QC実施のポイント,生データの取扱い,データの信頼性確保,「信頼性の基準」に関する知識,OOS・OOT,ミス・問題事例,データインテグリティに関する基礎,QC/QAが持つべき統計解析について,経験の浅い方にも分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
元(株)東レリサーチセンター 医薬信頼性保証室長 川口 謙 先生
- 日時
- 2024/11/28(木) 10:30〜17:00
- 会場
- 受講料
(消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
※WEB受講の場合、別途テキストの送付先1件につき、配送料1,210円(内税)を頂戴します。
- テキスト
- 製本資料(受講料に含む)
受講概要
- 受講形式
会場・WEB
- 受講対象
医薬品メーカー,化学メーカー,食品メーカー,農薬・化粧品メーカーなど,及び公的機関。
分析部署,品質管理部署,品質保証部署,レベルは問わない。
- 予備知識
分析経験や医薬品試験の経験、あるいは品質管理・品質保証の経験が多少あれば十分で、予備知識不要。初心者歓迎。
- 習得知識
1)QC実施のポイント
2)生データの取扱い
3)データの信頼性確保の方法
4)「信頼性の基準」に関する知識
5)ミス事例、OOS・OOT、問題事例の知識
6)データインテグリティに関する基礎的知識
7)QC/QAが持つべき統計解析の知識 など
- 講師の言葉
「信頼性の基準」適用試験について【入門編】として、問題事例などを紹介しながら、信頼性基準適用の考え方を分かりやすく解説する。医薬品申請のための試験では、生データの取扱いと、それに基づく試験報告書作成、さらには、再分析に付随する不採用データや逸脱への対応と品質システムのあり方が信頼性確保の基本になる。
本セミナーでは定量試験から定性試験、さらには構造決定試験におけるQC/QA実施のチェックポイントを踏まえて、試験担当者がミスしやすい事例やQC/QAで見落としやすい事例を交えて紹介する。
また、「信頼性の基準」が制定されるに至った歴史的経緯を解説することによって、信頼性基準適用の考え方の背景にある本質への理解を深めてもらう。
さらに、データインテグリティでは、その背景や基本要件を解説し、FDAの Warning LetterやForm483の例などを紹介する。データインテグリティで要求されていることも、「信頼性の基準」と同様な考え方でかなり理解できることが分かるであろう。また、最後にQuality Cultureにも言及する。
さらには、小林化工の製造工程で水虫薬に睡眠薬が混入した薬害事件を例にして、QC/QAのあるべき対応を考察する。この事件では、QC/QAが統計解析や分析法の基礎知識を持っていれば防げた可能性が高いと思われる。
- 受講者の声
社内でもGMP教育がありますが、それよりわかりやすく、詳しい講義でとても参考になりました。とても丁寧で分かりやすいセミナーでした。
データの扱い方など、現在の運用が正しい理由や、こうしたほうがいいのではないかという部分の発見など、今後の業務に有効なセミナーであった。
非常にわかりやすい講義だった。信頼性基準の基盤となる考え方やQC実施の注意点を改めて認識することができたのでよかった。資料を冊子でいただけたため、今後内容を見返しやすい。
生データの定義や、最近のトピックス、指摘事例などについてわかりやすくご説明いただき、大変勉強になりました。
細かな事例の説明があり、どのように対応すれば良いか良く理解出来ました。最後の統計解析の話が少し難しかったですが、実際に活用していけたらと思いました。
プログラム
1.申請資料の信頼性の基準の3要件
1.1 信頼性確保の基本
1.2生データに関する信頼性確保の課題と
3要件
1.3「申請資料の信頼性の基準」が制定
された経緯
2.信頼性確保の課題
2.1 品質システムの構築
2.2 チェック体制(QAとQC)
2.3 品質向上、維持の課題
(教育訓練ほか)
3.生データの定義
3.1 生データとは
3.2 データ区分の明確化
4.データ及び記録の取扱いと 問題事例の紹介
4.1 データと記録
4.2 訂正などの方法
4.3 データの確認と承認
4.4 生データの保存
4.4.1 試験に関する生データ
4.4.2 機器や施設に関する生データ
4.4.3 生データの複写
4.5 初心者が犯しやすいミス
5.ワークシート,データファイル の取扱い
5.1 ワークシートの設計
5.2 実験ノートの運用
5.3 試験記録の取扱い
6.「信頼性の基準」適用試験の 手順と品質を向上させるための施策
6.1 SOPの整備と機器の保守管理
6.2記録の徹底
6.3 セルフチェックと第3者チェック
6.4予期せぬ出来事への対応、再測定と
不採用データ
6.5 教育訓練と資格認定
7.電磁的データ及びCSV (ごく簡単に)
7.1 電磁的データでまず用意すべき文書
7.2 Part11及びER/ESとCSVの関係
7.3 GAMP5
7.4 CSV実施の手順の概略
7.5 CSVからCSAへ
8.データインテグリティ
8.1 データインテグリティとは
8.2 データの完全性とは
8.3 なぜ今、データインテグリティか?
8.4 改正GMP省令とPIC/S
8.5 ALCORとは
(データインテグリティの要件)
8.6 ALCOA+
8.7 メタデータ
8.8 監査証跡(Audit Trail)
8.9 データインテグリティの発端事件
8.10 FDAの Warning Letterの例
8.11 FDA Form483の例
8.12 データインテグリティのまとめ
8.13 データインテグリティで対応の
悩む機器
9.QC/QA実施のポイントと、 見過ごされやすい問題事例の紹介
9.1 QC実施のポイント
9.1.1 どこでミスしやすいか
9.1.2 根拠資料がない!
9.1.3 生データにおける指摘
9.1.4 再測定、不採用データ
9.1.5 機器管理における指摘
9.1.6 試料管理における指摘
9.1.7 その他の指摘
9.2 定量試験、定性試験の共通事項
9.3 定量試験での留意点
9.4 構造決定試験での留意点
9.5 問題事例のまとめ:
信頼性の基準の3原則による分類
9.6 QCとQAの違いについて、あるべき姿
10.Quality Culture
10.1 Quality Cultureとは
10.2 Beyond Compliance
11.製造工程で経口水虫薬に睡眠薬が混入した薬害事件(小林化工)の事例におけるQC/QAのあるべき対応とは
11.1 OOS、OOTの観点から
11.2 分析法の基礎知識の必要性
11.3 QC/QAに知ってほしい統計解析の
基礎知識
11.4 統計的な視点から見てどこが
異常だったのか?
11.5 QC/QAのあるべき対応
まとめ・Q&A
まとめ
質疑・応答
略歴
東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻修士課程修了
(株)東レリサーチセンターにて28年間、核磁気共鳴(NMR)及び円偏光二色性(CD)によるタンパク質、ペプチド、糖鎖、医薬品の構造解析業務に従事。
その間、オックスフォード大学に海外留学。
その後、12年間、品質管理、品質保証に従事。
構造解析研究室長、医薬信頼性保証室長を歴任。
2022年4月 (株)東レリサーチセンター 退職。
現在、セミナー講師や執筆活動のほか、医薬品メーカーなどで品質管理・品質保証のアドバイザーを務める。
主な著作
「構造決定および物性の測定・解析と規格試験法設定(共著)」(2001年 技術情報協会)
「分析法バリデーション(共著)」(2003年 情報機構)
「広がるNMRの世界 -40人の研究者からの熱いメッセージ-(共著)」 朝倉哲郎編著
(2011年 コロナ社)
「非GLP試験での効率的な信頼性基準適用と品質過剰の見直し(共著)」(2017年 サイエ
ンス&テクノロジー)
「実務担当者が抱える悩みへ回答! 信頼性基準適用試験での実施基準【Q&A集/SOP例】
(共著)」(2021年 サイエンス&テクノロジー)
「当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ(共著) 」(2023年 R&D支援センター)
「最新GMPおよび関連ICHガイドライン対応実務(共著)」(2024年 技術情報協会)
所属学会など
2018年4月~2020年3月:(一社)日本QA研究会、GLP部会、第5分科会長
6th GQAC(第6回 国際QA会議)のChairperson(2020年2月)
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