実験計画法のツボについて,実験を成功させなければならないが統計学は素人という方々を対象に
事例や統計ソフトを使用した分析のデモを交えながら分かりやすく解説する仕事に役立つ特別セミナー!!
- 講師
千葉大学 大学院園芸学研究科 教授 博士(農学) 栗原 伸一 先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
受講対象
業種は問いません(実験計画はあらゆる業種で必要とされるスキルです)。 分散分析や直交計画法を初めて学ぶ方。そして,そもそも実験や調査をどのように実施すれば良いのか知りたい方を対象とします。 具体的には,たとえば以下のような場面に直面している方々です。 ・絶対に成功させなければならない実験がある ・新製品が従来品よりも改良されていることを確認したい ・薬の効果や機械の能力に差が出た原因を特定したい ・複数要因の相乗効果(交互作用)の存在を確かめたい ・新商品候補を一つに絞りたい ・実験自体のコストカットをしたい ・最低何回の実験を(何人の被験者を用意)すべきなのかを知りたい ・品質工学(管理)に興味があるが,まずは直交計画の基礎について知りたい …などなど
予備知識
基礎的なところから説明いたしますが,t検定(2群の平均の差の検定)ぐらいの知識をお持ちだと理解が進みます。
習得知識
1)実験計画法や分散分析とは何なのかがわかる 2)成功する実験を計画できるようになる 3)実験に必要な標本サイズを計算できるようになる(検出力分析) 4)低予算の効率的な実験を計画できるようになる 5)統計ソフトの基本的な使い方を学べる(Excelの無料分析ツール,エクセル統計,SPSS,JMP,G*powerのなかから,受講者の希望に沿ったソフトを使用します)
講師の言葉
いま,技術職や研究職に最も必要とされているのは統計学,そして実験を計画する能力です。インターネットが発達し, グローバル化が進む現在,あらゆる業界が激しい競争にさらされています。そして,そこではビッグデータの利活用や, 根拠に基づいた医療,効率的な実験の計画…といった実践的な統計学のスキルが要求されます。しかし,日本では高校や大学に おける統計学の教育がおろそかにされていたため,現場の多くの方は苦手意識を持っています。 今回のセミナーでは,そうした「実験を成功させなければならないが,統計学については全くの素人」という方々を対象に, 具体的な事例を使って,実験計画のツボをわかりやすく解説します。 実験計画法は,近年,産業界で再評価されている品質工学(品質管理)の入り口でもあることから,多くの方にとって 欠かせないセミナーといえるでしょう。統計ソフト(Excel分析ツール,エクセル統計,SPSS,JMP,G*power等)を使用した 分析のデモンストレーションも行いますので,すぐに仕事の役に立つセミナーとしてお勧めです。
プログラム
第1部 分散分析 1.分散分析の概要 1)実験計画法に使えるソフトウェアの紹介 2)分散分析とは? 3)分散分析における変動と不偏分散 2.一元配置分散分析 1)対応のない一元配置分散分析の原理 2)分散分析におけるF検定 3.対応のある一元配置分散分析 1)対応のある一元配置分散分析の原理 2)標本間(被験者間)変動の計算 3)固定効果と変量効果 4.対応のない二元配置分散分析 1)交互作用とは? 2)二元配置分散分析の原理 3)平方和のタイプ 第2部 多重比較と実験計画 1.多重比較法 1)t検定を繰り返してはいけない 2)多重性の問題と調整法 3)Tukey法の事例 4)Scheffe法とBonferroni法 5)最適な多重比較法の選び方 2.フィッシャーの三大原則 1)実験を成功させるためのルール 2)繰り返しの原則 3)無作為化の原則 4)局所管理の原則 5)完全無作為法か乱塊法か? 第3部 直交計画と検出力分析 1.直交計画法 1)実験を間引いて効率化する 2)直交配列表の仕組み 3)直交計画法の事例と注意点 4)品質工学への応用(パラメータ設計) 2.標本サイズの決め方 1)標本サイズを左右する4要素 2)検出力と検定における過誤の関係 3)効果量と分散分析における目安 4)無料ソフトを使って標本サイズを決める
講師紹介
1966年水戸市生まれ。1996年に東京農工大学で博士の学位を受けた後,農業専門学校の講師を経て1997年より千葉大学。 主な研究内容は,アンケートやセンサスを統計解析し,消費者や地域住民の意識の因果構造を明らかにすることである。 大学の授業では,統計学をはじめ,その応用編である計量経済学や消費者行動論を担当している。 また,著書『入門 統計学―検定から多変量解析・実験計画法まで―』(オーム社)は多くの大学で教科書に採用され, ベストセラーとなっている。日本農業経済学会などに所属。