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CFRPと金属の接着・接合の課題を解決するための

CFRPと金属の接着・接合技術および
連続炭素繊維をその場で立体造形する3Dプリンター

化学機械

CFRPの接合技術として機械継手,接着継手,融着継手,CFRPの力学特性に起因する損傷モード,
継手設計の注意点・解析評価方法,FRPと金属間の接着・接合方法,炭素繊維複合材料3Dプリンターについて解説する特別セミナー!!

講師

東京理科大学 理工学部 機械工学科 准教授 博士(工学)松崎 亮介 先生

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト

受講概要

受講対象

 ・本テーマに興味のある方ならどなたでも受講可能ですが,特に,業務に活かすためCFRPの接着・接合や
  3Dプリントについての知見を得たいと考えている方
・CFRPの3Dプリンティングなど,新たな事業展開を検討している方

予備知識

 この分野に興味のある方なら、特に予備知識は必要ありません.

習得知識

 1)CFRPの基礎知識
 2)CFRPの力学的特性
 3)CFRPの成形とボイド
 4)CFRPの接着・接合
 5)CFRPの3Dプリンティングとそのビジネス動向

講師の言葉

 現在,炭素繊維複合材料の航空機器や自動車への適用拡大にあたって,世界的に急ピッチで研究が進められています。
 沢山の課題がありますが,中でもCFRPと金属の接合は避けて通れない課題です。
 本講座では,CFRPの接合技術として,機械継手,接着継手,融着継手をとりあげ,特にFRPならではの力学特性に
起因する損傷モード,継手設計における注意点,解析的評価方法についてご紹介します。
 さらに,FRPと金属間における最新の接着・接合方法とその性能について紹介します。
 また,これまでの複合材料成形は,熟練した職人のノウハウに頼るころが大きく,金型も必要とするため,
短期間での多品種生産が困難でした。一方,一般に利用される熱可塑性樹脂積層3Dプリンターは、樹脂自体の
力学的特性が著しく低く,試作模型や玩具の製作としての利用が主体であり,航空宇宙・自動車用途製品レベルの
構造を作製できない課題がありました。自動車・航空宇宙用構造にも適用可能な高強度立体造形を目的として、
連続炭素繊維をその場で樹脂と複合化し立体造形する「炭素繊維複合材料3Dプリンター」を開発が進んでいます。
近年開発が進む複合材料成形3Dプリンティング技術について,数多くの事例とともに紹介します。

プログラム

1. 複合材料の接合について
2. 機械継手種類
 2.1 シングルラップとダブルラップ
 2.2 マルチボルト構造
 2.3 FRP機械継手の負荷伸び応答
 2.4 FRP機械継手の特徴(金属との比較)
 2.5 異方性の影響
 2.6 FRP機械継手の特徴(金属との比較)
 2.7 機械継手の損傷モード
 2.8 試験片端距離e, 試験片幅wの影響
 2.9 機械継手破壊マップ
3. 接着継手
 3.1 せん断応力とピール応力
 3.2 FRPにおける接着破壊形態
 3.3 応力集中の低減
 3.4 接着継手の解析
 3.5 接着継手の応力特異点
 3.6 Average stress criterion
 3.7 結合力モデル (cohesive zone modeling)
 3.8 機械継手と接着継手の比較
4. 融着接合
 4.1 熱可塑性樹脂の融着
 4.2 融着の方法
 4.3 融着の適用例
5. 金属/FRPハイブリッド構造における継手
 5.1 ボルト/接着のハイブリッド一体成形継手
 5.2 金属表面・形状加工による継手強化
 5.3 Tongue-and-groove金属/FRP継手
 5.4 IAFによる継手強化
 5.5 ピンまたは突起による継手強化
 5.6 インモールド複合材表面処理
6. 複合材料3Dプリンター開発の背景
 6.1 複合材料の適用動向
 6.2 熱可塑性樹脂複合材料
 6.3 Automated Tape Laying(ATL)とAutomated Fiber Placement(AFP)
 6.4 3Dプリンターの国内・海外市場動向(売上、シェア、適用箇所)
7. 3Dプリンターを利用した複合材料成形
 7.1 3Dプリンターの種類(粉末焼結積層、光造形、溶融積層他)
 7.2 自動車および航空機業界における3Dプリンターの利用
 7.3 複合材料成形ツーリングとしての利用
 7.4 プリント成形品の材料強度の異方性
 7.5 PEEK3Dプリンター
8. 連続炭素繊維複合材料3Dプリンター
 8.1 従来3Dプリンターの課題
 8.2 強化の方法
 8.3 繊維切断
 8.4 プリントされた材料の強度
 8.5 サンドイッチ構造一括プリントと評価
 8.6 ATF/AFPに対する優位性
 8.7 想定される用途
 8.8 実用化に向けた課題
9. 短繊維系複合材料3Dプリンター
 9.1 力学的特性
 9.2 大規模3Dプリンター(自動車のプリント)
 9.3 エポキシ系短繊維3Dプリンター
 9.4 短繊維含有フィラメントの種類と市販状況
10. 連続繊維複合材料3Dプリンターの海外動向
 10.1 海外の取り組み(MarkForged社、Arevo社他多数紹介)
 10.2 織物複合材料3Dプリンター
 10.3 CFRP3Dプリント製品化の例:CFRPワッシャー
11. 光硬化系複合材料3Dプリンター
 11.1 短繊維と光硬化の組み合わせ
 11.2 連続繊維と光硬化の組み合わせ
12. 形状・繊維配向最適化技術
 12.1 曲線積層最適化(Tow-steered composites)
 12.2 形状配向同時最適化
13. 関連知財の紹介(海外特許含む)
 13.1 ボーイング,MarkForged, Arevoなど
14. 課題と今後の展開
 14.1 機能(電気回路、アクチュエータ)の3Dプリント
 14.2 オンライン3Dプリントプラットフォーム
15. まとめ(質疑応答)

講師紹介

略歴:
2003.3 東京工業大学工学部機械宇宙学科 卒業
2004.3 東京工業大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻修士課程 修了
2007.3 東京工業大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻博士課程 修了
2007.4 東京工業大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻 助教
2011.4 東京理科大学理工学部機械工学科 講師
2017.4 東京理科大学理工学部機械工学科 准教授

著作:
新版 複合材料・技術総覧,  産業技術サービスセンター, (分担)
基礎からわかるFRP- 繊維強化プラスチックの基礎から実用まで - ,コロナ社,(分担)
他

所属学会・協会
日本機械学会,日本複合材料学会,強化プラスチック協会 (学識準会員,情報編集委員)