薬物動態の意義・役割,ADME,コンパートメントモデルと薬物動態パラメータ,薬物動態の変動要因等について
薬物相互作用の予測や回避方法を立案できるように解説する特別セミナー!!
- 講師
兵庫医療大学 薬学部 講師(兼任:兵庫医療大学RI実験センター長)工学博士 藤野 秀樹 先生
興和(株)東京創薬研究所,早稲田大学大学院先進理工学研究所 客員准教授を経て現職
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
受講対象
業種:製薬会社などで医療用医薬品を取扱う業務に従事されている方 所属部署:非臨床研究担当者、臨床開発担当者、市販後調査担当者、学術担当者など レベル:入門者でも対応できる内容です。
予備知識
特になし
習得知識
1.薬物動態パラメーターの意味を理解し、自らパラメーターを計算できる。 2.薬物動態パラメーターから血中濃度の変動要因を予見できる。 3.薬物動態情報から薬物相互作用の予測や回避方法について提案できる。
講師の言葉
本セミナーは薬物動態学の専門書や教科書とは異なり、私が15年間製薬会社の薬物動態研究者として従事した経験が ベースとなっております。動態特性は非臨床試験における薬理や毒性のみならず、治験段階での治療効果や薬物相互作用と関与し、 医薬品開発に大きく影響すると考えられています。特に前臨床段階にて薬物動態的な不備が存在すると臨床段階にて様々な問題が 発生し、その解決に多大な時間を費やすことや、解決に至らず開発を断念せざるを得なかったことを経験しています。 また新薬承認審査でも医薬品医療機器総合機構の書面調査にて薬物動態に関する指摘事項の対応に追われたこともあります。 本セミナーでは、医薬品開発で特に重要と思われる薬物動態のトピックについて、その意義や役割を薬物動態との関わりが 少ない方でも理解できるように説明したいと考えています。 先ず、薬物動態を構成するADMEの意味を理解し、次いでコンパートメントモデルと薬物動態パラメーターの意味について数学が 苦手な方でも対応できる様に説明します。 そして、薬物動態の変動要因を理解して、最終的には薬物相互作用の予測や回避方法を立案できる様に説明します。 本セミナーを通じて皆様の薬物動態に関する理解と興味が深まれば幸いです。
プログラム
1.薬物動態とは何か? 1-1.薬物の生体内運命 1-2.血中薬物濃度の意義 2.ADMEとは何か? 2-1.吸収 2-2.分布 2-3.代謝 2-4.排泄 3.薬物速度論とは何か? 3-1.コンパートメントモデル 3-2.血中濃度式の算出方法 3-3.基本的な薬物動態パラメーターの算出方法 3-4.血中濃度変化と薬物動態パラメーターの関係 4.非臨床薬物動態試験で問題となる事項について 4-1.動物種差の現状と原因 4-2.各種動物のCYP分子種と基質認識性 4-3.性差の影響 5.臨床段階にて問題となる薬物動態について 5-1.腎または肝機能障害患者での薬物動態 5-2.加齢の影響 5-3.食事の影響 5-4.代謝酵素が関与する非線形性 5-5.薬物輸送担体が関与する非線形性 6.薬物動態の変動要因について 6-1.薬物代謝酵素の遺伝子多型 6-2.薬物輸送担体の遺伝子多型 6-3.代謝阻害 6-4.酵素誘導 7.薬物相互作用及び予測方法 7-1.薬物代謝酵素を介した薬物相互作用 7-2.薬物輸送担体を介した薬物相互作用 7-3.各種アベイラビリティーからの薬物相互作用予測 7-4.相互作用薬の濃度算出による薬物相互作用の予測
講師紹介
職歴: 1992~2006年、興和株式会社東京創薬研究所にて薬物動態研究に従事した。在籍中はβ遮断点眼薬(ニプラジロール点眼液)及び HMG-CoA還元酵素阻害薬(ピタバスタチン)の研究開発のみならず製造承認申請及び市販後調査支援にも従事した。 2006~2010年、早稲田大学大学院先進理工学研究科客員准教授として種子類の生活習慣病予防効果に関する研究及び 博士後期課程の大学院生への研究指導に従事した。 2008年~、兵庫医療大学薬学部に着任、現在に至る。 著作:Focus on Statin Research (Nova Science Publishers, 2006)、医薬品開発学(廣川書店、2010) 所属学会:日本薬物動態学会、日本薬剤学会、日本薬学会、日本アイソトープ協会 活動状況: 神戸市シルバーカレッジ、兵庫医療大学生涯研修セミナー及び兵庫県薬剤師会禁煙認定薬剤師講習会にて 薬物相互作用の回避方法や注意点について薬剤師のみならず高齢者を対象とした講演会を実施しています。