はんだ接続の構造,温度プロファイル,実装材料の選定,リフローはんだ・フローはんだ・ 鉛フリーはんだ・両面実装の特性・信頼性・故障モード,はんだ接続の寿命予測について,事例・データ・写真・経験に基いて,詳しく解説する特別セミナー!!
- 講師
技術コンサルタント 伊藤 千秋 先生 オムロン株式会社品質保証部長,部品技術部長等歴任後現職 制御機構部品の品質保証を15年, 自動車電装部品の品質保証23年経験,品質・信頼性一筋のプロフェッショナル この間,日本科学技術連盟 信頼性開発技術研究会 委員長などを歴任
- 日時
- 会場
TH企画 セミナールームA
会場案内
- 受講料
- (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 会場・WEB 受講対象 実装設計技術者、製造技術者、品質保証技術者、 クレーム処理担当者、生産技術者、実装設備技術者 など 予備知識 特に必要ありません。 事前質問を受け付けます。 受講申し込み後、事前の質問シートを送付します。 習得知識 1)はんだ接続のメカニズム 2)はんだ実装材料の選定の基本 3)リフローはんだ実装の特性,信頼性,故障モード 4)フローはんだ実装の特性,信頼性,故障モード 5)両面実装の特性,故障モード 6)はんだ接続の寿命予測 講師の言葉 はんだ付けは古来より実施されてきている接合法であるが、慣れ親しんでいる工法である割には過去よりなんどもトラブルを引き起こしている古くて新しい技術の一つである。 自動車業界では、鋼鉄の車両の中に閉じ込められているユニットが受けるストレスはとくに大きく、周囲温度・自己発熱による熱耐久寿命、湿度や結露によるリーク劣化寿命、静荷重によるクリープ寿命などで大きなトラブルを繰り返し引き起こしているものでもある。 近来では、これに鉛フリーはんだ、金属基板実装に始まり、極小チップ部品、バンプ実装、フレキシブル基板の低融点はんだ実装など大幅な技術の進歩がみられている反面、海外シフトの中、日本で過去に経験したトラブルが海外でも起きている。これはほぼ10年を区切りに技術者の世代が変っていくためとみられ、伝承が十分でないということでもある。 はんだ実装技術は、新たな技術が着目されるが、その核心となる技術は古き時代からの普遍的なものがあり、それを生かしていかねばならず、世代が変わるごとに失敗を繰り返してはならないのである。 このセミナーでは、長年自動車電装部品の品質保証をしてきた経験を「語り部」としてお話する。 受講者の声 ・実例だけでなく理論についても触れられておりとてもわかり易かった。 ・非常に実践的で試験結果や検討データに基づいた講義で理解が深まりました。 ・今まで理由がわからずに引き継いできた知識を具体的な事例や数値で知ることができた。 ・おさえるべき要点を尽くしてくれる解説でわかり易かった。テキストも解説も充実しており有意義に学べて満足しました。
プログラム
1.はんだ工法、材料、検査法の変遷
(1)はんだ付け材料の変遷とそこから読み取れるもの
(2)はんだ付け工法の変遷とそこから読み取れるもの
2.はんだ接続の構造
(1)初晶、拡散層、金属間化合物
(2)Sn-Pb系はんだ、Sn-Ag-Cu系はんだの組織
(3)予熱・乾燥・溶解・流動・固化の挙動と様態変化(高速ビデオ画像)
3.工法
(1)はんだ付け温度プロファイルの主要点の基本的な考え方
リフローはんだ・フローはんだ・コテはんだ
(2)実装材料選定の基本的な考え方
基板、はんだ材、プリフラックス・ポストフラックス、はんだペースト、コーティング
(3)はんだ材
はんだの種類・はんだ融点・はんだ軟化点(最高使用温度)
はんだ合金状態遷移図
はんだ材の伸びと引張り強さ、はんだの変位と荷重、はんだの温度と強度、はんだの凝集力と広がり性の関係
(4)積層板・基板・レジスト材
積層板の種類
基板の膨張係数と耐熱衝撃性の関係、基板の吸水率と耐湿度性の関係、基板のガラス繊
維量・組み方・径・本数と吸水率の関係
(5)リフローはんだ実装(表面実装)
はんだ実装温度の基本的な考え方
工法(大気リフロー、窒素リフロー、真空リフロー)
構造(平行流方式、垂直流方式、垂直乱流方式)
はんだ部位の応力歪の構造と歪の分布
はんだ印刷と転写率の考え方
メタルマスクの加工法と版抜け性、版離れ方式と版抜け性の関係
はんだペーストの常温放置時間とはんだ濡れ性、ローリング時間とはんだ濡れ性の関係
大気リフローと真空リフローにおけるはんだボイドの関係(高速ビデオ画像)
表面実装におけるはんだ熱疲労のメカニズム
はんだ熱疲労に与えるはんだ因子の関係(田口メソッドによる)
熱風噴き出しと排気の位置、ノズル形状による温度差ΔTの最小化
冷却勾配制御
主要な故障モード
①熱疲労
② パッケージクラック
③ブラックパッド(はんだ剥離)
④はんだボイド
(6)フローはんだ実装(挿入実装)
はんだ実装温度の基本的な考え方
工法(大気フローはんだ、窒素封入はんだ)
挿入実装におけるはんだ熱疲労メカニズム
はんだ部位の応力歪の構造と歪の分布
はんだの昇り高さと間隙の関係
基板の種類・構造とはんだのクラック発生率との関係
はんだ温度と荷重とクリープ寿命の関係
はんだの昇り高さ、はんだの厚みとはんだ熱疲労寿命の関係
主要な故障モード
①熱疲労
②クリープ
③リーク劣化
(7)鉛フリーはんだ実装
Sn-Ag-Cuはんだ合金の状態遷移図
引け巣・リフトオフ・食われ・Sn-Cu合金ウィスカのメカニズムとその制御法
リフトオフにおよぼすはんだの中のCu量、冷却速度の関係
はんだフィレット形状とはんだ弾性ひずみ、オーバーレジスト量とひずみの関係
Sn-Cuはんだ合金のウィスカーのメカニズムとその制御法
はんだボイドのメカニズムとその制御法
主要な故障モード
①リフトオフ
②溶食(喰われ)
③凝固割れ(ひけ巣)
④はんだボイド
⑤ウィスカ
(8)両面実装
混載実装
リフロー局部ディップ実装
マスク実装
両面リフロー実装
主要な故障モードとその対策
①はんだ軟化点を超えることによるはんだ剥離・はんだ強度劣化
②はんだ熱履歴が多数回かかることによるはんだ熱劣化
(9)極小チップ部品実装
①実装方式
②チップマウンタのノズル孔面積設計、実装方式によるヘッド位置精度
③チップ部品電極
④故障モードとその対策
(10)BGA実装
①はんだバンプ形成法
②リフロー構造の要件
③実装温度制御
④検査法
(11)コテはんだ
コテからの熱伝達効率
はんだ送り量制御、三軸位置補正制御、コテ当て角度制御
(12)レーザはんだ
焦点距離、ビーム径、照射角度、反射率の制御
(13)はんだ印刷画像検査(SPI)・はんだ画像検査(AOI)
検査方式(2D方式・3D方式)
はんだ転写率
画像検査プログラム制御
(14)基板分割
基板分割方式(ルータ・ソー・上下押切ディスク・押切プレス・手割り)
各種方式ごとの基板にかかるひずみ
(15)インサーキットテスト、ファンクションテスト
インサーキットテスタ・ファンクションテスタの基本条件
プローブピンの種類と接触圧力、摺動距離、接触信頼性の関係
質疑・応答
講師紹介 社歴 昭和無線工業(現SMK):5年2ヶ月 トリオ(現JVCケンウッド):3ヶ月 立石電機(現オムロン):38年7ヶ月 職歴 スイッチ製造技術:3年2ヶ月 コネクタ製造技術:1年 圧着・ハーネス製造技術:2年 アンプ・チューナ製造技術:3ヶ月 部品メーカ監査(加工部品):20年 (電子部品・機構部品):25年 制御機構部品(リレー・スイッチ・タイマ・センサ)品質保証 :15年 自動車電装部品(ECU・リレー・センサ・スイッチ)品質保証 :25年 最終職位 品質保証部並びに部品技術部 部長 韓国オムロン電装 理事(役員) 上海欧姆龍控制電器 顧問 福達合金材料 顧問 学会活動 日本信頼性学会会員:23年 日本信頼性学会企画委員(地域委員):2年 日本科学技術連盟講師:24年 日本科学技術連盟信頼性開発技術研究会 委員長:2年(1期) 日本科学技術連盟信頼性開発技術研究会 副委員長:4年(2期)