発注者側が求めるめっき加工の必要性,品質保証5項目,表面改質との適合性,多層めっきと5M管理,めっき設計・技術仕様書の必要性,品質トラブル要素,品質チェックポイントの共有化,原価効率について,実践的に分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
星野技術士事務所 星野 芳明 先生
技術士(金属部門)、環境計量士、労働安全コンサルタント、作業環境測定士、第一種公害防止管理者(水質)
- 日時
- 2024/12/3(火) 10:00〜17:00
- 会場
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
- 製本資料(受講料に含む)
受講概要
- 受講形式
会場受講のみ
- 受講対象
めっき実務に経験のある方
めっきを必要とする部品用途設計に関連する方
めっきを必要とする部品の品質管理、品質保証を担当する方
めっき加工を始めようとする方 など
- 予備知識
特に必要ありません。
- 習得知識
1)発注者側が求めるめっき加工の必要性
2)品質保証5項目
3)湿式めっき加工の基礎技術(表面改質との適合性
4)多層めっきと5M管理
5)めっき設計・技術仕様書の必要性
6)品質トラブル要素
7)品質チェックポイントの共有化
8)原価効率 など
- 講師の言葉
自動車関連部品を中心に、電機・電子機器のもの作りも含め、品質管理マネジメントシステムISO9001(2015年版)のセクター規格としてIATF16949がスタートし、もの作りにおける不良の未然防止とムダの削減に対する統計的品質管理活動が強化されています。さて、各種材質を用いたあらゆる形状や大きさの成形加工部品には必ず何らかの表面処理(表面改質)が施されています。このように表面処理はなくてはならない必須の加工技術であり、めっき技術はその一つです。水溶液を用いた湿式でめっき加工するときは、前処理工程、めっき工程、後処理工程、乾燥工程からなる比較的長い処理工程が必要です。
また、最近のめっき加工技術はJIS規格外のものが多くなり、各工程で各種化学物質を取り扱い、物理化学的処理や電気化学的処理を組合せて行なう特殊加工技術であることから、次に示す2つの制御技術をそれぞれレベルアップさせることにより高度化していくものであることを忘れてはなりません。
(1) めっき液と被めっき物界面での電気化学反応の理解とその制御技術
(2) 物理的要素(設備、治具など)の必要性把握と工夫およびその制御技術
しかし、現場・現物・現象において、これらをコントロールする難しさがあり、ここがめっき加工における品質管理の泣き所です。めっき加工品の要求品質の向上に対して最適な加工を継続するためには、製品設計、部品設計の段階でめっき設計仕様書を正しく記載し、かつ、めっき加工工程の重要管理ポイントを理解し、さらに維持管理するための水や金属の性質、電気化学の基礎知識などを再認識して実践しなければなりません。めっき技術はちょっと工夫をするだけで最先端の部品に高機能を付与することができる非常にポテンシャルの高い技術であり、グローバル経済の中でめっき加工技術は欠かせません。しかし、特殊加工技術であるがゆえに油断をすると品質トラブルに遭遇しやすいのです。従って、このセミナーの内容を修得することは重要です。また、現場、現物、現象についての基礎知識を身に付け、もの作りにおける工程管理の整備、FMEA(不良の未然防止)、MFCA(材料や時間のムダコスト解析)の取組みによりQCDのレベルアップ及びサプライチェーンの強化をはかることは重要です。
- 進呈
講師著書『設計者のためのめっき設計仕様書の書き方』星野芳明 著(日刊工業新聞社)』を進呈します。
- 受講者の声
現在かかえてる問題点の解決のヒントになるような内容でとても有意義でした。
めっきに関することを幅広く知ることができました。「前処理が大切」ということを繰り返し教えていただきました。
私は実際にめっきを担当しているので、具体的な事例が多く良かったです。個別相談も利用でき満足です。
実践的でよかった。変色のメカニズム、ざらのメカニズムについて聞きたかったが聞けた良かったと思います。
ボリューム的にかけ足で進めていたので、理解できるか不安でしたが、知りたかった不具合についてよく理解できたので満足しています。
プログラム
1. 発注者側が求めるめっき加工の 必要性と品質保証5項目
(1) 表面処理技術の種類と
めっきによる表面改質の位置付け
(2) 物作りにおける湿式
めっき加工技術の役割
(3) 国際競争下での物作りと
めっき要求品質の明確化
(4) サプライチェーンにおける
めっき仕様と品質保証5項目
2. 湿式めっき加工技術の基礎と 求める表面改質との適合性
(1) 湿式めっき加工技術における
重要な2つの制御技術
(2) 湿式めっき加工技術における
電気化学反応とその制御
(3) 湿式めっき加工技術と耐食性
(防せい、防食)への影響
(4) 湿式めっき加工技術と
重要管理ポイント(CCP)について
3. 電解めっき法、無電解めっき法の 組み合わせなど多層めっきと5M管理
(1) めっき加工技術の基礎
(加工プロセスと5Mの維持管理)
(2) めっき用素材(Material)の
成形加工方法と表面状態の影響
(3) めっき方法(Method)の
変動要因とその影響
(4) めっき設備(Machine)の
劣化要因(特に付帯設備)と
その影響
(5) めっき加工従事者(Man)の
技能レベルと管理能力の影響
(6) めっき工程管理計測
(Measurement)とManの役割
4. 要求品質の向上と品質特性を把握 するめっき設計・技術仕様書の必要性
(1) 機能部品の品質トラブルと
不明確なめっき設計仕様
(2) 製品設計、部品設計における
めっき設計仕様書と技術仕様書
(3) めっき加工発注者側における
加工品設計とめっき仕様の見直し
(4) めっき加工発注者側と
めっき加工受注者側の
めっき品質認識のずれ
5. めっき加工における 品質トラブル要素
(1)めっき品質とは?
(2)標準化できないめっき工程の
問題点とManの技能
(3)めっき工程の特殊性と
工程管理における問題点
(4)Manの役割(気づき)の重要性
6. 発注者側と受注者側とにおける めっき品質チェックポイントの共有化
(1) めっき加工における仕損品と
死損品について
(2) めっき加工品受け入れ時の
品質検査について
(3) めっき加工品の大気保管時の
経時変化について
(4) めっき品質を安定化させるための
発注者側と受注者側の連携とは
7. めっき品質の安定化と 原価効率性の追求
(1) めっき品質の安定化と
原価効率性の追求とは?
(2) めっき品質トラブルを
未然防止するための取り組み
(3) ひっかけ治具方式による
電解めっきの場合
(4) バレルめっき方式による
電解めっきの場合
(5) 微小部品を含む無電解めっきの
場合
8. まとめ 質疑・応答
(1)まとめ
質疑・応答
個別質問
希望者
略歴
横浜国立大学工学部応用化学科卒業。
株式会社キザイ(旧 社名日本化学機材株式会社)を経て、星野技術士事務所開設し、現在に至る。
その他、東京都高等職業訓練校、電気めっき科講師、および、㈱ハイテクノにて、表面処理技術の教育指導や情報誌への投稿および上級表面処理技術講座の講師を行っている。
資格
技術士(金属部門)
環境計量士
労働安全コンサルタント
作業環境測定士
第一種公害防止管理者(水質)
その他資格有り
所属学会等
(社)表面技術協会会員
日本技術士会
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