受講概要
受講形式 会場・WEB *WEB受講はLive配信のみ(録画視聴はありません)。 受講対象 においに対して素人の方から分析のプロまで満足いただける内容にしている。 その根拠は、においの基礎は十分に抑えつつ、従来とは少し違った視点にてにおいを特に見える化について解説する。 複合臭については特に踏み込んだ解説を行う。 ただ、既知の部分とそれ以外は明確に区別して説明する。 予備知識 予備知識は必要ないように丁寧に説明する。 習得知識 1)においの基礎知識の習得。 2)見える化について、官能評価、機器分析(分離分析、センサ法)について、その内容と限界と考えられているところを理解できる。 3)複合臭の特異性とその評価方法が習得できる。 4)基礎知識から最先端のところまでを理解できる。 5)においに対する法令がISOの現状を理解できる。 講師の言葉 DX化は“におい”においても求められているが、なかなか対応が難しいのが現状である。その理由についてこのセミナーを聴講いただければ、まず、DX化を阻むにおいそのものの難しさと、それによりにおいを見える化数値化することの難しさを科学的に理解をできる。その理解の上になって、見える化のいくつかの対応策についての長所、短所を学習をいただけます。特に複合臭については、従来の分離分析だけでは難しい局面があり、その理由とその対応策を学習できます。 受講者の声 ・・機器分析についてはメーカーのセミナー等でもありますが、官能評価、パネリスト選定、におい識別装置など幅広く においの見える化についてご講義いただき大変勉強になりました。 ・いろいろご経験等を基にお話しくださったので、非常に為になりました。ありがとうございました。複合臭の分析に関する先生の新たなご提案が面白いと思いました。 ・事例を交えて大変分かりやすい講義でした。官能や機器による分析の手法および使い分けの方法や海外文献の引用など参考になる内容です。 ・においがどのようなものであるかといった基礎を学ぶことができ、ためになった。 においのメカニズム、測定機械等説明がわかりやすかったです。 ・香料会社に入社して半年のため、知識不足で内容についていけるか不安でしたが、基本的な内容から教えていただいたので分かりやすかった。 調香を学んでいて単品香料の組み合わせにより生成される香りが無限にあることを日々実感している。本日学んだ内容を生かして技術を磨きたいと思います。
プログラム
1.においを見える化する上で大切なこと 1-1 においの定義は? 1-2 においは3の側面で考えるとわかりやすい 1-3 五感の一つとしてのにおいの本質 1-4 においに原臭は存在するのか? 2.嗅覚の検知メカニズム 2-1 鼻の構造と嗅覚レセプター 2-2 嗅覚レセプターの応答機構 2-3 複数の嗅覚レセプターとにおいの応答の関係 3.複合臭が引き起こす不思議な現象 3-1 飲料の場合 3-2 お菓子の場合 3-3 ワインの香りの場合 3-4 お香の場合 3-5 オミッション法とは 3-7 複合臭の特長とその由来は? 3-8 複合臭の特長としてのマスキング 3-9 においの分類方法 4.においの単位は? 4-1 におい物質濃度とにおいの強さの関係 4-2 においの強さの単位は? 1) 臭気強度 2) 臭気濃度 3) 臭気指数 4-3 検知閾値、認知閾値、弁別閾値とは? 4-4 決めにくいにおい質の単位 1) におい物質とにおいの種類の推定 2) フレーバーホイール 3) 官能によるにおい質の表現とQDA法 4) 自動車ISOのにおい質 5) SD法 4-5 オルソゴナルなにおいとレトロネーザルアロマとは 5.においの見える化方法 5-1 官能評価と機器分析の使い分け 5-2 日本の悪臭防止法の測定方法の変遷 5-3 海外のにおい強度の測定方法 5-4 臭気指数表現の場合に注意したいこと 6.官能評価法 6-1 分析型官能評価と嗜好型官能評価に違い 6-2 官能評価の種類とばらつきを低減させる工夫 1) 2点比較法 2) 3点比較法 3) SD法 4) QDA法 5) 順位法 6-3 自動車車室内のにおいの強さの測定法 6-4 パネルの選定方法 6-5 装置を利用した官能評価 1) 検知閾値の測定方法 2) 弁別閾値の測定方法 3) マスキングの定量化方法 6-6 官能評価で注意すべき点 7.機器分析の種類と特徴 7-1 成分に分離する方法と成分に分離しない方法 7-2 成分に分離する分析(GC,GCMS)装置 1) その原理 2) におい嗅ぎGCが必要な理由 3) 解析例 4) 複合臭に対する成分分析のの注意点 7-3 におい嗅ぎGC,GCMSシステム 1) どのような装置か? 2) GCMSの出力からアロマクロマトグラムへの変換 3) アプリケーションとしての、癌臭分析 7-4 複合臭を成分分析できっちり分析する 1) ビールを香気が再現するまで分析できるか 2) 2次元GCMSを利用してみたら。 7-5 成分分析用のサンプル濃縮技術 1) HS法とTD法 2) 直接加熱 固相抽出 3) SPME法 7-6 においの単離方法 1) 蒸留法 2) 抽出法 3) 吸着法 8.センサ方式 8-1 複合臭分析に期待されるセンサ方式 8-2 開発されているセンサ方式とその問題点 8-2 単素子のセンサ方式 8-3 におい識別装置 装置原理、解析原理、スタンダードモード ユーザーモード マスキング評価 9.快・不快度測定 1) 官能評価による方法 2) におい識別装置による測定 10.成分分析による異臭分析 11.複合臭に対する最近のアプローチ 講師紹介 略歴 1981年3月 京都大学 工学部 化学工学科卒業 2014年3月 九州大学大学院システム情報科学府電気電子工学専攻博士課程卒業 2014年4月 株式会社 島津製作所 2022年10月 株式会社におい科学研究所 代表取締役 受賞 2022年 におい識別装置の開発および実用化への導入(社)日本分析化学会 2022年度 技術功績賞など多数 学会等 においかおり環境学会 学会委員 2009年~2018年 においかおり環境協会 副編集委員長 2019年~現在 においかおり環境協会 理事 2021年~現在