GMPの位置づけ,基本概念,仕組み,文書,GMPに対応した製造・衛生・品質の管理基礎,実務で役立つノウハウ・判断基準について,豊富な事例を交え,実践的に分かりやすく解説する特別セミナー!
- 講師
株式会社ミノファーゲン製薬 顧問 脇坂 盛雄 先生 エーザイ(株)の品質管理/品質保証に30年勤務を経て現在に至る。他2社の顧問
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税等10%込)1名:88,000円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:82,500円
- テキスト
受講概要
受講形式 WEB受講のみ ※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。 テキスト PDF資料(受講料に含む) 受講対象 特に制限はありません。 予備知識 特に必要ありません。 習得知識 1)薬機法,GMPの概念を知る 2)GMPの基礎知識を学ぶ 3)GMPに対応した製造管理,品質管理,品質保証を学ぶ 4)自分で学ぶ/判断するためのノウハウを身に付ける 5)PICS/GMP,GQPとの違いを知る 6)医薬品製造所での品質保証 7)6つのギャップとその対応 8)PMDAのGMP適合性調査時のGMP指摘事項 など 講師の言葉 製造業のGMP不備と承認書齟齬、記録の偽造がなくならない。PMDAや県が必死に無通告査察を行っている。従来GMPの不備あると製品回収をさせている。GMP不備のために新製品の承認が遅れる事態も起きている。ますますGMPの理解が重要になっているが何十年もGMPを行っている製造所でGMPの基本を理解されていない。改正GMP省令でデータインテグリティが盛り込まれたが、記録の基本であった。しかし、GMP省令改正ではGMPで製造販売承認書との齟齬防止を任務が盛り込まれる。このよう欧米のDIガイダンスにあるような、紙が原本でもその元の電子記録の管理まで指摘し始めている。 このようにGMP対応はこれまで以上に重要性を増してきている。GMPを初めて学んでもよくわからない。それはGMP文書から入るからである。実際の品質問題の事例からGMPとはどういうものかと理解した方がわかりやすい。GMPの詳細を学ぶことよりもGMPの考え方を身につけると、その考え方で判断したことは間違っていない。それを学ぶセミナーとしたい。医薬品製造は各種の法令で遵守すべきことが定められている。先ずはその法令の全体像を知り、その上で薬機法/GMPの概念を学ぶ。GMP全般を学んだ後,それぞれの項目について再度深く学ぶ。初級者にもわかるようにしているが、GMPを知っていると思っている人にも、事例からGMPの品質保証を実際にどうすればよいかのヒントが得られる。 本講座はGMPで求めていることを説明するだけでなく、具体的な作業、手順,設備等についてSOP作成と管理,逸脱・変更管理,バリデーション、教育訓練を中心に解説していき、それぞれの管理ポイントの事例も紹介する。GMPが機能しなかった逸脱や製品回収の事例も紹介しながら、その事例からGMPを学ぶ。各自が実務において役立つノウハウ及び品質課題を判断する時のGMPの考え方/基準を身に付けていただく。 また、日本のPIC/S加盟、GMP施行通知の改訂で実施することになった6つのギャップについて解説し、今GMPの取り組むべき課題についても説明する。PMDA(医薬品医療機器総合機構)の指摘事項、ならびに製品回収から見えてくるGMPの課題について学ぶことで、GMPで順守すべきことを知る。 多くの産業で問題になっている違法な行為の隠蔽防止体躯策についても学ぶ。2019年度予定されているGMP省令改正の骨子とその対応についても説明する。 最近FDAが指摘して日本の製造所にWarning Letter(警告状)がだされているデータインテグリティについても説明する。 受講者の声 ・豊富な事例を基に、背景や品質保証の概念を理解でき、とても有益でした。ありがとうございました。 ・豊富な経験からくる話は面白かったです。先生のご経験と事例を元にわかりやすくご説明頂きありがとうございました。 ・事例も多く参考になりました。実践で取り入れ品質マインド醸成に努めたいと思います。
プログラム
はじめに;GMPを簡単に理解する! ・GMPを美味しいお蕎麦作りで考える。 1.法令の位置づけとGMP用語 ・法律,政令,省令,通知,ガイドライン,事務連絡,事例集とは ・薬機法,薬事法施行令,GMP省令,薬事法施行規則など ・GMP適合性調査が適合にならないと新薬も承認されない ・過去問対策 ・最近の指摘事項 ・被監査マニュアル作成とシミレーション実施(準備) ・リモート査察 ・GMP用語集 ・登録したいメルマガ 2.他の規則とGMPの違い ・ICH ・EU-GMP,CGMP ・PIC/S GMP ・GQP 3.GMPの基本的な概念 ・GMPとは‐GMP3要素 ・GMP不備による製品回収 ・GMPはハードとソフト両面から ・GMPの組織(仕組み) ・構造設備(ハード) ・必要な文書類(ソフト) ・ルールを定め,文書にし,実施したことは記録 ・決めなければならないこと‐責任体制 ・決めなければならないこと‐文書体系 ・やらなければならないこと バリデーション/変更管理/逸脱/OOS/自己点検/教育訓練/苦情対応など 4.製造の流れと品質保証 ・原料/資材受け入れ ・製造工程(製剤/包装) ・試験/検査 ・逸脱/OOS/CAPA(是正&予防) ・出荷判定 ・製品苦情/回収対応 ・原料/資材メーカーの品質保証の確認 ・出荷後の品質保証の視点 ・GMP省令改正 5.GMPの組織(仕組み) 1)責任者体制 ・製造管理者 ・製造部門/品質管理部門 ・その他の責任者 出荷可否判定者/バリデーション責任者/変更管理責任者/逸脱管理責任者/ 品質情報責任者/回収処理責任者/自己点検責任者/教育訓練責任者/文書管理責任者等 2)仕組み ・文書(規則,SOP,規格など)にて規定 ・出荷/バリデーション/変更/逸脱/苦情/点検/教育などのルール化 6.構造設備(ハード) ・ゾーン区分 ・エアーの流れ ・人の動線と物の動線 ・水の管理 ・交叉汚染防止 ・高薬理活性物質の封じ込め ・異物混入と防虫対策の基本 ・GMP調査に向けた構造設備管理ポイント 7.必要な文書類(ソフト) ・GMP関連文書の種類 ・SOPへの記載事項 ・作業者にとってわかりやすいSOPとは ・MPR/BPR ・文書と記録の管理 ・GMP調査での指摘事項例 8.GMP管理の基礎 1)製造管理 ・製造指図書に記載すること(トレーサビリティ確保) ・原料,資材,製品の管理 ・バリデーションの重要性 2)衛生管理 ・健康な人(病気,怪我の場合) ・手洗い/更衣 ・作業室,クリーンルームへの入退室 ・製造所の清掃の仕方 3)品質管理 ・原料/原薬の受け入れ試験 ・資材の受け入れ試験 ・試験の省略について ・試薬,試液,標準品の管理 ・参考品の保管 ・サンプリングについて ・製品試験(内容物の包装/表示) ・外観検査のポイント ・出荷判定 ・FDAのWarning Letter 9.バリデーション 1)バリデーションの概論 ・バリデーション ・バリデーションとは何か ・設計時適格性評価(DQ) ・URS ・DQ不備に伴う回収問題 ・据付時適格性評価(IQ) ・運転時適格性評価(OQ) ・稼動性能適格性評価(PQ) ・機器のキャリブレーション ・キャリブレーションとは何か ・プロセスバリデーション ・プロセスバリデーションとは何か ・予測的バリデーション ・同時的バリデーション ・回顧的バリデーション(前は認められていた) ・再バリデーション ・変更時の再バリデーション ・定期的な再バリデーション 2)空調システムバリデーション ・差圧/温度/湿度/風量/塵埃数 ・環境モニタリング ・GMP調査での指摘事項例 3)製薬用水の管理とバリデーション ・製薬用水の選択 ・水質の管理(水道水、精製水、注射用用水) ・水のロット管理 ・ユースポイントでの評価 ・GMP調査での指摘事項例 4)洗浄バリデーション ・何故洗浄バリデーションが必要か ・残存基準 ・洗浄方法 ・洗浄評価方法 ・GMP調査での指摘事項例 ・定期バリデーション 5)コンピューターバリデーション ・何故コンピューターにバリデーションが必要か ・CSVとは ・文書システムと電子承認/電子記録システム ・GMP調査での指摘事項例 6)試験方法のバリデーション ・分析法バリデーションで確認する項目(分析能パラメーター) ・サイトバリデーション省略による製品回収の実例紹介 10.変更管理/逸脱管理/OOS 1)変更管理 ・変更管理の仕組み ・変更管理の内容 ・GQPとの関係 ・軽微変更/一部変更申請 2)逸脱管理 ・逸脱の捉え方 ・逸脱内容/件数の評価 ・CAPA(是正と予防)の実施 ・OOSの基本的考え方 ・軽微変更/一部変更申請に該当する逸脱の対応 11.苦情処理・回収措置 ・苦情の位置づけ ・苦情時の対応 ・クレーマーへの対応 ・製品改善への反映 ・回収の手順書作成 ・回収の実情 ・回収の手順 ・苦情対応の稚拙事例から学ぶ 12.教育訓練 ・教育訓練責任者の任務 ・計画/実施/記録 ・作業認定制度 13.自己点検 ・自己点検の基本的な流れと考え方 ・自己点検の実施と記録 ・自己点検を改善に生かす ・マネジメントレビューの必要性(ICH10の考え) 14.PIC/S-GMPガイドライン対応/6つのギャップ(改正GMP省令) ・品質リスクマネジメント ICH9の考え ・製品品質の照査 森全体を見て改善 ・参考品等の保管 原料、資材の保管も ・安定性モニタリング 年次安定性試験 ・原料等の供給者管理 原料製造所査察等 ・バリデーション 定期的バリデーション 15.PMDA(医薬品医療機器総合機構)のGMP適合性調査での指摘事項と改善命令 ・PMDAのGMP適合性調査での指摘事項 ・PMDAのGMP適合性調査不適合に伴う製品回収と改善命令 ・欧米当局のGMP査察不適合に伴う製品回収等の実例 16.製造販売承認書の軽微変更/一変申請対応 1)関係する通知/事務連絡 2)迅速一変申請 3)医療用医薬品等の承認申請等に関する質疑応答集(Q&A) 4)一変申請すべきところを軽微変更届による製品回収 5)製造販売承認書との齟齬による製品回収(PMDAのGMP適合性調査より) 6)製造販売承認書との齟齬による欠品リスク 7)欧米変更管理 8)PMDAによるディシジョンツリー(医療機器)より 17.製造販売承認書の齟齬チェック者と責任者の研修 ・教育訓練(知る) ・齟齬のチェック方法と対策(実践する) ・齟齬を防ぐ仕組み(維持する) 18.製品回収事例からGMPの課題を知る ・製品回収の特徴 ・製品回収に関する当局の考え方(実際の事例から推察) ・発がん性物質混入による製品回収 ・アンチドーピング薬混入による製品回収 ・熊本県化血研 ・和歌山県山本化学工業 ・愛知県松浦薬業 ・福井県小林化工 ・富山県日医工 ・徳島県長生堂製薬 ・石川県辰巳化学 ・富山県廣貫堂 ・秋田県ニプロファーマ大館工場 など 19.製造所におけるGMPの課題 ・製造販売承認書との齟齬 ・無許可の中国産アセトアミノフェン使用 ・無通告査察 ・FDAのデータインテグリティ ・PIC/Sデータインテグリティ(DI)ガイダンス ・原薬トリアゾラムの製造所虚偽問題 20.隠蔽防止対策 1)作業者が隠ぺいをした事例とその対応 ・試験を実施しなかった ・意図的にSOPを遵守しない 2)なぜ作業者は報告しない/隠ぺいするのか ・隠蔽の意識がない行為 ・SOPに対する軽視 3)風土の問題 ・マネージメントの問題 ・一人ひとりが生かされる風土 21.GMP省令改正について 1)GMP省令改正の骨子 2)GMP省令改正対応 22.人が創る品質/Quality Cultureの醸成 講師紹介 略歴 1979年4月 エーザイ (株)入社 検査部、人材企画室、生産物流本部、信頼性保証本部 品質保証部 統轄部長 品質保証責任者 (品責) を歴任 エーザイ(株)の品質管理/品質保証に30年勤務 2013年9月 退職 他2社の顧問を兼務、現在に至る