金属疲労メカニズムの基礎から各種機器に最適な強度設計法と最新設計基準について
例題演習・質問討議を交えて具体的に解説する特別セミナー!!
- 講師
(株)日立製作所 日立事業所 工学博士 宇佐美 三郎先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
とくにありませんが、材料力学の基礎を経験していれば理解が進みます。
習得知識
1.各種機器・構造物のそれぞれに最適な疲労寿命設計手法と最新規格 2.種々の疲労破壊事例から得られる教訓 3.疲労強度増大法、長寿命構造の実例
講師の言葉
安価な材料で軽量かつ製作が容易な構造部材を設計することがコスト低減の基本です。そのためには、正確な 限界値を基準とした強度設計を行い、部材の能力を最大限発揮させることが必要です。 本講座では、各種構造要素の破壊モードとそれらに対応した限界強度設計法の基礎から加工傷・材料欠陥の 許容寸法までをわかりやすく解説します。 さらに、強度増大法の施工例や寿命を向上させた改良構造例も多数紹介します。 また、製品の破壊はほとんどが 金属疲労によって生じるため、製品の寿命設計においては、疲労強度設計が中心となります。 しかし、機器・ 構造物は、破壊の起点となる部分の形状や負荷の作用形態、使用環境などが様々であることから、それぞれに 最適な寿命設計法が各種開発されています。 そこで、本講座では、金属疲労メカニズムの共通的な基礎を説明したあと、各種機器・構造物を取り上げ、 それぞれに最適な最新の強度設計法と設計基準を具体的に解説します。 また、講義内容を翌日からの実務で すぐに実践できるように、適宜、例題演習・質問討議などを行います。
プログラム
1.破壊事故例と種々のモードの強度への各種因子の影響 (1) 破壊事故防止の考え方 (2) 著名な破壊事故例と得られた教訓 (3) 種々のモードの破壊メカニズムと各種因子の影響 (延性破壊、脆性破壊、応力腐食割れ、高サイクル疲労、低サイクル疲労、クリープ破壊) 2.応力集中部を有する機械部品の疲労強度設計法 (1) 応力集中係数と切欠き係数 (2) 材料組織寸法と応力勾配による応力集中効果の低減 3.疲労強度増大法と長寿命構造 (1) 圧縮残留応力付与による強度増大法 (2) 破壊起点部の応力低減による長寿命化構造の実例 4.溶接継手止端部の疲労強度設計法 (1) 応力特異点となる溶接止端部の疲労破壊メカニズム (2) IIW の疲労強度設計基準 (3) 溶接止端部の各種疲労強度改善施工法 5.ボルト締結部の疲労強度設計法 (1) ボルト締結部ねじ底の応力集中 (2) ボルトの疲労強度に及ぼす材料強度,寸法等の影響 (3) 締結部の内外力比 (4) トルク法によって得られる締結力のばらつきと緩み防止法 (5) VDIのボルト締結部設計基準 6.嵌合締結部等のフレッティング疲労強度 (1) フレッティング疲労のメカニズム (2) 嵌合締結部等の疲労強度 7.歯車,転がり軸受の転動疲労寿命設計法 (1) 接触部に発生する応力と疲労破壊メカニズム (2) 歯車,転がり軸受の疲労寿命設計基準 8.溶接継手ルート部の疲労強度設計法 (1) 破壊力学入門 (2) 溶接継手不溶着部疲労強度への破壊力学の適用 9.加工傷,材料欠陥を有する部材の疲労強度設計法 (1) 微小欠陥に対する非線形破壊力学の適用 (2) 疲労強度に影響しない限界の欠陥寸法 10.構造物の低サイクル疲労寿命設計法 (1) 低サイクル疲労破壊のメカニズム (2) ASME,EN の低サイクル疲労寿命設計法 11.高温機器の疲労寿命設計法 (1) 高温における疲労強度低減係数 (2) クリープと疲労の相互干渉状態における寿命設計法_
講師紹介
ASME, 機械学会、溶接学会に所属して88篇の論文を発表。機械学会フェロー。疲労破壊力学の研究で 文部科学大臣賞を受賞。