受講概要
受講形式 会場・WEB 受講対象 接着剤や粘着剤を使用する業務にたずさわっている又は、関心のある技術者の方 予備知識 特に必要ありません。 習得知識 1)接着剤が被着体に接着するメカニズムを習得できる 2)接着力向上のポイントとなる被着の表面処理および改質の必要性と方法を習得できる 3)接着力に影響を与える要因とその対応方法を習得できる 4)各種接着剤の特徴と使用上の留意点を習得できる 講師の言葉 接着剤は自動車、電気・電子など幅広い産業において多くの製品に用いられていますが、他の接合法と異なり品質のばらつきが大きいという欠点があります。接着の品質は被着体の特性にマッチした接着剤の選定や取扱いに大きく左右されます。また、接着剤と被着体との界面には外力や環境変化によって様々な応力が発生し、それが界面剥離や凝着破壊など接着の信頼性に大きな影響を与えます。良い接着とはこれらの要素を充分に考慮し、接着剤の正しい選定や被着体の表面処理など正しい取り扱いをする必要があります。 しかし、接着剤は日常的に気楽に使っているために、業務においてもとかく理屈ではなく、経験に基づいて使用しているのが実状です。高品質な接着を行うためには、接着原理すなわち、被着体と被着体との界面現象や、硬化した接着剤の機械的特性などを充分に理解することが大切です。 そこで本セミナーでは、接着剤・粘着剤の基礎知識と取扱い上の留意点を座学とグループ討議を通じて理解を深め、実践で役立つスキルを習得して頂きます。
プログラム
1.接着・粘着の概要 1.1 各種接合法 1.2 接着とは 1.3 接着機能の分類 1.4 用途 2.接着技術の基礎 2.1 接着強度を理解するポイント 2.2 接着のメカニズム 2.3 接着の理論 2.4 接着とはく離 3.粘着技術の基礎 3.1 粘着の基礎 3.2 粘着のメカニズム 3.3 粘着の評価項目と評価法 3.4 粘着テープの形態 3.5 粘着剤の設計 3.6 粘着特性 3.7 各種粘着剤の特徴と特性 3.8 粘着テープ取扱い上の注意事項 4.接着剤を活用した設計と取扱いの留意点 (使用方法・管理方法について) 4.1 接着剤の機能 4.2 接着設計の基本 4.3 封止(シーリング) 4.4 接着剤選定の留意点 5.接着剤各論 5.1 接着剤の分類 5.2 各種接着剤の概要 6.接着剤のトラブルと対策 6.1 接着接合の問題点 6.2 接着トラブルの発生要因 6.3 接着剤の選定ミスによるトラブル 6.4 接着剤の変質・劣化に起因するトラブル 6.5 接着剤の硬化不足に起因するトラブル 6.6 被着材の表面処理に起因するトラブル 質疑・応答 講師紹介 略歴 1973年4月~2005年3月:(株)デンソー(旧日本電装㈱)開発部にて車載用セラミックス製品、空気浄化フィルタ、燃料電池関連システムの開発・設計。 2005年4月~2009年3月:(株)デンソーテクノ((株)デンソーグループ会社)人材育成部にて技術者教育の企画と実践 2009年11月~現在:テクノサポートオーテス代表。自動車関連企業等の技術者を対象に技術教育を支援。 主な分野は、・ねじ締め・トライボロジー・自動車用シール技術・鉄鋼材料の熱処理・表面処理・接着剤・VE実践・ゴム・樹脂です。 2016年~2021年:愛知工科大学 非常勤講師(担当:次世代エネルギー、表面工学) 著作 1996年―自動車工学シリーズ「カーエアコン」共著・・山海堂 2021年―機械要素の選定・活用ガイド「シール編」‥日刊工業新聞社 研究業績 1995年JSAE(自動車技術会)発表(テーマ:車室内空気の清浄化技術)、 1996年SAE International国際会議発表(前記の関連テーマ)。