造粒の基礎,撹拌造粒/流動層造粒の留意点/トラブル対策,打錠の基礎,打錠障害のメカニズム・評価法・改善法,
錠剤の重量変動と含量均一性,打錠工程のトラブル改善事例,粉体の圧縮メカニズム等について解説する特別セミナー!!
- 講師
秋山錠剤株式会社 品質保証部 製剤開発課 顧問 理学博士 阪本 光男 先生
エーザイ(株)製剤研究室、ジェネリックメーカー、一般薬メーカーの製剤研究室室長を経て現職
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
受講対象
・医薬品製剤および原料製造、食品および健康食品製造、その他粉体の造粒および打錠(粉体圧縮)に携わる業種の方。 ・研究開発、製造、品質管理などの所属部署の方。 ・はじめて固形製剤の研究、製造等の業務に携わる方、中堅の方に対しても有益な講演内容と思います。
予備知識
物理、化学に関する基礎知識
習得知識
1)撹拌造粒と流動層造粒の留意点と対策 2)打錠障害のメカニズムと対策および改善方法 3)錠剤の重量変動と含量均一性の改善方法 4)打錠工程におけるトラブル改善事例 5)粉体の圧縮メカニズム
講師の言葉
錠剤製造における目標は、「目的とする製剤設計を満足する錠剤」が生産機で製造できることである。 そこで、錠剤の開発段階において、打錠用顆粒の製造では、生産機でラボ機と同一物性の錠剤を得るのに要求される顆粒物性を知ること。 また、打錠工程では、原料物性を測定することで打錠障害が予測できることが製品の開発期間を短縮するために重要である。 本講演では、打錠用顆粒の製造技術として、造粒の基礎から攪拌造粒、流動層造粒等に関して事例をもって解説する。 錠剤の製造技術では、打錠の基礎から直接打錠における薬物の均一分散性を高める方法。 激しい打錠障害が発生する原薬の対処法などについても触れたい。 はじめに打錠用顆粒の製造技術のポイントとトラブル対策について、造粒の基礎から打錠用顆粒としての最適な造粒法に関して、 特に、攪拌造粒および流動層造粒における留意点と対応策を説明する。 次に、錠剤製造技術に関しては、打錠の基礎から打錠障害のメカニズムと評価法および改善方法について話す。 さらに、錠剤化で問題となる錠剤の重量変動と薬物の含量均一性に関しても改善方法も含めて解説する。最後に打錠工程における トラブルの改善事例について紹介する。このことから、打錠障害を起こし易い原薬を錠剤化する場合、粉体の圧縮メカニズムを習得し、 原薬の物性を把握することで、的確な製剤化の検討を進めることが出来る。
プログラム
第1部「打錠用顆粒製造技術とトラブル対策」 ・造粒の定義 ・代表的な造粒法 ・原薬物性に適した造粒法 ・原薬物性の改質(難溶性薬物の改質) ・日米における打錠用顆粒の製造法 ・各製造法で得られた顆粒の錠剤硬度の比較 ・PL値(可塑限界)とPL値の簡易測定法 ・打錠用顆粒として適切な造粒粒度 ・攪拌造粒のメカニズムと攪拌造粒の事例 (攪拌羽根および解砕羽根の回転数等の影響) ・流動層造粒のメカニズムと流動層造粒の事例 (噴霧液速度、噴霧空気圧、噴霧液量、熱風温度等の影響) ・流動層造粒で製した打錠用顆粒の粒度別の主薬含量と錠剤の含量均一性 ・攪拌転動流動造粒とパルス流動層造粒乾燥装置 ・造粒法と結合剤添加方法による錠剤硬度 ・押出し造粒の事例と添加水の影響 ・乾式造粒法の概要と乾式造粒の事例 ・攪拌造粒および流動層造粒のスケールアップでの問題点とスケールアップ事例 ・打錠用顆粒に関するQ&A:生産機でラボ機と同一物性の錠剤を得るために要求される顆粒物性は? 第2部「錠剤製造技術とトラブル対策」 ・原薬(粉体)の圧縮メカニズム ・原薬(粉体)の圧縮性評価 ・打錠で要求される要素と要因 ・錠剤の含有水分と成型性 ・打錠条件の設定(予圧/本圧比など) ・錠剤物性におよぼす各工程の影響 ・キャッピング発生のメカニズムとキャッピングの評価法およびその改善方法 ・圧縮過程で起こるスティッキングの現象とスティッキングの評価法およびその改善方法 ・原薬物性を測定することで、打錠障害を予測する方法 (キャッピングは、原薬の荷重変位曲線。スティッキングは原薬等のせん断試験) ・錠剤の重量変動(湿式造粒打錠法および直接打錠法における錠剤の重量変動の抑制方法) ・直接打錠法における薬物の含量均一性を高める製剤技術 ・攪拌造粒の打錠障害に関係する留意点と対応策 ・流動層造粒の打錠障害に関係する留意点と対応策 ・滑沢剤の混合時間と展延状態 ・外部滑沢打錠法と外部滑沢打錠法との比較 ・スケールアップ時の打錠速度の設定 ・打錠工程におけるトラブルの改善事例紹介(激しい打錠障害が発生する原末の錠剤化など)
講師紹介
略歴:・日本大学理工学部を卒業 ・エーザイ株式会社製剤研究室に入社、ジェネリックメーカ、一般薬メーカの製剤研究室室長を経て、 現在、秋山錠剤株式会社製剤開発課 顧問 著作:学術雑誌への掲載 ・日本薬剤学会会誌「薬剤学」:70(2)141-150(2010) 「苦味薬物をマスキングした口腔内速崩壊錠の開発」 (親水性の苦味モデル薬物として、塩酸ピリドキシンを用いた検討) ・日本薬剤学会会誌「薬剤学」69(4)297-306(2009) 「口腔内速崩壊錠の開発(Ⅱ)」(疎水性薬物:エテンザミドをモデル薬物とした検討) ・日本薬剤学会会誌「薬剤学」67(2)133-141(2007) 「口腔内速崩壊錠の開発」(親水性薬物:アスコルビン酸をモデル薬物とした検討) ・日本薬剤学会会誌「薬剤学」45(2)181-187(1985) 「顆粒強度におよぼすコーティング効果と結合剤効果について」 ・日本薬剤学会会誌「薬剤学」41(1)22-26(1981) 「錠剤硬度におよぼす造粒法の影響」 専門誌および専門書籍への掲載 ・「口腔内速崩壊錠の製剤設計」PHARM STAGE 7(6)64-70(2007) ・「徐放性製剤の品質の判断に必要な情報」医薬ジャーナル43(6)89-91(2007) ・「口腔内速崩壊錠の製剤設計」PHARM TECH JAPAN 23(8)121-127(2007) ・「錠剤製造における外観不良低減のための取り組み」PHARM STAGE 9(6)9-15(2009) ・綿野哲監修「事例・トラブル解決から理解する製剤・原薬合成別 スケールアップ」口腔内速崩壊錠の製剤技術とスケールアップ269-277P(2009) 所属学会:日本薬学会 活動状況:学会での発表 ・日本薬学会 第129年会(京都)2009年 「薬物の苦味をマスキングした口腔内速崩壊錠の開発」 (親水性の苦味モデル薬物として、塩酸ピリドキシンを用いた検討) ・日本薬学会 第127年会(富山)2007年 「口腔内速崩壊錠の開発(Ⅱ)」 (疎水性薬物:エテンザミドをモデル薬物とした検討) ・日本薬学会 第126年会(仙台) 2006年「口腔内速崩壊錠の開発」 (親水性薬物:アスコルビン酸をモデル薬物とした検討)