の言葉

 機械部品のみならず、橋梁などの構築物における金属疲労についてはマスコミでも取り上げられ既に周知されているところです。
 その原因の多くが設計段階でのミスとされています(次に過負荷,環境の順)。安全を見過ぎた設計をすれば
製品として成立しないか、または競争力を失うことになります。また、き裂を早期発見しようとしても
高額な費用を要するばかりでなく、発見が困難な場合が殆どです。
 なによりも信頼性を確保した上での適切な強度設計が大切なのです。疲労は微小なき裂が少しずつ進展して
破壊に至るミクロな現象のため多くの要因(材料、使用環境など)の影響を受けます。
 このため疲労破壊のメカニズムをある程度理解しておくことが必要です。
 こうしたことから、本セミナーでは、金属材料強度の基礎知識から、疲労のメカニズムおよび疲労強度の
向上方法までの幅広い範囲を実例や講師の経験も交えながらできるだけわかり易く、しかも本質的な
技術ポイントを押さえながら解説し、実際に役立つ知識としていただくことを狙っています。

プログラム

Ⅰ.導入
 1.金属疲労とは
 2. 製品・構造物の破壊形態
 3. 疲労破壊事故事例紹介
 4. 疲労強度が必要な製品例紹介(自動車部品,ねじ,他)
 5.代表的金属の強度とその材質的要因
Ⅱ.結晶構造と強度
 1.金属結合
 2.結晶構造と結晶のすべり面
 3.純金属(完全結晶)の理論せん断応力と実測値との乖離
 4.結晶の欠陥と強度
 ・転位の存在と転位の運動による金属の変形メカニズム
 ・結晶粒界(結晶粒の大きさ)と強度
 5.金属の基本的な強度向上方法(転位を動きにくくする方法)
 ・固溶強化,結晶粒微細化,析出硬化,加工硬化,変態現象の利用
 6.材料強度評価方法および応力
 ・金属組織,硬さ
 ・破面観察(代表的破面,高圧水素中疲労破面など実例紹介)
 ・引張り試験および応力と降伏条件
Ⅲ.疲労強度
 1.疲労試験方法(各種試験機,試験応力表示方法,試験周波数の影響)
 2.疲労強度の表し方と疲労限度(注)「および統計的疲労限度の求め方」を削除
 3. 疲労限度が存在する理由,ギガサイクル疲労
 4.低サイクル疲労と高サイクル疲労について
 5.金属疲労のメカニズム
 6. 疲労強度への形状因子の影響
 ・表面粗さ
 ・応力集中と応力勾配
 ・寸法効果
 ・切欠き係数(疲労限度減少係数)
 7.疲労き裂の停留と疲労限度
 8.疲労限度線図(疲労限度への平均応力の影響)
 9.実働応力の扱い方(応力波形の読み取り方法,マイナー則)
 10.疲労き裂成長の破壊力学的扱い(応力拡大係数,パリスの式など)
Ⅳ.疲労強度向上方法と環境因子の影響
 1.疲労強度に及ぼす材料因子の影響
 ・硬さ(引張り強さ),介在物(√𝑎𝑟𝑒𝑎 法),鋳造材料,溶接部
 2.表面硬化処理による疲労強度向上
 ・浸炭焼入れ,高周波焼入れ,軟窒化,ショットピーニング,表面ロール加工
 ・表面残留応力の影響と測定方法(X線回折)
 3.疲労強度に及ぼす環境因子の影響(鉄系材料)
 ・腐食環境,窒素ガスと水素ガス環境,温度
 4.疲労強度に及ぼす水素の影響(鉄系材料)
 ・鉄系材料への水素侵入量(腐食環境,高圧水素ガス)
 ・高圧水素ガス中での鋼の引張り強度と疲労強度(水素侵入量の影響)
 ・ 塑性変形部への水素の集積(実験結果と事例紹介)

講師紹介

 1974年:早稲田大学大学院理工学研究科金属工学専攻卒業。同年、トヨタ自動車工業(株)(現、トヨタ自動車(株))入社。
 技術、生産技術部門で鉄鋼材料を主とする材料開発や表面処理技術開発に従事。鉄鋼メーカと共同での新規鉄鋼材料開発導入や、
 鉄鋼部品の高強度軽量化技術開発などを進めた。
 1999年:燃料電池自動車開発に携わり、高圧水素、腐食といった特異環境に対応した材料の評価・選定業務を担当。
 この中で世界的にも類例が少ない高圧水素環境下での鉄鋼の疲労強度の研究を進め九州大学とともに論文発表。
 2012年:工学博士取得(九大)。同年、トヨタ自動車(株)を退職。最終役職は、FC(*)技術部プロフェッショナル・パートナー。現在に至る。(*)Fuel Cell:燃料電池