結晶化のメカニズム,結晶化現象の解析方法,結晶品質の測定法,結晶化の制御法,晶析操作の工夫,
スケールアップ,連続フロー製造などについて分かり易く解説する特別セミナー!!
- 講師
東京農工大学大学院 工学研究院 応用化学部門 化学システム工学科
教授 博士(工学) 滝山 博志 先生
化学工学会 晶析技術分科会 代表
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
受講対象
結晶性物質を取り扱う化成品製造業種(新素材、医薬、食品、電子材料)の初心者から研究技術者までを網羅します。
予備知識
特になし
習得知識
1)再沈・再結晶でのトラブル回避の実践的手法 2)連続フロー製造の最新動向 3)結晶純度、結晶形態、結晶多形、粒径分布改善法のコツ 4)結晶品質制御の戦略 5)DSC、XRD、測定データの実践的活用法 6)回分冷却晶析、非(貧)溶媒添加晶析、反応晶析法のコツ 7)オイルアウト現象の理解と回避のコツ 8)スケールアップのための第1選択
講師の言葉
結晶を取り扱う分野は、精密化成品や医薬品のみならず、機能性材料やスマートマテリアル関連素材など多岐にわたっており、 高度な品質制御技術が必要とされている。これらの分野の製造現場やラボ研究では、精製や粒子製造の目的で、「再沈」「晶出」 「沈殿」や「再結晶」と呼ばれる操作が行われている。 ところが、その操作の少しの違いが、結晶品質に影響を与え、生産性にも大きく影響する。 例えば、結晶純度、粒径分布、結晶形状、結晶多形に関わる問題である。実は、この結晶性物質に品質を作り込む操作が 「晶析技術」である。 このセミナーでは、結晶粒子群を上手く創るための、結晶化現象の解析方法、品質の実践的な測定法、品質の作り込み戦略までを、 結晶化のメカニズムを分かり易く解説しながら紹介します。 また、最近関心が高まっている晶析の連続化あるいは連続フロー製造についても解説します。 結晶化現象の本質をズバリ解説し、どうすれば結晶化を制御でき、晶析操作を工夫できるのかについて、連続フロー製造などの 技術トレンドにも触れながら講義します。普段合成を専門に研究している研究技術者には精製・分離操作の「コツ」を、 そして普段から晶析に携わっている研究技術者には晶析操作の「戦略」をレクチャーします。
プログラム
1.合成技術と晶析操作との接点 -沈殿・再結晶と連続フロー晶析との接点を探る- 1-1.結晶化で遭遇するトラブル事例 1-2.沈殿・再結晶と晶析テクノロジーとの接点 1-3.精製+結晶粒子群=晶析の本質 1-4.最近話題の連続フロー晶析とは 2.晶析装置内の現象解析とその速度論 -現場で役立つ結晶化現象を理解する- 2-1.晶析操作の本質をしっかり理解する ー冷却、濃縮、pH制御、反応晶析の共通項ー 2-2.結晶化の推進力と固液平衡 2-3.核発生速度と成長速度論 2-4.演習で理解する晶析現象 3.現場で役立つ結晶品質の測定法 -マニュアルにない実践的使い方とコツ- 3-1.マニュアルには載っていない熱分析データを読み取るコツ 3-1-1.DSC(示差走査熱量計)でわかること 3-1-2.DSC測定データの解釈とその応用 3-2.マニュアルには載っていないX線分析データを読み取るコツ 3-2-1.XRD(粉末X線回折)測定データの意味 3-2-2.XRD測定データと結晶形態・結晶子径との関連性 4.スケールアップで役立つ結晶品質の実践的な制御法 -結晶品質に関わる具体的問題解決アプローチを理解する- 4-1.結晶品質を安定させたい(結晶多形制御) 4-1-1.結晶多形に及ぼす操作因子とは 4-1-2.結晶多形制御の戦略 4-2.結晶の形を変えたい(結晶形態制御) 4-2-1.結晶形態に及ぼす操作因子とは 4-2-2.結晶形態制御の戦略 4-3.粒径分布を改善したい(CSD) 4-4.結晶純度を改善したい(純度制御) 4-5.オイルアウトを回避したい 4-6.結晶粒子群の連続製造 4-6-1.連続晶析装置の考え方 4-6-2.連続フロー製造への展開 4-7.演習で理解する結晶品質の制御 5.結晶品質改善のための晶析操作設計法の戦略と実践 -具体的品質作り込みポイント- 5-1.晶析操作設計の留意点 -冷却晶析や非(貧)溶媒添加法- 5-2.反応を伴う晶析操作の実際 5-3.晶析と撹拌との関係 5-4.晶析のスケールアップに関わる最近トレンド 6.最新トピックス紹介 -最先端研究の一部から品質制御のヒントを読み取る- 6-1.回分から連続フロー製造への展開 6-2.オンラインセンサー利用技術 7.まとめ
講師紹介
平成 4年3月 東京工業大学 総合理工学研究科 修了 博士(工学) 平成14年8月 東京農工大学 工学部 化学システム工学科 助教授 平成23年4月 東京農工大学 大学院 工学研究院 教授 平成21年度-現在 日本海水学会 総務理事 平成20年度-現在 化学工学会材料界面部会幹事 平成26-27年度 分離技術会編集委員長 平成27年度-現在 分離技術会企画委員長 平成27年度-現在 晶析技術分科会代表