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難水溶性薬物の迅速な開発のための

可溶化・過飽和を利用した製剤技術および
  原薬形態の変更による難水溶性薬物の開発

医薬

難水溶性薬物の物性評価,塩・共結晶使用の原薬物性の改善および非晶質個体分散体,ナノ結晶,自己乳化型製剤等の
難水溶性薬物の製剤化技術について製剤の理論的背景,最新の知見を交えてわかりやすく解説する特別セミナー!!

講師

国立研究開発法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点
 
 医療応用ソフトマターグループ グループリーダー/主席研究員/工学博士 川上 亘作 先生
  塩野義製薬(株)研究所,万有製薬(株)研究所を経て現在に至る

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト

受講概要

予備知識

 医薬品開発と物性評価・製剤の基礎知識

習得知識

 1)結晶多形、非晶質、塩、共結晶等、様々な原薬形態に関する幅広い知識
  2)非晶質固体分散体、自己乳化型製剤、ナノ結晶製剤等、難水溶性薬物のための製剤知識
  3)製剤が溶解後に形成する過飽和状態と、膜透過性・吸収性との関係に対する理解

講師の言葉

 近年の創薬研究は多様化しており、画期的な抗体医薬や中分子創薬に注目が集まっているものの、その一方で相対的に価格や
利便性に優れる低分子創薬の価値も見直されている。医薬品開発においては、特殊な製剤技術に頼る必要のない化合物を
創出することが基本戦略であるが、低分子創薬においては難水溶性化合物を候補に選ばざるを得ないことも多い。
 しかしながら、難水溶性薬物といえども長い開発期間が猶予されるわけではなく、サイエンスに基づいた迅速な開発が
求められる。
 本講義においては、難水溶性薬物の物性評価、および塩や共結晶を用いた原薬物性の改善について、まず解説する。
 さらに非晶質固体分散体、ナノ結晶、自己乳化型製剤などの、難水溶性薬物のための製剤化技術について解説するが、
これらの製剤の消化管内における挙動については、近年新しい知見が急速に蓄積されている。本講義では、これら製剤の
理論背景から最新の知見までを紹介する。

プログラム

1.物性評価概論
 1-1. 戦略的物性評価
 1-2. 物性評価各論
2.結晶多形
 2-1. 結晶多形の基礎と熱力学
 2-2. 結晶多形が物性に及ぼす影響
 2-3. 結晶多形の評価法
 2-4. 実験上の転移温度と熱力学的転移温度の違い
 2-5. 多形転位の可逆性
 2-6. 溶媒媒介転移
 2-7. 多形転移温度の決定法
 2-8. 塩による物性改善
 2-9. 共結晶の調製法
 2-10. 共結晶による物性改善
 2-11. 共結晶のレギュレーション上の扱い
3.溶解度と可溶化
 3-1. スクリーニング溶解度と平衡溶解度
 3-2. 溶解度スクリーニングの注意点
 3-3. 難水溶性化合物の可溶化 (pH調整、補助溶媒、界面活性剤)
 3-4. 可溶化と膜透過性の関係
4.溶液型製剤
 4-1. 液体充填カプセル
 4-2. 自己乳化型製剤
5.非晶質製剤  
 5-1. 非晶質の基礎
 5-2. 過飽和状態における相分離
 5-3. 過飽和溶液の膜透過性
 5-4. 原薬の結晶化傾向
 5-5. 物理安定性予測
 5-6. 結晶化度評価
 5-7. 非晶質製剤の調製法とその物性への影響
 5-8. 経口吸収性予測
 5-9. 構造緩和
6.ナノ結晶製剤
 6-1. ナノ化による溶解性向上の原理
 6-2. ナノ結晶の製造と安定化
7.難水溶性薬物の製剤開発戦略

講師紹介

<学歴・職歴>
昭和63年4月 ~ 平成4年3月	京都大学工学部化学工学科
平成4年4月  ~ 平成6年3月	京都大学大学院工学研究科化学工学専攻
平成4年7月  ~ 平成4年9月	ドイツ国ドルトムント大学化学工学科
平成6年4月  ~ 平成17年3月	塩野義製薬(株)研究所
平成12年3月			工学博士(京都大学)
平成13年8月 ~ 平成14年7月	米国コネチカット大学薬学部 客員研究員
平成17年3月 ~ 平成18年12月	 万有製薬(株)研究所
平成18年12月 ~		物質・材料研究機構

<専門分野>
物理薬剤学(結晶多形、非晶質、DDSなど)、コロイド・界面化学、熱測定

<最近の研究テーマ>
非晶質製剤、DDS粒子設計、新規機能性添加剤の開発、経肺投与製剤およびデバイスの開発、結晶多形の評価と制御

<受賞>
平成13年	日本薬剤学会第16年会 最優秀発表者賞
平成16年	日本薬剤学会奨励賞
平成21年	日本熱測定学会奨励賞
平成24年	日本薬剤学会 旭化成創剤研究奨励賞

<主な著書(いずれも共著)>
Hydrocolloids (Elsevier) 2000年		 界面ハンドブック(エヌ・ティー・エス)2001年
界面と界面活性剤(日本油化学会)2005年  現代界面コロイド化学の基礎 第3版(丸善、編集)2009年
熱量測定・熱分析ハンドブック 第2版(丸善)2010年
難水溶性薬物の物性評価と製剤設計の新展開(シーエムシー出版、監修)2010年
医薬品開発における結晶多形の制御と評価(シーエムシー出版、監修)2011年
Manipulation of Nanoscale Materials (RSC Publishing)  2012年
Advances in Organic Crystal Chemistry: Comprehensive Reviews 2015 (Springer) 2015年
Encyclopedia of Biomedical Polymers and Polymer Biomaterials, 1st Ed. (Taylor & Francis) 2015年
Nanomaterials in Pharmacology (Springer) 2015年
Drug Delivery and Targeting: Fundamentals, Applications and Future Directions (Taylor & Francis) 2016年
難水溶性薬物の経口製剤化技術最前線(シーエムシー出版、監修)2016年  他

<学会委員>
2003-		日本化学会コロイドおよび界面化学部会・事業企画委員(2016- 委員長)
2004-2005  	日本化学会コロイドおよび界面化学部会・関西支部委員
2006-2008  	日本薬剤学会・将来ビジョン委員会委員
2006-2015  	日本化学会コロイドおよび界面化学部会・編集委員
2008-2010, 2015-  日本熱測定学会・委員
2008-2012  	日本薬剤学会・経口吸収フォーカスグループ執行部(2010-2012 リーダー)
2009-2011  	日本熱測定学会・編集委員
2009-     	粉末吸入剤研究会世話人
2011-2014  	日本薬剤学会・編集委員
2011-2013, 2015-  日本化学会コロイドおよび界面化学部会・役員
2012-     	日本薬剤学会・評議員
2012-2014  	日本熱測定学会・会計幹事
2014-2015  	日本薬学会・関東支部執行部
2014-    	日本DDS学会・評議員
2014-     	American Association of Pharmaceutical Scientists (AAPS)
Oral Absorption Focus Group Steering Committee
2014-     	日本薬剤学会・論文審査委員
2014-     	日本薬剤学会・出版委員
2014-     	日本薬剤学会・前臨床開発フォーカスグループ執行部(2014- リーダー)
2015-		日本熱測定学会・企画幹事
2016-		日本化学会コロイドおよび界面化学部会・国際交流委員
2016-		日本化学会コロイドおよび界面化学部会・賞選考委員