受講概要
- 受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、Zoomシステム利用によるオンライン配信となります。
- 受講対象
CSVの基礎とデータインテグリティ実務対応を必要とする以下の様な部門の方々にご参加いただきたいと考えている。
• QC QA 薬事監査(社内監査、委託先監査)
• CMC 製剤研究 分析研究 非臨床研究 CRO
• 製造 製造技術 エンジニアリング IT
• システム供給者、装置供給者、機器供給者
• システムハウス、エンジニアリング会社、ゼネコン
CSVの基礎から説明するので、CSVに馴染みの無かった方にも十分に理解していただける。
- 予備知識
特に必要ありません。
- 習得知識
1)DIの基礎
2)DI査察指摘
3)スプレッドシートのDI留意点
4)ラボにおけるDI対応実務
5)ERES(電子記録・電子署名)とCSVの基礎 など
- 講師の言葉
データインテグリティ(DI)の基本要件はALCOAプラスであるといわれている。
一方、査察官が期待するDI実務は、システムや機器におけるDI機能の普及とともに高くなる。従って、各極のDIガイダンスを読み込んでALCOAプラスを頭のなかで深掘りしても、査察官がその時点で期待するDI実務レベルにたどりつけない。
査察官が期待するDI実務レベルは、当局査察における指摘事例から学び取るのが確実である。査察指摘の開示が最も進んでいるのはFDAであり、生の査察指摘文書(FDA Form 483)をすべて入手できる。
本講座では、米国情報公開法(FOIA)にもとづきFDAへ開示請求して入手した2,500件を越す生の査察指摘事例を踏まえて、DIの基礎と実務を具体的に説明する。なお、FDAの年間査察指摘件数は約1,000件である。
DI対応の対象は以下の両者である。
・電子記録
・ 紙の記録(手書き記録、プリントアウト)
また、電子記録を生成しない製造装置も対象となる。FDAの生の査察指摘によれば以下の様なDI指摘が多い。
・ 監査証跡機能のない装置・機器・システムを使用している
・ 監査証跡をレビューしていない
・ 電子記録が保護されていない
・製造やラボの実務担当者がバックアップを行っている
・ システム管理者権限で試験や製造を行っている
・ 製造やラボの記録用紙が現場でコピー出来てしまう
・ 製造装置のアラーム履歴が維持されていない
・ 製造装置のレシピが改変から保護されていないFDA査察におけるDI指摘はQCラボに集中していたが、製造における指摘が目立ち始めてきた。特に製造におけるDI実務対応の要件は査察指摘事例から学び取る必要があり、製造管理のインテグリティと考えて実務対応するのがよい。電子記録を生成しない製造装置であってもコンピュータの管理について指摘される。ALCOAプラスを深堀りしても製造管理のインテグリティ対策を講じるのはむつかしい。
CSVとERES(電子記録/電子署名)の基礎を説明したうえでFDAのDI査察指摘事例を紹介するので、コンピュータに馴染みのなかった方でも「行うべきこと」を具体的に基礎から実践までを習得していただける。また、増加しつつあるクラウドサービス利用における留意点やスプレッドシートのCSV/DI対応の概要も説明する。700スライドを超すテキストと補足資料として320ファイルを収載した付録CDにより受講後の高度な自己研鑽が可能である。
- 事前質問
事前質問をお受けいたします。
CSV、ERES、データインテグリティ、スプレッドシートなど日常の業務において困っていることや疑問などにお答えします。事前にプロフィールアンケートを送付しますので、質問と合わせて事務局(th@thplan.com)へ送付してください。
- 受講者の声
GMPやデータインテグリティに関する各国の法規制やガイドラインが数多くありますが、それぞれどのような位置づけであるか、整理できていて分かりやすいと感じました。 また、近年の査察事例について多くの具体例を挙げながら説明していただき、弊社と査察官の要求レベルのギャップを認識できました。講義については、時間に対して内容がとても濃かったため、少し説明が早く感じる部分もありましたが、いただいた資料を用いて自己学習したいと思います。
法令やレギュレーションの説明だけでなく、フォーム483の事例で裏付けなど、現場に即して話が聞けて大変有効な情報をいることができました。 付属のCD付なのでお値段以上の価値があるセミナーと思います。
具体的な事例など大変勉強になりました。
事前質問から、様々な資料まで非常に参考になるセミナーで大満足です。参加できてよかったです。
プログラム
1. 改正GMP省令とPIC/S
2. データインテグリティとは
3. CSVとERESの基礎
4. データインテグリティ用語
5. FDAのDI査察指摘
• 指摘トップ10
• 国内における指摘
• ラボにおける指摘
• 製造における指摘
6. スプレッドシートのFDA指摘とその対応
7. DI実務対応
• 紙記録(ラボ、製造共通)
• コンピュータ化システム(ラボ主体)
• 製造装置と検査装置
8. DIポリシーと手順書の策定方針
9. クラウドサービス利用における留意点
10. 主要ガイダンスの概況
11. PIC/S査察官むけガイダンスの解説
12. MHRAガイダンスの要旨(英国医薬品庁)
13. FDAガイダンスの要旨
14. 良くある質問
以下をはじめとする質問、および事前に提出いただいた質問にお答えする。
1) 監査証跡の定期的レビューをどのようなタイミングで行えばよいのか
2) 監査証跡の定期的レビューをどのような方法で行えばよいのか
3) 監査証跡機能がない場合どのように対応すればよいのか
4) 監査証跡機能がないと査察で指摘されるのか
5) 監査証跡はどのようにバリデートすればよいのか
6) 試験関係者がシステム管理者になるとなぜ指摘を受けるのか
7) HPLCのプリントアウトを生データとすると指摘を受けるのか
8) データインテグリティはどのように査察されるのか
9) 工程内検査のインテグリティは査察されるのか
10) 個別のアカウントを設定できない器機/システムは更新が必要か
11) 電子生データはどのように管理・運用すればよいのか
12) スタンドアロン機器のデータインテグリティ対応はどの程度必要か
13) ハイブリッドシステムはどのように対応すればよいか
14) FDA査察をのりこえるにはどのような対策が必要か
15) 治験薬における対応はどの程度必要か
16) リスク対応はどのように行えばよいのか
17) OOS処理の査察指摘はどのようにすれば回避できるのか
18) LIMS導入はデータインテグリティ対応となるか
19) Empower 3等のCDS導入はデータインテグリティ対応となるか
20) バックアップの定期的リストアテストは必要か
21) ALCOAをベースにGAPチェックリストを作ろうとしたが難しい
22) 試験実施者に解析メソッド作成・変更の権限を与えて良いか
23) 同じ分析装置にGMP試験とGMP適用外の試験を混在させてよいか
24) 電子記録バックアップの隔離保管は必要か
25) システム管理を行うIT職員にGMP教育は必要か
26) OSへの共通IDログインは許容されないのか
27) スプレッドシートのデータインテグリティ留意点
28) LIMSやSDMSへデータを吸い上げたら分析機器のデータを削除してよいか
29) デジタル画像を生データとする場合、何に注意すればよいか
30) 機器使用台帳(機器使用ログ)に何を記載しなければならないのか
31) AIの使用は認められるか
32) コンピュータ化システムの再バリデーション頻度はどの程度が適切か
33) バリデーション資料はどの程度の期間保存する必要があるか
34) CDやDVDの劣化確認方法
35) バックアップHDDの点検頻度
36) アジャイル型開発は認められるか
37) サーバーのシステム管理者アカウントを共有してよいか
38) 崩壊試験や呈色滴定などのDI対応方法は
39) 装置や機器のエラーをQAに報告すべきか
40) ミラーリング(RAID1)はデータバックアップになるか
41) 業者保守作業における監査証跡のレビューは必要か
42) 検量線と面積計算のバリ資料を査察で求められた時の対応は
43) イベントログの定期レビューを査察で求められた時の対応は
44) CMCなど研究開発におけるDI対応は
45) バックアップ/リストアの要件とその対応方法は
46) 旧システムのデータが新システムで異なる結果となる場合の対応方法は
47) 見読性の長期維持方法は
48) 電子署名した電子記録をシステムから取り出してよいか
49) 電子署名した電子記録のプリントアウトに手書き署名は必要か
50) PDFを編集できると査察指摘を受けるか
51) 装置バリデーションにおけるURS必要性の指導方法は
52) デジタル署名と電子署名の使い分けは(リモートワーク対応)
53) 電子文書を電子的に照査・承認する方法は(リモートワーク対応)
54) パスワード定期変更の頻度は
55) バリデーション指針とはどのようなものか
56) エクセルの保護機能破り対策は
57) CSVをはじめて要求された装置メーカの対応は
58) 製造検査装置における個々検査データ(計量値)のバックアップは必要か
59) 理不尽な監査指摘へどのように対応すればよいか
60) 監査証跡の回顧的レビューにおける留意点は
61) アジャイル型で開発されたシステムのバリデート方法は
62) ChatGPTに正当性はどの程度あるのか
63) CAPAはどのように指摘されるのか
64) バックアップデータのリストアはどのように検証すればよいのか
65) 臨床試験におけるラボの管理はどのようにすればよいのか
上記のQ&Aは700スライドを超すテキストに含まれている。
15. 質疑・応答
略歴
1973年4月 山武ハネウエル株式会社(現アズビル株式会社)入社
2014年4月 アズビル株式会社 退職
2015年4月 合同会社 エクスプロ・アソシエイツ 代表
1973年山武ハネウエル株式会社(現アズビル)入社。
分散型制御システム(DCS)を米国ハネウエル社と分担開発。
2002年よりPart 11およびコンピュータ化システムバリデーションのコンサルテーションを大手製薬会社にご提供。
2009年より微生物迅速測定装置の啓蒙普及に従事。2014年5月より現職
■本テーマ関連の活動と資格
米国ISPE GAMPデータインテグリティ専門部会メンバー
米国PDA認定コンピュータシステムオーディター
日本QA研究会認定 GLP-QAプロフェッショナル(GLP-QAP)
日本PDA製薬学会 無菌製品GMP委員会 環境モニタリンググループメンバー
日本ISPE無菌委員会 環境モニタリングWG元リーダー
関連セミナー
01/16(木)
オープンセミナー
スプレッドシートの合理的バリデーションとデータインテグリティ管理・運用の具体的ポイント~すぐ使えるCSV規程とひな形文書でさくさくと~監査証跡がないスプレッドシートの危険性は?スプレッドシートの合理的バリデーションとデータインテグリティ管理・運用の具体的ポイント【WEB受講(ZOOMセミナー)】ライブ配信/アーカイブ配信(7日間、何度でも視聴可)
01/21(火)
オープンセミナー
変更管理・逸脱管理 (リスクのクラス分類と運用の留意点) ~変更管理の対象と重要度区分 / 逸脱の重大性区分と区分ごとの対応例~【会場/WEB選択可】WEB受講の場合のみ:ライブ配信/アーカイブ配信(7日間、何度でも視聴可)
02/17(月)
オープンセミナー
査察で重大な指摘を受けないための規制当局GMP査察における指摘事項と重大な指摘を回避するための事前対応のポイント【WEB受講(ZOOMセミナー)】ライブ配信/アーカイブ配信(7日間、何度でも視聴可)
01/24(金)
オープンセミナー