フォトレジスト材料の特性,プロセスの最適化,付着・濡れ・欠陥等のトラブルの評価・解決のアプローチおよび
研究開発・トラブルフォローについて豊富な事例を交えて分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
国立大学法人 長岡技術科学大学大学院 電気電子情報工学専攻 電子・光コース
教授 博士(工学) 河合 晃 先生
研究成果活用企業(大学ベンチャー) アドヒージョン株式会社 代表取締役 兼務
三菱電機(株)LSI研究所にて試作開発,量産移管,製造管理を経て現在に至る
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
受講対象
初めてレジスト材料を扱う方、レジストを使用して製品・開発を生産する方、レジスト分野の技術指導をする方など、 初心者から実務者まで広範囲の方を対象としています。
習得知識
レジストを使用する上での基本的な考え方、ノウハウ、最適化法、トラブル対処法、などが習得できます。
講師の言葉
現在、フォトレジストは、産業の様々な分野で広く利用されています。しかし、その高度化に伴い、 フォトレジストの品質が製品に与える影響も深刻化しています。本セミナーでは、これからレジスト材料を 使用する方、レジストリソグラフィでトラブルを抱えている方々を対象に、フォトレジスト材料の特性、 プロセスの最適化、付着・濡れ・欠陥といった各種トラブルに注目し、評価・解決のアプローチを丁寧に説明します。 また、研究開発・トラブルフォローといった実務上での取り組み方について、豊富な実例を交えながら解説します。 初心者にも分かりやすく、基礎から学べる内容となっています。受講者が抱えている日々のトラブル相談にも応じます。
プログラム
1.レジスト・リソグラフィ入門(これだけは習得しておきたい) 1-1 リソグラフィプロセスの基礎 (プロセスフロー、レジスト材料、ポジ型、ネガ型レジスト、光化学反応メカニズム、パターン現像、露光システム、レイリ―の式、解像力、焦点深度) 1-2 レジストコントラストで制御する (光学像コントラスト、残膜曲線、溶解コントラスト、現像コントラスト、パターン断面形状改善) 1-3 レジストコーティング方式の最適化 (粘度、スピンコート、塗布むら対策、スキャンコート、スプレーコート、減圧ベーク、乾燥むら、インクジェットコート) 2.レジストトラブルの発生メカニズムと対策(最短でのトラブル解決のために) 2-1 レジスト付着性の促進および低下要因とは (表面エネルギー、凝集力、応力緩和、応力集中、溶液浸透、検査用パターン) 2-2 乾燥プロセスでのパターン剥離を検証する (毛細管現象、パターン間メニスカス、Lucas-Washburnの式、エアートンネル) 2-3 表面エネルギーからレジスト付着性が予測できる (濡れ性、Youngの式、表面エネルギー、分散と極性、Young-Dupreの式、付着エネルギーWa、拡張係数S、円モデル、付着性と密着性の差) 2-4 ドライ中での付着性は溶液中と逆の結果になる (軟化点効果、極性成分γp効果、最適条件の設定方法) 2-5 過剰なHMDS処理はレジスト膜の付着性を低下させる (最適な処理温度と処理時間、装置設計) 2-6 Al膜上でのレジスト付着不良と解決方法 (親水化、疎水化処理、酸化被膜形成、WBL) 2-7 パターン凸部は凹部よりも剥離しやすい (アンダーカット形状、応力解析、応力集中効果、熱応力、表面硬化層の影響) 2-8 レジスト膜の応力をin-situ測定する (減圧処理、応力緩和と発生、溶剤乾燥、拡散モデル) 2-9 レジスト膜の膨潤を計測する (アルカリ液の浸透、クラウジウス・モソティの式、屈折率評価、導電性解析) 2-10 レジスト膜の欠陥発生メカニズムと対策 (乾燥むら、ベナールセル、環境応力亀裂、ピンホール、膜はがれ) 2-11 ドライフィルムレジスト(DFR)の付着性 (メッキ時のEaves不良、バブル対策) 2-12 ナノインプリントにおける剥離残差対策 (疎水化による離型処理、付着性解析) 2-13 ウォーターマーク(乾燥痕)はこうして発生する (乾燥メカニズム、液体内の対流効果、ピンニング、パターン形状依存性) 2-14 レジスト表面の微小気泡対策 (気泡のピンニング効果、エネルギー安定性解析) 3.レジスト材料プロセスの高品位化(高付加価値のレジストを目指す) 3-1 微小パターンの物性 (表面サイズ効果、高分子集合体、粒子凝集モデル、ナノウェット効果) 3-2 レジストパターン1個の付着力を実測する (DPAT法、計測感度、ナノサイズの付着力の実験式) 3-3 高分子集合体をマニピュレーションする (レジストパターンからの集合体分離、Derjaguin近似) 3-4 レジスト膜中のナノ空間を見る (vacancy、ナノスティックスリップ、パターン構造設計) 3-5 レジストパターン1個のヤング率を実測する (ビームモデル、測定方法、ヤング率計測、強度設計) 3-6 レジスト膜表面にはナノ硬化層が存在する (AFMインデンテーション法、断面硬化層分布、LER評価) 3-7 レジスト膜表面のナノ気泡を見る (AFMナノバブル観察) 4.技術開発および各種トラブル相談(日頃のトラブルサポートなどに個別に応じます)
講師紹介
三菱電機(株)ULSI研究所での勤務を経て、現職にてコーティング、表面界面、プロセス技術の研究開発に従事。 各種論文査読委員、NEDO技術委員、国および公的プロジェクト審査員などを歴任。原著論文150報以上、 国際学会100件、特許出願多数。 大学ベンチャー企業 アドヒージョン(株)代表取締役 兼務